All Chapters of 結婚式で捨てられた後、私は彼の最大のライバルと結婚した: Chapter 31 - Chapter 40

57 Chapters

第三十一話 修の言い訳

──母に詰め寄られる修 「結婚した理由?」 「そうよ! 彼女、徳野家から婚約破棄されて追い出されたんでしょ?」 修は、母親を真っ直ぐに見つめ── 「母さん、何を誤解してるのか知らないけど、婚約破棄したのは綾の方だよ!」 「え? でも……SNSに出てたわよ」 「ああ、そんなのに踊られてるのか……ハハッ。 婚約破棄したのは、こちら側だよ! あの男、ずっと綾の妹と男女の関係にあったんだ! そんな男と結婚なんて出来るか? 汚らわしい!」 「え……」 義母は、綾の方を向いて、それが事実なのかと確認するような目で見ている。 綾は、思い出したくもない──紛れもない事実なので、視線を落とし悲しそうな顔をしている。 それを見た義母は、尖った鋭い眼差しを隠し、まるで可哀想な者に同情する憐れみの眼差しに替え、それを向けている。 そして…… 「そうだったのね、分かったわ。辛い事を思い出させて、ごめんなさい。でも……それじゃあ、貴方とは? 修とはいつ出会ったの? どうして、私たちに何の紹介もなくこんなに急に結婚することになったの?」 義母は、綾が徳野家との破談の理由については、理解出来たが、まだ修と突然結婚することになった理由には納得出来ていない。 「母さんには、言ってなかったけど……俺、ずっと綾のことが好きだったんだよ」 「え?……」 ──!! 義母も驚いているが、綾も目を見開き驚いている。 「倉田には、ずっと話して
last updateLast Updated : 2026-04-14
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第三十二話 義母の観察眼

修は、綾の手料理に感動している。 冷蔵庫にあった残り野菜とベーコンで作ったミネストローネ、チキンのバジルソース漬けをソテーしパスタを添え、更にフランスパンをカリッと焼いて出した。 「おお、美味そうだな」 「お手伝いさんが準備してくださっていたので、私は手を加えただけ」 早速、ミネストローネを口にする修は、 「うん、美味い!」 「お口に合って良かった」 綾は、ホッとする。 「本当に美味いよ」 ──綾は、嬉しかった。 母が亡くなってから、平井家では、綾が作るのが当たり前で、『美味い』『ありがとう』など褒められたり、感謝されたりしたことなどなかった。 昌浩もそう!──それが当たり前だった。 綾は、泣きそうになっていた。 「ん? どうした?」 「『美味しい』なんて言ってもらったことがなくて」 ただ、そう言うのが精一杯だった。 修は察したのか、そっと手を伸ばし綾の手を握った。 「ありがとう」 綾は、耐えきれずに、やっぱり涙を流してしまった。 ──優しくしないで…… 私が『初恋の人』に似てるから優しくしてくれるの? 修は綾の元まで行き綾の涙を指で拭い、ぎゅっと抱きしめた。 「俺の前では、我慢するな」 止めどなく涙は流れた。 抱き
last updateLast Updated : 2026-04-15
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第三十三話 義母の策略

