All Chapters of 結婚式で捨てられた後、私は彼の最大のライバルと結婚した: Chapter 51 - Chapter 60

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第五十二話 蘇る初恋の思い出

──綾が会社に出勤する。 「おはようございます」 「「「「「おはようございます」」」」」 「チーフ! 大変でしたね」 「ホント、誤解が解けて良かったですね」 「頑張って、どんどん新作を作って行きましょう! 私たちがサポートしますからね」 「ありがとうございます。皆さんには本当にご迷惑をおかけしました。改めて今後ともよろしくお願いします」 綾は、頭を下げた。 「こちらこそです!」 「疑ったりして、ごめんなさい」 「「「ごめんなさい」」」 「いえ……」 ようやく会社では、綾の信頼は戻り通常業務が出来るようになった。 その時──修が会社に来た。 「社長! おはようございます」 「「「おはようございます」」」」 「おはよう! この度は、皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ありません。これからは、綾には正式にチーフデザイナーとして頑張ってもらいます。どうぞよろしくお願いします」 「「「よろしくお願いします」」」 修は、優しい笑顔で頷くと、綾に、 「じゃあ、頼んだ」 「はい」 肩に軽く触れ、そのまま会議室へと向かった。 役員たちに報告するためだろう。 その背中を見送っていると…… 「素敵〜」 「え?」 「とっても仲の良いご夫婦ですよね」 「ホント美男美女で、憧れます〜」 綾は、微笑みながら照れている。 「イチャイチャしないのに、お互いを思い合ってる雰囲気が伝わってくるんですよね」
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第五十三話 すれ違う想いと真相

仕事を終え、帰宅した修。 「おかえりなさい」 「ただいま」 二人で色々なことに立ち向かい、乗り越えて来た仲……。 ごく自然に笑顔になる二人は、まるで本当の夫婦のようだ。 誰も"契約結婚”だなんて疑いはしないだろう。 一つ屋根の下に住み、一緒に食事をし、時にはお互いを求め合う男女の仲。 しかし── 【契約書 3.相手を好きになってはいけない】 そう決めて、契約書を取り交わしている。 だから、本心はお互いの胸の中にしまい込んでいる状態だ。 それでも、共通の話題が多く、仕事の話も社長である修に聞かれると、綾は報告する。 「でね、私が描いたデザインで、新作を申請しようってことになって」 「うん」 ──綾、楽しそうだな 修は、微笑みながら、綾をジッと見つめて見惚れている。 「修さん! 聞いてる?」 「ああ、聞いてるよ」 修は、綾の方に身体を向けて綾の長い髪を指でクルクルしている。 「嘘! 今ボーっとしてたでしょう」 「ハハ、あまりにもキミが楽しそうだなと思って見惚れてた」 「え?」 綾は、急に恥ずかしくなってしまう。 「ああ、辞める必要はないぞ、続けて」 「……フッ、そんなこと言われて、続けられないわよ」 「どうして?」 ──そういう所、ホント修さんって、鈍感なのよね。 「もういい……」 綾が横を向いて拗ねていると、 「何? 俺何か悪いこと言ったか?」 修はキョ
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第五十四話 大きな誤解

──翌日、土曜日 「おはようございます」 「おはよう」 「おはようございます」 修は、ニコニコしている。 綾は、少し複雑な顔をしているが、二人の距離の変化に、お手伝いさんは気付いている。 「では、私はこれで失礼します」 「ありがとう」 「ありがとうございました」 修は、綾のことをジッと見つめている。 「ん?」 「いや……」 そう言いながら、なぜか口元は緩みニコニコしている。 ──何? 何か良いことがあったのかしら? そう言えば…… 「昨夜、何か笑ってなかった?」 「ん?」 ──しまった! 笑っていたのを聞かれていたのか……なら、泣いていた声も聞こえていた? 「ああ、倉田がおかしなことを言うから」 ──倉田さんと話してたのか…… もしかして、また"初恋の女の子”の話? だから、朝からニコニコしてるんだ。 「そうなんだ」 ──笑い声しか聞こえなかったのか? 修は── 「あっ、今日知り合いが訪ねて来るから」 「そうなのね、分かった」 ──他人の前では、仲の良い夫婦を演じる。 それが言いたかったのかな? そして──── ピンポーン 来客が来られた。 ──え? 「修さん! お久しぶりです」 「ああ、お久しぶりですね」
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第五十五話 事実と自分の気持ち

