All Chapters of 結婚式で捨てられた後、私は彼の最大のライバルと結婚した: Chapter 11 - Chapter 20

57 Chapters

第十一話 形勢逆転

──!! 修さん? 芝居にしては、あまりにも真剣な眼差しに、綾の心臓がドキドキと騒がしく、勘違いをしてしまいそうだ。 動揺を見せながらも、修のその瞳にどんどん引き込まれ、自分の胸の鼓動が波打つスピードについていけないでいる。 「やっと、キミと結婚出来て嬉しいよ」 ──やり過ぎだよ! と言えないほど真摯で誠実な雰囲気に圧倒され、ジッと見つめ合ったまま、綾は不自然な笑顔を貼り付けたままだ。 会場の下では、一気に騒然となった。 「聞いた? 天埜修、なんて言った? 『やっと君と結婚できる』だって?」 「やっと? つまり、ずっと彼女と結婚したかったってこと?」 「まさか……これ、利益のための政略結婚じゃなくて、本当の愛じゃない!」 さっきまでのひそひそ話で笑いを待っていたゲストたちの空気は、一瞬で変わった。 「やっぱりね、平井家の令嬢が落ちぶれるはずないんだよ、ただ控えめなだけなんだ!」 「そうそう、あのドレス、あのネックレス、あの雰囲気、家から追い出された子に見える? 完全に幸せな享受してるじゃん!」 「天埜家の若奥様だ……うわあ、なんて運命なんだ」 中には、こっそり美奈母娘の方をちらりと見て、幸せそうにざわめく人もいた。 「さっき、誰か『レンタル新郎』『おじさんに買われた』とか言ってなかった?」 「しーっ、声をひそめて、あの人たちの顔が青くなってるよ」 「ぷっ、ざまあみろ」 その言葉は、美奈を嫉妬させ、継母、父を震撼させている。 中でも昌浩は激怒し、拳を握り震わせている。 神父の声が礼拝堂に響き渡る。 「新郎新婦は、誓いのキスを交わしてください」 綾の胸がギュッと縮まった。 こんな場面がまだ残っているな
last updateLast Updated : 2026-03-25
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第十三話 天埜修という存在

今日は、綾が親友の美樹と、以前よく通っていたあのカフェで会う約束をしていた──。 ただの友人との気軽なお茶だったため、綾は運転手の送迎をやんわりと断った。 けれど、家を出てからずっと、どこか妙な違和感があった。 ……誰かに見られている気がする。 あからさまではない。 けれど、四方八方から細い針のような視線が突き刺さってくるようで、落ち着かない。 コンビニに立ち寄って、水と軽いお菓子を買う。 ビニール袋を手に持ちながら何気なく視線を流したその時、通りの向こう側にいた若い女性が、慌てたように顔を伏せるのが見えた。 綾は思わず眉をひそめた。 ……気のせいだろうか。 まだ到着していない美樹を待ちながら、綾はカフェの隅の席に座っていた。 そろそろ連絡しようとスマホを手に取った、その瞬間──画面にニュースの通知が飛び込んできた。 〈独占スクープ! 天埜グループ御曹司の妻、単独外出──すっぴん姿をキャッチ!〉 綾は一瞬、何が起きたのか分からなかった。 けれど記事を開いた次の瞬間、全身が凍りつく。 そこに写っていたのは──間違いなく、今日の自分の姿だった。 スクロールすると、コメント欄はすでに大騒ぎになっていた。 〈これが天埜修の奥さん?〉 〈確かに綺麗だけど天埜家にはちょっと釣り合わなくない?〉 〈平井家から追い出された元令嬢って本当? 逆転劇すぎる〉 〈えっ、私の推しが結婚してたなんて無理……!〉 〈御曹司夫人
last updateLast Updated : 2026-03-27
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第十四話 好きになってはいけない