── 『一つだけ約束して……』 義母は── 「修を裏切らないで」 そう言った。 ──裏切る……? 私が修さんを裏切る…… それは、私が他に好きな男でも作るということ? そんなこと、あり得ない……! 私は、修さんと結婚して幸せで、契約結婚なのに、既に修さんのことを…… 修さんのことを? でも……修さんには、好きな人が居る──初恋の人。 なのに、私はやっぱり──好きなの? 修さんのこと……。 「分かりました」 それからと言うもの、 ──お義母様に言われたことが気になって仕方がない。 義母は、更に私たちの事を監視しているようだ。 綾は、顔を引き攣らせながら、お茶を出す時も、 「修さん、どうぞ」 「ありがとう、綾」 ぎこちなく、それでも夫婦らしく……わざと目を合わせる。 義母は、それを見ながら微笑んでいる。 嘘でも、目を合わせることで少なくとも二人の距離は近づいているのだもの。 「修さん、洗濯物、部屋に置いておきますね」 「ありがとう」 綾は、修の部屋に入る。 シックな家具たちに囲まれた部屋には、余計な物は何一つなくて、スッキリ片付けられている。 この前入った時は、ゆっくり見る余裕などなかった。 私たちは、夫婦であっても別室の生活。 契約結婚なのだから……。 すると…… 「綾さん!」 「はい!」 義母の声がして驚く。二階まで上がって来ていた。 「あなた今日からこの部屋で休みなさいね」 「え?」 「だって新婚夫婦でしょう? 別々の部屋はおかしいわよ」 すると、 「母さん!」 「修! そうでしょう?」 「そうだけど、眠る時は別々でも構わないんだよ。ほら、綾は俺が寝返りを打つと目が覚めちゃうから、ゆっくり休めないよ。可哀想でしょう?」 「そうなの?」 そして修は無理矢理、義母を部屋から連れ出した。 「はあ〜」 綾は、いつまでこんな生活が続くのだろうと思っている。 キッチンで洗い物をしていると、修はさりげなく綾の元へ近づき、 「手伝おうか?」と声を掛ける。 「ううん……大丈夫。もう終わるから」 一生懸命笑顔を作る。 しかし、その笑顔は、かなり引き攣っている。 義母の視線を感じると、修は
last updateLast Updated : 2026-04-16
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第三十四話 仕事に打ち込む

──翌朝、月曜日 綾は──昨夜の修の電話は、何も聞かなかったことにしよう! ──今日から出勤! 仕事に打ち込もう! 綾は、眠れなかったこともあり、いつもより早く起きた。 すると…… 「おはよう」と起きて来た修。 「おはようございま〜す」 「おはようございます」 お手伝いさんも来られている。 「早起きだな」 「はい、あまり眠れなかったので」 「いよいよ今日から仕事だもんな」 決して、昨夜──貴方の電話を聞いてしまって眠れなくなったとは言えない……。 修は、今日も口元が緩んでいる。 ──あの後、好きな人と話せたのかしら? 綾は、少し複雑な気持ちになる……。 でも、私たちは契約結婚。 そもそも、好きになってはいけない! だから、彼が何処で何をしていようと綾には関係ない。 いつものように、ダイニングで向かい合い、二人で一緒に朝食を摂る。 そして、修から──綾は今日から修とは別に、運転手付きの車で送迎してもらうよう言われた。 「……分かりました」 ──今日からは、別々なんだ。 修は、本当は、一緒に行きたいと思っているが仕事の都合もあるので仕方がない。 「大丈夫か?」 「はい、ありがとう
last updateLast Updated : 2026-04-17
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第三十五話 修の初恋の人

「ただいま戻りました」 「お帰りなさいませ」と、お手伝いさんが迎えてくれた。 修は、ソファーに座り、何もなかったかのように、「お帰り」と言った。 「ただいま。遅くなってごめんなさい」 「いや、構わない」 お手伝いさんは、 「では、私はこれで……」 「ありがとうございました」 「ありがとう」 手を洗いダイニングへ戻ると、用意された夕食を見る。今日は、和食のようだ。 「お腹ぺこぺこ、お待たせしました」と言うと、 「うん、じゃあ、いただこうか」 「はい」 「「いただきます」」 先に食べてくれてても良かったのに、修さんは待っていてくれた──優しい。 そして…… 「どうだった?」 すぐに仕事の事を聞いてくれる。 綾は、夢中でコンペに出すデザインを考えていたら、遅くなってしまったことを話した。 修は、楽しそうに話す綾を見て、目を細めながら聞いている。 そして──綾は気づいた! そう言えば……修は一切仕事を家庭に持ち込まない。 この前、初めて綾から教えて欲しいと頼んだので教えてくれたが、修が自ら仕事の話をすることなどない。 ──そういうものなのだろうか? いや、昌浩はいつも誰かの文句を言っていた。 それに、デート中でも
last updateLast Updated : 2026-04-18
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第三十六話 社内コンペ

