All Chapters of 溺愛結婚〜懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されて困っています〜: Chapter 41 - Chapter 50

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40話

それから数日が経った日のことだった。元カノがまだ藍の元へと来ていると藍から聞いたわたしは、元カノが藍に寄り付かないように、わたしも一緒に駅まで送ることにした。 悪い虫が寄り付かないようにするには、わたしが追い払うしかないと思ったからだ。「藍、あの子……だよね?」「ああ」藍の隣を並びながら歩くのは、なんか不思議な気分になる。「あの子、毎日いるの……?」「ああ。二度と来るなって念を押したけど、言うことを聞いてくれない」そうなんだ……。てかあの子、結構若そうじゃない?「藍、正直に答えて。 あの子、何番目の元カノ……?」と聞くと、藍は「やめろ。何番目とか言わないでくれ」と言葉を返してきた。「あの子、なんでそこまで藍のことを……?」「俺にも分からない」「分からないって……。なんかないの?心当たり」そう問いかけるけど、藍は「心当たりか……。ないな」と答えた。「心当たりないなら、何で付きまわれてるのよ。心当たり、本当にないの?」「そんなこと言われてもな……。そんなの、俺が聞きたいくらいだ」藍は後ろからわたしたちを見つめる元カノを見て、そう答えた。「藍、あの子になんかしたの?」 「……分からないな」「分からないって……」藍がそんなんだと、わたしも分からないって……。「透子、アイツに何かされないように、注意しろよ」「え? 注意するのは、藍の方でしょ」なんでわたしが注意するのよ。「俺はどうなってもいい。……けど透子になにかされたら、俺はきっと黙ってない」「なにそれ……。わたしだって、自分の身くらい自分で守れるわよ」 そう言い返すけど、藍は「アイツはお前に何をするか分からない。透子のお腹には子供もいるんだぞ。……とにかく、気を付けろ」と言ってきた。  「……それは、分かったけど」「もし何か変なことがあったら、すぐに俺に言えよ? お前の身体は、お前一人のものじゃないんだから」「分かってるよ、そんなこと」藍は本当に心配性なんだから……。「とにかく、無理をしないこと。後、アイツに話しかけられても無視していいからな」「無視してって言われてもね……」そんなこと出来るかな。「いいから、言うこと聞いておけ」そう言われたわたしは「……分かったわよ」と返事をした。「透子、俺は心配なんだよ、お前のことが。 本当に大事だから」藍に
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41話

「なんとかするって……。どうするの?」「もう一度話すしか、ないと思う」と藍は言うけれど……。そんな簡単にうまく行くとは、思えない。「そんなんで、うまく行くの……?」そう問いかけるけど、藍は「分からない。でもやってみるしかないだろ?」と答えた。要は、ダメ元ってことか……。今のところは、それしかないか。「……無理、しないでよ」と伝えた途端に、駅に着いてしまったようだった。「着いたな」「そうだね」「じゃあ……寂しいけど行ってくるな」駅の改札に向かう藍に、わたしは「行ってらっしゃい」と伝えた。「帰る時、連絡するから」「分かった。気をつけてね」「ああ。透子もな」「うん」わたしは藍の背中が見えなくなるまで見送ると、そのまま家に帰るためまた元の道を歩き出した。「なんとかするって言ってたけど、本当に大丈夫なのかな……」 藍のことだし、大丈夫だと思うけど……。「……さすがにもう、いないか」マンションの前で待っていたと思われる元カノは、すでにいなくなっていた。藍がわたしと結婚していること、そして子供が出来たことを、元カノは知ってて近寄っているのだろうか……。諦めてくれると、いいんだけど。藍に元カノがいること自体は、元々予想が付くし、藍がどんな女と付き合ってたとしても、それはそれで構わない。けど、中途半端なことだけはしないでほしい。わたしは藍を信じる。 ううん、信じないといけない……。藍はわたしの夫なのだから。「元カノ……か」藍に元カノがいても当然だし、何も不思議ではない。だけど藍がどんな恋愛をしてきたのかなんて知らないし、知りたいとも思わない。だけどわたしが、藍の妻だってことに変わりはない。 元カノのことなんて、今のわたしにはもう関係ないから。「……あなたのパパは、本当に大切にしてくれるよ。わたしたちのこと」この子を幸せにすることだけが、わたしたちの指名だ。 この子の成長を二人で見守ることが、わたしたち夫婦の役目だから。藍の元カノのことなんて興味ないし、わたしはわたし。 元カノより、わたしの方が大切にしてもらってることに変わりはない。「赤ちゃん……産むんだもんね」強くならなくちゃ。元カノになんて、負けたらダメだ。そもそも、元カノになんて負ける訳はないけど。「藍……好きだよ。大好き、だからね」 藍がわたしを愛
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42話