「わ……何これ〜! すご〜い! まるで宮殿だよね?」 美樹が驚くのも無理もない。 全体的に白を基調とされた宮殿のような豪邸。 どこかのホールかのような広い空間のLDK。 チョコレートブラウンのヴィンセントソファーが大小数個向かい合わせに並べられていて、真ん中には、重厚感のある大理石のセンターテーブルが鎮座している。 壁には、大きくて迫力のあるテレビが掛けられ、壁紙は、アンティークレトロの白と金のクロス模様。 天井には、クリスタルキャンドルのゴージャスなシャンデリアがいくつもぶら下がり、キラキラと輝きながら優しい光で照らしてくれる。 床から天井まである大きな窓からは、門までの広く綺麗に手入れされた庭園を鑑賞することが出来る。 美樹は初めて足を踏み入れる豪邸の別世界感に興奮している。 「さすがは、王子様ね。ねぇ! 綾の部屋は? せっかくだから、案内してよ」 そのまま二人は、二階へと続く螺旋階段を上がる。手摺りは金色に輝き、真ん中にはオフホワイトの絨毯が敷かれ、両サイドは足元灯で一段ずつ照らされている。 「凄〜い!」 綾の部屋に到着すると、 「え? これ最初から用意されてたの?」
last updateLast Updated : 2026-03-28
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第十五話 最も美しい花嫁姿

──天埜修 視点── ──バーン!! 教会の重厚な大扉が勢いよく開いた。 一斉にすべての人の視線を集める。 修は、大切な結婚指輪を取りに行っていたから、少し遅れてしまったのだ。 「ハア……」 ──間に合った…… 真っ先に修の目に飛び込んで来たのは、壇上で緊張しているのか少し伏し目がちに……しかし、背筋は真っ直ぐ伸ばし、凛と立っている最も美しい彼女の花嫁姿だった。 ──うん、選んで正解だ! 思わず口元が緩む。 初めて彼女を病院で見た時、彼女は、哀れなほどに傷つき乱れた姿だった。 だが、それでも彼女は、強い眼差しをしていた。修は、彼女のその強い眼差しに惹かれていた。 それが、一目惚れだという自覚はない。 契約結婚に同意したのは、"事故の補償”という理由だが、"助けたい”という気持ちもある。 しかし、修にとっては、それ以上に、"面白い”"この女性は普通じゃない”という新鮮さが大きい。 修は、自分の手で作り上げた花嫁姿を満足げに眺めながら──彼女は、本来こうあるべきだと思っていた。 そして、一歩一歩、彼女に歩み寄る。 ──随分待たせたな ゲストたちの囁きが修の耳にも届く。 「あの方!」 「天埜家の……」「まさか彼が新郎だなんて」騒然となっている。 かつて綾を嘲笑った人たちの表情が見て取れる。
last updateLast Updated : 2026-03-29
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第十七話 意想外の結婚式①

──昌浩視点── 昌浩は、綾が本当に予定通り結婚式を挙げるなんて、思ってもいなかった。 家を追い出され、無一文になり、婚約まで破談になった── そんな彼女に、いったいどこに結婚式へ立つ勇気があったのか。 だが、一夜にしてアトランティス風へと生まれ変わった式場を目にした瞬間、彼は言葉を失った。 たった一日で……? いったい、どこの何者ならこんなことができるんだ? それなのに、自分はどうだった。 綾がどんな雰囲気を好きなのかすら知ろうともせず、面倒だと適当にあしらっていた。 そんなことを考えていた、その時── 扉が開き、綾が入場してきた。 昌浩は、思わず息をのんだ。 ──綾……こんなにも綺麗だったのか…… 普段の綾は、いつも地味で控えめな格好ばかりだった。 だからこそ、彼は一度だって、彼女をちゃんと見ようとしたことがなかった。 参列者たちがザワザワしながら、とても美しいと騒いでいる。 それに、あのウェディングドレスは、世界に三着しかない限定モデルだ! という声が周りから聞こえた。 そんなドレスをどこでどうやって手に入れたのかと美奈が騒いでいる。 父親がお金を出したのではないか? と詰めよったが違ったようだ。
last updateLast Updated : 2026-03-31
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第十八話 意想外の結婚②

