──!! 修さん? 芝居にしては、あまりにも真剣な眼差しに、綾の心臓がドキドキと騒がしく、勘違いをしてしまいそうだ。 動揺を見せながらも、修のその瞳にどんどん引き込まれ、自分の胸の鼓動が波打つスピードについていけないでいる。 「やっと、キミと結婚出来て嬉しいよ」 ──やり過ぎだよ! と言えないほど真摯で誠実な雰囲気に圧倒され、ジッと見つめ合ったまま、綾は不自然な笑顔を貼り付けたままだ。 会場の下では、一気に騒然となった。 「聞いた? 天埜修、なんて言った? 『やっと君と結婚できる』だって?」 「やっと? つまり、ずっと彼女と結婚したかったってこと?」 「まさか……これ、利益のための政略結婚じゃなくて、本当の愛じゃない!」 さっきまでのひそひそ話で笑いを待っていたゲストたちの空気は、一瞬で変わった。 「やっぱりね、平井家の令嬢が落ちぶれるはずないんだよ、ただ控えめなだけなんだ!」 「そうそう、あのドレス、あのネックレス、あの雰囲気、家から追い出された子に見える? 完全に幸せな享受してるじゃん!」 「天埜家の若奥様だ……うわあ、なんて運命なんだ」 中には、こっそり美奈母娘の方をちらりと見て、幸せそうにざわめく人もいた。 「さっき、誰か『レンタル新郎』『おじさんに買われた』とか言ってなかった?」 「しーっ、声をひそめて、あの人たちの顔が青くなってるよ」 「ぷっ、ざまあみろ」 その言葉は、美奈を嫉妬させ、継母、父を震撼させている。 中でも昌浩は激怒し、拳を握り震わせている。 神父の声が礼拝堂に響き渡る。 「新郎新婦は、誓いのキスを交わしてください」 綾の胸がギュッと縮まった。 こんな場面がまだ残っているな
Last Updated : 2026-03-25 Read more