綾は、修への想いを断ち切るように、仕事に打ち込んだ。 「綾さん、素晴らしいわ! 凄く良い!」 「ありがとうございます」 西山チーフは、綾が描くデザインが斬新で万人に受けそうだと褒めてくれる。 「これなら新人賞どころかコンペの優秀賞も狙えるんじゃない?」とまで言う。 綾は、心から嬉しいと思っている。 母がずっとやって来たデザインの仕事。 交通事故により命を落とし、志半ばで奪い取られてしまった。 しかも、平井家の母の財産まで入婿の父や美奈に奪い取られたことが許せない。 綾は、母の財産を取り返す為、まずはその一歩として仕事を頑張ろうと思っている。 ────数日後 広いホールのようなイベントルームで、社内コンペが行われた。 社長である修も当然出席。 審査はそれぞれ、一人二点まで選んで投票。 毎日毎日、綾もデザインに没頭し、数点完成させることが出来た。 その中から"ドレス部門”と"普段着部門”のニ点を出品することに。 一人一人順番にプレゼンする。公平になるようその順番も抽選で決める。 まずは、一番の西山チーフから…… 一点目は、ドレス──キラキラした生地で真っ黒なイブニングドレスを着たモデルさんが入って来た。 「うわ〜素敵」「セクシーね」 褒め言葉が飛び交う。 しかし──綾は……「えっ!」 一言だけ発して息を飲んだ。 西山チーフが出品したのは、紛れもなく綾がデザインしたドレスと瓜二つだったからだ……。 ── 右肩は露出しノースリーブになっていて、胸元はレースで透け感を出している。もう片方の
last updateLast Updated : 2026-04-19
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第三十七話 コンペ結果

綾のドレスは、ステージ上に並んでいるどのドレスとも違うデザイン。 「凄いわ、あの背中オシャレ〜」 「綺麗〜私、着てみたいかも〜」 「肩や背中を出してるのに、いやらしくなくて素敵ね」 そんな声が聞こえてきて綾は喜ぶ。 それに綾は、思わず修の視線を確認していた。 最初は、難しい顔をしながら真剣に審査していたようが、肩から背中を見て、修は口元に手をやったのを綾は見逃さなかった。 ──きっとセクシーさを感じたはず ──!! その時、修と目が合った…… 思わず微笑んでしまった。 修の口元も一瞬緩んだ。 そして……二点目、 綾がデザインしたのは、とてもシンプルな無地のデザインカットソー。 「え?」 「シンプル〜」 余りにもシンプル過ぎて、皆んなが驚いている。 白ベースのTシャツで、ベージュのラインが、襟ぐり、袖ぐり、裾にも入っている。 袖はラグラン袖の七分袖で、少し可愛らしさを出し、ハイロー丈で前は短く後ろは、お尻が隠せる長さ。 女性は、下着が透けてしまうのを気にする方も多いので透けない生地。だが袖の一部分には透けるシアー生地を使用。 何よりシワになりにくい生地が特徴。 サラッと一枚で着られて、パンツスタイルにもスカートスタイルにも合わせ易い。なので、今回は爽やかなデニムに合わせた。 そして……どうしても家族で着て欲しくて、半袖のメンズ、子ども用のTシャツも用意
last updateLast Updated : 2026-04-20
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第三十八話 真相究明