でもそれから、数日経った時のことだった。その不安が的中することになるなんて、わたしは思わなかったーーー。「藍、買い物行ってくるね」「なら俺も一緒に行くよ」「大丈夫だよ。一人で行けるから」藍はそう言ってくれるけど、わたしは断った。「ダメだ。透子は妊娠中なんだから、なにかあったらどうするんだ」「藍は心配しすぎなのよ。たまには歩かせてよ」そう言うけど、本当は心配してもらえると嬉しい。「透子、俺はお前のことが心配なんだよ」「そんなに心配しなくても、無理はしないから大丈夫だよ」わたしはそう言いながら、エコバッグとお財布を用意した。「透子はいつもそう言うけどさ、そういう時が一番心配なんだよな」「大丈夫だって。 じゃあ行ってくるね」「……分かった。気を付けてな」「うん」わたしは家を出ると、エレベーターに乗り一階まで降りて、カードキーをかざしてマンションを出た。そしていつものように、買い物に出かけたその時だったーーー。「ちょっとそのこのアンタ! 待ちなさいよ!」そう誰かに声をかけられた。「はい……?」え、ウソでしょ……。なんでまだいるの?振り返るとそこにいたのは、藍の元カノであろう女性だった。「あなたっ……」なんで? 簡単にはここには近付けないはず、なのに……。「どうして、あなたがここにいるんですか?」そう声を発すると、元カノは「返してよ……。藍のこと、返してよ……!」とわたしに突っかかってきた。「はあ? 返してって……」 この子、なに言ってるの……?「藍はわたしのなのに! なんでアンタみたい女が、藍の隣にいるのよ……!」そう言ってわたしの腕を掴んでくる元カノの腕を、わたしは「ちょっと、離して……!」と振り払った。そのせいで荷物がバラけて落ちていく。「アンタのせいよ……。アンタのせいだから!」「ちょっと、やめて……!」 なんなのよ、もう! なにがあったって言うのよ……!「アンタのせいで、わたしは藍と結婚出来なかったじゃない……!!」「え、結婚……?」なに?どういうこと……?「アンタさえ……。アンタさえいなければ、わたしは今頃藍と……!」そう言われて後ずさりすると、元カノはわたしに近付いてきて、そして……。「……っ!?」「アンタのこと、絶対に許さない……!! アンタを殺してやる……!!」上着のポ
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43話

「お願いだから、そんなことはしないで」「もちろん藍と別れてくれるなら、何もしないわ」「そんな……」ダメだ。わたし、もうどうしたらいいのか分からない……。どうしたらいいの……?「藍と別れて。藍はわたしのものよ!」「……イヤだって、言ったら?」「その時は、あなたを殺すわ!」どうする、わたし?この子は今、興奮状態にある。下手なことをすると、わたしは殺されてしまうかもしれない。どうやって自分の身を守る……? わたしのお腹の中には、藍との赤ちゃんがいるの。どうにかして、守らなくちゃ……。そう。この子は、わたしがなんとしても守ってみせる。「お願い。藍と別れて」「……お断りします」わたしは力強く、そう答えた。「なんですって……?」「お断りします、と言ったんです。 わたしは藍の妻だから」わたしがそう言うと、彼女は「そう……。分かったわ。 なら、あなたを殺すわ!」と言って、わたしに近付いてきた。「……やれるもんなら、やってみなさいよ」「本当にやるわよ! いいの!?」「いいわよ。やれるものなら、やってみなさいよ」 こうなったら、覚悟を決めるしかない……。わたしはなにがあっても、この子を守るしかない。「アンタなんて……。アンタなんて、死ねばいいのよ!!」「……っ!? きゃああああ……!!」わたしは思わず、その場でしゃがみこんだまま目を閉じた。やられる……! 本当にそう思った、その時だったーーー。「透子……!!」わたしをギュッと抱きしめて助けてくれたのは、藍だった。「大丈夫か、透子? 怪我はないか?」「藍!? なんでっ……?」まさか藍が来てくれるなんて、思わなかった。 だけどホッとして、嬉しくて……急に涙が止まらなくなった。「藍……。なんでその女のこと、かばうの!?」「決まってるだろ?透子が俺の妻だからだ」藍は力強く、そう言ってくれた。「藍、血が出てる……」「ん?」わたしを庇ってくれたことで、藍は腕を切られてしまったようで、血が流れていた。「ああ、こんなの掠り傷だ。大したことない」「でも……」「大丈夫だよ、大したことないって」藍はそう言ったけど、わたしを庇ったせいでケガをしたことに間違いはない。「藍、なんでよ……。わたしと結婚してくれるんじゃなかったの?」「誰もそんなこと言ってないだろ? お前が勝手に勘
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44話