「修さん?」 修は、綾を抱きしめたまま、 「大丈夫だからな」と言いながら、背中を撫でている。 修は、綾のことを大切に思っている。 しかし、嫌がられないように、慎重に心の距離を 縮めなくては……と思っている。 ──── ──昨夜、倉田からの電話…… 『坊ちゃん! あの時のお嬢様、亡くなってなんかいませんでした!』 「え? どういうことだ?」 『無事に退院されて、引っ越されていました』 「本当なのか?」 『はい、以前聞いた看護師は、とっくに辞めていたので、問い詰めたら、ある人物からお金を貰って嘘を吐いていたそうです。本当は生きています!』 ──あの子が生きてる! 修は、胸がいっぱいになった。 『しかし……今はそれだけです。お名前までは分かりませんでした。引き続き調査します』 修は、呆然としたまま電話を切った。 「ウウウッ……フッ、ハッハハハハ」 ──良かった、生きてる! 修は、余りにも驚き過ぎて、涙を流しながら笑ってしまっている。 ──生きてる……あの子が…… 生きてさえいれば、いつかは辿り着けるかもしれない。 しかし──修は、ふと思った。 以前なら倉田に「何が何でも探してくれ!」と頼んだに違いない。 でも今は、俺には"愛する人”がいる。 まだ、契約結婚だから、まず"本当の結婚”になるまで彼女の気持ちを全部、俺の方に向けなくてはならない! これが、俺にとってはとても大きな課題だ!
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第五十六話 調査開始と麗華の存在

修は、"初恋の女の子”が生きていると知り、自分も調査を始める。 新設現場の近くの為、もう一度、倉田と一緒に病院へ行く。 せめて、名前だけでも分からないかと聞くが、年月が経っている為、もう古いカルテのデータはないと言われた。 一番長く勤めているという看護師長に聞くと、担当だった元看護師がお金を貰って揉み消した話を元看護師が辞めた後に噂で知ったようで、"鈴木”という男性が訪ねて来ては、よくコソコソ話していたと聞いたようだ。 「鈴木」 ──誰だ? 偽名なのか? 看護師長は──当時違う科で働いていた為、その女の子の事は薄っすら覚えているが、名前までは分からないと言った。 「もう一度、その元看護師の所へ行こう!」 そう言って修は、倉田と共に元看護師の家へと向かう。 ──高級マンション 「なるほど、ココに住む為に金をもらって隠蔽したのか」 ──何の為に? しかし──インターホンを鳴らすが誰も出ない。 「おかしいですね、先日はすぐに出たのですが……」 倉田が管理会社に連絡を取り確認する。 すると…… 「え? そうですか、分かりました」 「どうした?」 元看護師は、突如マンションを売り払い行方をくらましたようだ。
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第五十七話 美奈のその後──彼女は終わらない

記者会見で大敗し、一晩で地獄へ堕ちた美奈。 しかし、彼女がこのまま静かに終わるとは思えない。 ──記者会見場 美奈が倒れた──その瞬間、辺りは騒然となった。 「救急車!」 スタッフが叫び駆け寄り声を掛けるが、美奈は気を失っているのか目を瞑ったまま何も答えない。 最後列で見ていた昌浩は、婚約者なのでこのまま美奈を放置することはできない。 駆け寄ると…… 「私は彼女の婚約者です。彼女は、妊娠中です。私が移動させます」 美奈を抱き上げた。 その時──昌浩は綾の方を見た。 綾は、修に寄り添われている。 昌浩は、二人に軽く一礼して会見場を後にした。 そして、美奈はスタッフが呼んでいた救急車で病院へと運ばれた。 実際、美奈は妊娠中なので、倒れたとなるとお腹の赤ちゃんが心配だ。 しかし…… 救急車に乗ると、美奈はパッと目を開けニッと笑っている。 昌浩の予想通り、美奈は倒れたフリをしていたのだ。 心配していた昌浩は、呆れた顔で、 「オイ!」と小声で言ったが…… 妊婦なのに会見場でバトルし、ゆっくりだが床に倒れたため、一応そのまま病院まで運ばれ、赤ちゃんの状態を確かめる必要がある。 エコーで確認され、赤ちゃんは無事であることが分かり、昌浩はホッとした。 しかし、美奈へ
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第五十八話 親友美樹との大切な時間

