All Chapters of 結婚式で捨てられた後、私は彼の最大のライバルと結婚した: Chapter 21 - Chapter 30

57 Chapters

第二十一話 ドレス選び①

──修、私がシルバーを着るの好きなの。 その一言は、細い針のように、そっと綾の胸を刺した。 修は、彼女がシルバーを着るのが好き……? この人と修は、一体どういう関係なのだろう。 どうして彼女は、修の好きな色を知っているの? そして、どうして修は、そんなことを一度も自分に教えてくれなかったの? 幼なじみ。 家同士の付き合い。 子どもの頃から、ずっと一緒に育ってきた存在。 そんな言葉が、綾の頭の中でぐるぐると回る。 ひとつひとつが細い糸のように絡まり合って、ほどけないまま、胸の奥を締めつけてくる。 綾は、雪絵がドレスに添えた手を見つめ、それから、その美しいのにどこか敵意を帯びた顔へと視線を移した。 けれど、何を言えばいいのか分からず、ただ言葉を失ってしまう。 「あなた、平井家のご出身よね?」 「……はい」 「そんな平凡な家庭で育ったあなたが、修と釣り合うとでも?」と、いきなり罵倒し始めた。 その上、「いくら取り繕って着飾っても、所詮……」と、上から下まで見下ろされ、「ふふ」と笑われた。 雪絵さん──修さんと幼なじみと言うこの人は、本当に修さんと仲の良い幼なじみなのだろうか? もしそうなら、どうしてこんな言い方をするの? 明らかに罵倒している
last updateLast Updated : 2026-04-04
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第二十五話 修と綾の距離感

晩餐会は、無事に終わった。 修は──とにかく祖父に認めてもらって、誰にも異議を言わせないことが目的だったので、安堵している。 「お疲れ様」 「お疲れ様でした」 倉田が運転する車に乗って、自宅へと帰る。 ──── 着替えを終え、二階から降りて来た綾は、キッチンに向かいお茶を二人分淹れる。 そして、リビングのソファーに座っている修に、 「ドレスとか……色々ありがとう」と、お礼を言った。 「ん? ああ」 修は、突然お礼を言われて驚く。 「ちゃんと、お礼が言えてなかったから」 「そうか……」 ──やはり、綾は律儀だな、と修の口元が緩む。 修の分のお茶をテーブルに置く。 「ありがとう」 「いえ」 綾は── 「それと、母のネックレスも……取り返してくれて、ありがとう」 「ああ……無事に持ち主の元に戻って良かった」 綾──今日は、ヤケに話したがるなと思っている。 「それと……」 「フッ、何? とりあえず座れば?」と、お茶を持ったまま、突っ立っている綾をソファーへと促す。 いつも修は1人用の専用ソファーに座っている。 ようやく綾も隣りの長〜いソファーにちょこんと腰掛ける。 「それと……」 「うん」 綾は──本当は雪絵さんのことが、一番気になっている。 「雪絵さんと沢野さんのことも……」 「ああ……」 修は、その二人の名前が出たことで、また鋭い眼差しに変わった。
last updateLast Updated : 2026-04-08
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第二十六話 初めての夜①

修は、自分が綾に避けられているのかと、少し落ち込んでいる。 ──なぜだ…… その時、綾は──少しモジモジしながら、 「あの……修さん」 「ん?」 「ネックレス外していただけますか? 後ろの留め具……自分じゃ届かなくて」 綾はそっと体を横に向け、うなじを修へ向けた。 パーティーの間ずっと着けていたせいか、ネックレスの跡が襟元にうっすら残っている。 修は静かに立ち上がり、彼女の後ろへ回った。 ネックレスの留め具は小さくて繊細だった。 彼はわずかに身をかがめ、指先を綾のうなじへそっと触れさせる。 その瞬間── 綾の肩が、ぴくりと小さく震えた。 ──白くて綺麗な肌、 彼女の肌はひんやりとしていた。 それとも、自分の手が熱すぎるのか……。 指先に伝わる感触は、思わず息を呑むほどに滑らかで、壊れ物に触れるみたいに、修は無意識のうちに手つきを和らげていた。 そして綾は──息を止めていた。 修の指がうなじに留まる時間は、留め具を外すのに必要な時間より、ずっと長かった。 彼女には、それが分かった。 触れられた場所が、じわじわと熱を帯びていく。 心臓が、どんどん速くなる。 「……取れた」 頭上から降ってきた修の声は、いつもより少し低かった。 ネックレスが外される。 けれど綾は、その場から動けなかった。 振り向けない。 だって、今の自分がどんな顔をしているのか、きっと分かってしまう
last updateLast Updated : 2026-04-09
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第二十七話 初めての夜②

初めて踏み入れる修の部屋。 なのに、ゆっくり見る余裕などなく、ドキドキしたままの胸が騒がしい。 ベッドの上に座らされると、もう一度優しいキスをしたまま、洋服に手がかかり、器用に、あっという間に下着姿にされていた。 優しくそっと寝かされると、修は自らシャツを脱ぎ、露わになる鍛えられた胸筋に綾は釘付けになる。 ──こんなにも筋肉質だったなんて……知らなかった。 それに、もっとも目を奪われてしまったのは、低く履いた下着の上に見える腰骨──なんてセクシーなの! 指でなぞりたくなるようなセクシーなライン。 見つめ合う距離が近すぎて視線すらも解けてしまいそうになる。 ゆっくり優しく唇を重ねると……もう言葉は要らない。 綾は、そっと目を閉じる。 ベッドの柔らかな沈み込みに導かれるように、二人は自然と寄り添った。 柔らかな沈黙の中で、二人の距離はゆっくり解けて行った。 「ずっと、こうしたかった」 彼の言葉に驚きながらも嬉しくなる。 ──本当に? 怖くて聞き返せない……。 でも、ただそれだけで嬉しい。 ──「私も……」言えないまま。 指先が絡まり、カラダごと引き寄せられる。 どこに触れられても喜んでいる自分のカラダ。 完全に女の顔になっている。 触れられるたびに伝わる温もりが、心の奥まで満たされていく。 丁寧に扱われすべてを包み込むように、二人は互いを受け入れていった。 綾は夢中で修に抱きつく……まるで、離れないで! と言うように……。 修は、優しく気遣いながら、綾に合わせる。 ゆっくり心地よく……。 修は、綾の可愛い顔を見つめ、その声
last updateLast Updated : 2026-04-10
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