藍はわたしを優しく抱きしめてくれた。そして頭を撫でながら、「大丈夫だ」と何回も言ってくれた。「藍、ありがとう……。助けてくれて、ありがとう」藍には感謝しかない……。「気にするな。言っただろ?お前のことは、俺が守ってやるって」「うん……」藍と結婚したことは、間違いではなかった。 今ならやっぱり、そう思える。「透子、お前だって……ケガしてるじゃないか」藍は言われて気付いた。どうやらわたしも、ケガをしてしまっていたみたいだ。「すぐに手当しないと」「大丈夫だよ、こんなの。かすり傷だし……。それより藍の方がケガしたんだから、手当しないとだよ」そう言ったけど、藍は「ダメだ。俺は大丈夫だけど、透子は家に入って消毒しないと」と言ってわたしをおんぶしようと、わたしの前にしゃがんだ。「へ?あ、藍……?」なんなの?この状況は……?「乗れよ。おんぶしてやる」「い、いいから!そんな……! ひ、一人で歩けるし……!」 おんぶなんて、恥ずかしすぎる……!「ダメだ。妊婦なんだから、透子は」「で、でも……」「でもじゃない。大人しく旦那の言うこと、聞いておけ」そう言われたわたしは、仕方なく「はい……」と返事をした。「大丈夫か?痛くないか?」部屋の中に入ると、藍は消毒しながらそう聞いていた。 「うん、大丈夫。……それより藍は、ケガ大丈夫?藍もケガしてるんだし、手当しないと」「俺なら大丈夫だって。 それより透子、お腹痛いとかないか?」 藍はお腹に手を当てて、心配そうにそう聞いてきた。「それは大丈夫だと、思うけど……」そう答えると「心配だ。念の為、病院に行こう」と藍は言い出した。「え!? そ、そんな……。大丈夫だって」とは言ってみたものの、藍は聞き入れてはくれず……。「ダメだ。子供に何かあったら大変だ。すぐに病院に行こう」と言い出してしまった。「藍、そんな……大丈夫だってば」「ダメだ。すぐ支度してくるから、ちょっと待ってろよ? 車出してやるから」「え?ちょっと、藍……!?」藍はそう言い残し、部屋の方へと行ってしまった。「もう、藍ったら……」心配し過ぎだって、言ったのに……。藍は本当に過保護がますます増えてきた気がする。妊娠してからというもの、藍の過保護は増していくばかりだ。 こうやって何かがあるとすぐに心配して、なんでもやってくれよ
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45話