久しぶりに美樹が訪ねて来た。 「綾!」 美樹は、綾の顔を見るなりぎゅっと抱きしめた。 「大丈夫?」 「うん、大丈夫」 「良かった」 記者会見をテレビで観ていた美樹は、美奈に散々なことを言われている綾のことを心配していた。 「必ず修さんなら、やり返してくれると思ってたわ。スカッとした」と笑っている。 「うん」 綾も思わずニッコリする。 しかし、綾の手には包帯が巻かれていた。 「手どうしたの? あの時、美奈に何かされたの?」と心配する美樹に、 「ううん、これは……話すからとりあえず入って」 美樹を迎え入れ、お茶を用意する。 「修さんは?」 新しいプロジェクトで忙しいと言っていた修は、土曜日だと言うのに朝から仕事に出かけている。 だから、綾は久しぶりに美樹と話したかったので、自宅に招いたのだ。 「お手伝いさんがね、美味しそうなカヌレを買って来てくださったの」 「わあ〜嬉しい、ありがとう」 「たくさんあるから、余ったら持って帰って」 美樹は、甘党なのでとても喜んでいる。 「コーヒーにする? それとも紅茶?」 「お紅茶をいただこうかしら」と丁寧に言いながら笑っている。 「ふふ、お姑さんの大好物のお紅茶があるの」 と綾も笑いなが
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第五十九話 綾の気付き

美奈は、結局父に頼んで綾と修、そして修の会社への損害賠償金を支払ってもらったようだ。 修から──「今日、美奈から入金があったが……どうみても彼女が簡単に払える額じゃないよな」と言った。 綾には、すぐに分かった。 「ええ、きっとまた父に甘えたんじゃない? 美奈はずっと甘やかされて育って来たから……」 「だからって、お父さんも甘やかし過ぎだよな。これじゃあ罪を償ったことにはならないよ」 綾もその通りだと思っている。 ──だから美奈は、何も変わらないんだ。 綾は、部屋で一人になると、確認の為に父に電話をかけてみた。 ──出るかなあ? 『はい、綾か?』 すぐに出た。 「ええ、お金……もしかしてお父さんが?」 『ああ、美奈が……申し訳なかった』 ──父は、美奈のことを謝った……。 でも、私や母への仕打ちには、謝らないんだ。 「お父さん! いい加減、美奈を甘やかすのは辞めたら?」 綾は腹が立ち、初めて父に強い口調で言った。 ずっと信じ続けていた、たった一人の父親なのに、裏切られたこと──それは綾にとって一生消えない心の傷となっている。 『今回ばかりは、辞めようと思っていたんだ。でも……』 父は、この先を言うことは出来ない。 綾は──又言い訳して、結局甘やかしてるじゃない! と思わざるを得ない。 「もうい
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第六十話 昌浩の思い

一方、昌浩は──あまりにも綾に酷い仕打ちをした美奈を避けている。 ──結局、あんなに酷い事をして、バレたら倒れたフリをして逃げたくせに…… お腹の子は無事だった。 しかし昌浩は、ふと思った。 ──美奈が海外に行き俺と最後に会ったのは……あれ? 何だかタイムラインがおかしくないか? 妊娠していると言われ、何の疑いもしなかったが……。 避けられていることに気づいた美奈。 「ねえ、あなた何だか私のことを避けてない?」 「……」 昌浩は、不機嫌な顔をし、何も答えない。 すると美奈は── 「何? 無視? いったい何様なの?」 我儘な美奈に振り回され、ずっと我慢してきた昌浩は、ついに──「何だ! その言い草は!」 と怒鳴る。 しかし、美奈は引くどころか更に── 「フッ、どうせ家族の力が無ければ何も出来ないクズ。あなたの家の財産がなかったら、絶対にあなたなんか選ばなかったわ!」と言い放ったため、二人は激しい衝突を起こしてしまう。 「そうか! ならもうお前とは終わりだ! 今すぐ中絶しろ」 昌浩は、美奈の暴走にウンザリしていた。 ──美奈とは、もう無理だ! だから、綾に復縁を迫った。昌浩は、自分がした事の重大さにようやく気づいたからだ。 ──綾とヨリを戻したい。 その為には、美奈には子どもを諦めてもらおう。 昌浩は、自分勝手なことを言い出した。 「最低! お腹の子がどうなってもいいの?」 「仕方ないだろう、もうお前との生活なんて考えられない。生まれて来た方が不幸だろう」
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