綾は、コンペが終わり帰路に着く。 帰宅すると、ダイニングテーブルの上には、豪華な食事が並んでいた。 家政婦さんから、 「お帰りなさいませ。おめでとうございます」とお祝いの言葉をもらう。 「ありがとうございます」 そして、帰られた。 修が──「今日は、お祝いだな」と言ってくれていたからだろう。 修は、まだ帰って来ていないようだ。 綾は、自分のドレスのデザインが西山チーフに盗まれたことがショックで、まだ落ち込んでいた。 しばらくすると、 「ただいま〜」と修が帰って来た。 綾は、思わず玄関に駆けて行った。 ──抱きしめて欲しい! しかし、一歩手前で立ち止まり、その思いを封じ込めた。 「お帰りなさい……」 「ただいま」 修は、ニコニコしている。 その瞬間、綾は驚いた表情をした。 なぜなら修の後ろ手には、余りにも大きくて、隠し切れていない大きな花束が見えたからだ。 「おめでとう」 修は、その大きな花束を綾に差し出した。 「ありがとう……凄い! こんなに大きな花束、生まれて初めて」 修は、満足げに微笑んでいる。 「嬉しい……」 でも、綾のその声は──妙に元気がないことに修は気づいた。 「ん? どうした? トリプル受賞なのに」 と、修は綾の顔を覗き込む。 ──会社でも気になったが、やはり元気がない。 その時── ピンポーンとインターホンが鳴り、修がドアを開けると……
last updateLast Updated : 2026-04-21
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第三十九話 西山チーフ

修が──「真相を究明する!」 そう言って、動いている。 修は…… ──あの手口、手慣れていて今回だけではないかもしれない! 今まで、他にもやっていたんじゃないか? もしそうなら──絶対に許さない! 翌日、綾が会社に出勤すると…… 既に西山は、上層部から呼び出されていたようだ。 修も会社に来た。 そして…… 「しばらくの間、西山チーフに代わり、天埜綾にチーフ代理を務めていただきますので、皆さんよろしくお願いします」 一瞬ザワザワしたが、修が── 「綾の作品は、既にネット投票でも人気を集めています。ですので、ぜひ皆さんの手で、このデザインを商品化してください! 頼みましたよ」 そう言うと、スタッフも皆さんやる気を出し、 「はい」 「頑張りましょう!」 そう言って綾を助けようと団結している。 恐らく、みんなの中では、西山が席に居ないのは、ようやく何かがバレたのだろう──そう思っている者が多く、騒ぎ立てる者は居ない。 綾だけは、不思議に思っていた。 ──どうして誰も聞かないの? ──そんなにも、被害者が多いの? ──だから、分かってたの? 「綾さん、早速始めましょう!」 「あ、はい、皆さんよろしくお願いします」 修は──
last updateLast Updated : 2026-04-22
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第四十話 昌浩の家族と会社問題

──数ヶ月後 綾は──チームデザイナーとしての仕事は順調に進み、綾がデザインする洋服は、ドレスも普段着も爆発的に人気が出て、最高の売り上げを記録していた。 連日、会社にも家にも多くのマスコミが押し寄せていた。 すると…… 修と綾が結婚後、息をひそめていた昌浩が動き出した。 当然、修は同じ業界でのことは、毎日チェックしているので、昌浩の会社の業績が悪化していることは分かっていた。 散々、綾にして来た仕打ちが報いとなっているようで、昌浩の私生活の問題が原因で家族や会社に影響が出たようだ。 綾の仕事が好調なのをニュースで見て、ついに堪らなくなった昌浩は、綾に謝罪をする名目で家を訪れた。 門の前で、警備員に止められている昌浩。 家の外が騒がしい。 ちょうど、綾にインタビューを受けるよう依頼されていたのだ。 修が玄関ドアを開け、綾をエスコートしながら門まで近づいた。 せっかく気持ち良くインタビューを受けようとしていたのに、嫌でも昌浩が目に入る。 「お前、今更……一体何をしに来た?」 修が警備員に手を離すよう指示すると、 昌浩は、突然土下座をした。 「綾、本当に申し訳ない! このままだと会社は倒産してしまう。和解したと発表してくれないか? 頼む、俺を助けてくれ!」 綾は、冷静に無視する。 ──何が和解よ! 今まで私が受けた仕打ち、簡単に許せるはずがないじゃない! 倒産? そん
last updateLast Updated : 2026-04-23
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