確かに、あの時……。死ぬかと思った。藍に助けてほしいって、本当にそう思ってた……。「……あの子、言ってたよ」「え? 言ってたって、なにをだ?」藍は信号待ちしている状態で、ハンドルを握りながら、わたしに視線を向けていた。「……わたしが、藍と結婚出来ると思ってたのに、って」なぜそんなことを言っていたのか、分からなかったけど……。確かにそう言っていた。「違うんだ、透子。それは……」と藍が話しだした瞬間に、信号が赤から青へと変わりだす。「……藍?信号、青になったよ」「あ、ああ……」戸惑っているような表情をする藍は、再びハンドルを握りだし車を走らせる。「藍。違うんだって、どういう意味……?」わたしは藍にそう問いかけた。「結婚のことだろ? あれは、アイツの勘違いだ。俺は結婚したいとも、するともアイツには一言も言ってない」「じゃあなんで……彼女は藍のこと返してなんて、言うの?」それが分からない。 彼女が藍のことをまだ好きなのは、見て取れる。  けど、なんでわざわざそんなことをする必要があるの?一体なにが目的だって言うのよ……。藍のことをわたしに奪われてわたしを恨みたい気持ちもわかるけど、あれはいくらなんでもやりすぎよ……。「……俺にも分からない」分からないって……。じゃあなんでわたしがこんな目に遭わないとならない訳?「藍、あの子とちゃんと別れたの?」「ちゃんと別れた。それは間違いない。もう別れてほしいって言ったら、彼女だって分かったって、納得してくれたし」納得したのに、今更こうなるの……? 訳が分からない……。「彼女と別れたのはいつ?」「透子と結婚する前だから、一年くらい前だ」一年くらい前……? 割と最近じゃん……。でも一年も経っていれば、普通に考えたら未練なんて残らないよね……? いや、そんなこともないか。未練を残す人は、残すもんね……。そういう人だって、いるか。「その後、付き合った人はいるの?」「いない。 まあ結婚したい人なら、目の前にいたけどな?」「……え?」まさか彼女と別れたのも、わたしを自分のものにするため……?「アイツと付き合ったって言っても、本当に二ヶ月くらいだったんだよ。結婚なんてまるで、考えてなかったし。……結婚したい人がいると伝えてはいたけど、彼女ではなかったからな」え? その彼女と付き合
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46話

「高城透子さーん。診察室へどうぞ〜」「はい」名前を呼ばれたわたしは、藍と一緒に診察室へと入った。「高城さん、今日はどうされました?」「あの……」話し始めようとした時、藍が横から「実はちょっと、妻が俺の不注意で転んでしまって……。心配なので、赤ちゃんが大丈夫かどうか診ていただきたくて」と伝えた。「あら、そうだったの……。分かったわ。じゃあ大丈夫かどうか、診てみましょうか」藍がそう伝えると、先生はそう言ってくれた。「はい。よろしくお願いします」「じゃあ準備しちゃうわね。ちょっと待っててね」「はい」先生が一旦席を離れると、藍はわたしの手を握ってくれた。そして「大丈夫だよ、きっと」と優しく言ってくれた。「……そうだね」何事もないことが、一番だもんね。 自分たちが安心するためにも、ちゃんと診てもらうのが一番だ。「お待たせ。じゃあ始めましょうか」その数分後、先生が器具を持って診察室へ現れた。「はい」「旦那さんも、赤ちゃんこれから見れるからね」「はい。分かりました」先生はゆっくりと診察を始める。「高城さん、エコーするからね」「はい」「ちょっと冷たくなりますよ」お腹にジェルを塗り、エコーをしていく先生。「先生、どうですか?」そう聞くと、先生は「そうねぇ……。うん、なんともなさそうね。むしろ元気な子ね」と答えた。「本当ですか?良かった……」「ほら、見てみて?元気に動いてるわよ」エコーを見ながら赤ちゃんの様子を確認すると、ちゃんと動いているのが分かって、ちょっとだけ安心した。その時思ったのが、これが親心というものなのかと感じたことだった。「すごい……。これがわたしたちの、赤ちゃん……?」前よりもちゃんと分かる。 ここに赤ちゃんがいることを……。「そうよ。赤ちゃんの顔も、前よりもハッキリとしてきたわね」「確かに……。赤ちゃんの顔が前よりもよく分かるようになってきた気がする……」こうして見ると、不思議だな……。ちゃんと赤ちゃんがいるんだなって、思える。少しずつ大きくなったそのお腹を見て薄々感じてはいたけど、こんなにも可愛いと思えるなんて……。「これが、俺たちの……赤ちゃん?」「そうですよ。 見てください、とても元気に動いてますよ」藍は初めてこんなに近くでお腹の子を見たのもあって、不思議そうに見つめている。 で
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47話