──美奈視点── 美奈は、綾の結婚式を"見せ物”として見に来ていた。 家を追い出された女に、いったいどこに花婿がいるというのか。 祭壇にたったひとり立たされ、会場中の笑いものになる── そんな綾の惨めな姿を、この目で見届けるつもりだった。 だが── 「……あれ、天埜修じゃない?」 ざわり、と会場がざわめいた。 美奈の笑みが、ぴたりと凍りつく。 逆光の中、ゆっくりとその姿が浮かび上がっていく。 見間違えるはずがない。 あの男は──天埜グループの後継者。 業界の頂点に君臨する、誰もが一目置く男だった。 ──あり得ない! こんなこと、あり得ない! 綾みたいな女が、どうして天埜修に釣り合うというの!? 修は、皆を釘付けにしながら颯爽と歩き進め、ようやく壇上の綾の隣りに並んだ。 二人で見つめ合いニコニコしている。 ──どういうこと? こんなの認められない! 指輪の交換をしている。 間に合ったんだ……。 昨日昌浩からもらった結婚指輪。ちょうどサイズが同じだったから貰ったけど……安っぽい。 ジッと指輪を見る。 すると…… 天埜修の声で、 「ずっと好きだった」と聞こえた。 ──!! 更に、 「やっと、キミと結婚出来て嬉しいよ
last updateLast Updated : 2026-04-01
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第十九話 入籍での乱入

無言で微妙な空気のまま、車は役所に到着した。 ──さっきの美樹の言葉、修さんに聞こえてなかったのかしら? 綾は、不安で仕方がなかった。 「じゃあ行こうか」 「……はい」 絶対的オーラの天埜修、歩いているだけなのに、やはり誰もが振り返り、目を輝かせた女性たちの視線を一気に集めている。 それを知ってか、突然、修は綾の腰に手を回し、 「夫婦らしく」と耳元で囁き、微笑みながら綾をエスコートする。 ──そうだった! ここは公の場。 綾は慌てて笑顔を作り直す。 「まあ、素敵〜」 「やっぱり美男美女ね」 「カッコイイ〜! 綺麗〜」 周りの声が耳に届く。 綾は、先ほどまでの軽装とは違って、総レースをあしらったアイボリーの綺麗めワンピースを身に纏いゴールドのハイヒールを履きゴールドのバックを持ち、髪はアップにしている。 修は、光沢のあるダークグレーのスリーピースを着こなし、サックスブルーのシャツにゴールドのネクタイとポケットチーフでバッチリ綾に合わせている。 そして、戸籍課の前まで行くと、修が婚姻届を提出。 「お願いします」 「は、はい」 役所の方も緊張されているようだ。 そして…… 「わあ、ついに夫婦になるのね」 「羨ましい〜! お似合いね」 周りから声が聞こえる。 修は、わざと綾の目を見つめ、小声で、 「祝福されてるよ」と笑顔で揶揄う。 契約通り、綾も修を見つめたまま不自然な笑顔を貼り付け微笑んでいる。 それを見て、修に笑われる。 「ハハッ」
last updateLast Updated : 2026-04-02
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第二十話 修の結婚──豪門の反応

修が突然、結婚した事で、豪門内で話題になり、天埜家全員が驚いている。 「修が、結婚?」 母親が驚き思わずフォークとナイフをお皿の上に落とした。 父と祖父も驚いてはいるが、食事中ということもあり、黙ったままニュースを見続け、特に口を開かない。 しかし食後、祖父が、 「どういう事だ?」と父に訊ねる。 「私にも全く……」 祖父は、 「修に説明を求めろ!」とだけ言った。 「はい……」 母が、父に、 「修の隣りに映ってるこの娘は、一体誰なの? どうして私たちに何も言わずに修は、結婚したの?」 「俺にも分からない!」 修は、普段孤独で禁欲的、縁談や政略結婚を全て断っていたため、まさか……! と家族の間では議論が起きたのだ。 食事中──修は、父からの電話を受けた。 「修! お前結婚ってどういうことだ?」 「そのままだよ、俺、結婚した。今度、正式に妻を紹介するよ。お爺ちゃんにも伝えておいて」 自ら家族向けのプライベートパーティーを開くと提案。 そこで、綾を皆んなに妻として紹介すると言うのだ。 綾にも、そう告げると綾は驚き、不安を抱えつつも、 「そうよね……もう結婚したのだから、当然よね」と修の親族に会う決心をする。 ──── 綾は晩餐会で着る用のハイブランドドレスを選ぶため、親友の美樹に同行してもらうことにした。
last updateLast Updated : 2026-04-03
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