「透子、待たせたな」「ううん。 手当て、終わったんだね」「ああ、もう大丈夫だ。バッチリだ」藍の隣に座ると藍は「赤ちゃん、元気に動いてたな」と親心を見せていた。「うん、もう七ヶ月だってね。早いよね」「でも……本当に何事もなくて良かったな」「うん。……良かった」藍はよほど心配していたのか、ホッとした様子で微笑んでいた。「ありがとう、藍」「え?」「藍が心配してくれて、わたしはすごく嬉しかったよ」わたしがそう言うと、藍は「そうか。嬉しかったのか」と嬉しそうに笑っていた。「……ちょっと、何ニヤニヤしてるのよ。気持ち悪いんだけど」 と言いつつも、そんな嬉しそうに笑う藍を見てちょっとだけわたしも嬉しかった。「だって透子が俺に嬉しかったとか、言ってくれるんだぞ?そんなの嬉しいに決まってるだろ?」「……そんな、大げさな」「やっぱり愛してるよ、透子」そんな見つめられて「愛してる」と言われたら、恥ずかしいに決まってる。「……透子?」「あ、愛してるなんて……ここで言わないでよ」そう言うと、藍は「別にいいだろ?言いたかったんだから」と言い返してきた。「……もう、藍ったら」「さ、会計して帰ろうか」「う、うん」会計を済ませたわたしたちは、車に乗り込んで自宅へと戻った。「透子、お腹触ってもいいか?」「いいよ。触っても」家に帰ると、ソファに座りながら藍はそう聞いてきた。 「じゃあ、触るな?」「う、うん」藍は優しく、その大きくなってきたお腹にそっと触れてきた。「あ……動いてる」「本当だね。よく動くね、元気だね」なんかこう、藍にお腹触られるってちょっと不思議な気分だな……。「元気なのは、いいことだな」「そうだね」藍はわたしの肩を抱き寄せると、「俺、透子と赤ちゃんがいなくなったら……そう考えたら、きっと生きていけない」と話す。 「急にどうしたの……?」「透子が襲われた時、一秒でも俺が駆け付けるのが遅かったら……って考えた時、ゾッとしたんだ」「藍……」藍のこんな不安そうな表情、初めて見たかも……。そんなに心配させて、本当に申し訳ないな。「心配かけてごめんね、藍。……ありがとう、愛してる」わたしは藍の唇に自分からキスをすると、どちらからともなく深くキスをし合った。「珍しいな、透子からキスしてくれるなんて」「た、たまに
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48話

「んっ、藍……っ」藍とキスすると、最近なぜか胸がときめく。まるで青春時代の学生みたいな、そんな気持ちになった。「愛してるよ、透子」「……わたしも」こうして一緒に過ごしてみて、そう思える日が来るなんて思ってもなかった。だけど今なら、本当にそう思える。「ああ。……一緒にいよう、これからもずっと」藍のその言葉に、わたしは嬉しくなって思わず「うん。ずっと一緒に、ね」と答えた。「ああ。俺は死ぬまでずっと一緒にいるよ、透子と。……いや、透子と子供と一緒に」わたしは藍の言葉に嬉しくなって「……うん。約束、だからね」と返事をした。 「ああ、約束だ」わたしは藍がくれたその言葉を、その約束を、誰よりも信じてるんだ……。藍のこと大好きだから、家族になりたい。ずっとずっと、一緒に……。「……あ、今赤ちゃん動いた」わたしはお腹に手を当てながら、藍にそう伝えた。「本当か?どれどれ」お腹に手を当てながら感じようとした藍だけど、「おかしいな。動かないな……」と言っていた。「今日はタイミング、合わなかったね」「みたいだな」 「ね……フフフ」 他人が夫婦になるのって、そんな簡単なことじゃない。 だけどわたしたちは、こうして夫婦になっていく。こうして何度もぶつかりながら、何度も助け合いながら、夫婦になっていくんだ。「そういえば、藍」「なんだよ?」わたしは藍に質問したいことをすることにした。「藍、もうすぐ誕生日でしょ?」「ああ。そうだったな」「誕生日プレゼント、なんかほしいものはある?」わたしがそう問いかけると、藍は「そうだな……。なんかあったかな?」と考え出した。「なにかほしいものあったら、言ってね」「そうだな……。強いて言うなら、透子の手料理が食べたいかな」藍はわたしを見ながら言った。「え?そんなのでいいの?」そう聞き返すと、藍は「゙そんなの゙じゃなくでそれが゙いいんだよ」と言ってくれた。「……分かった。なにか食べたい物あったら、なんでも作るから言ってね」「分かった。 透子になにを作ってもらうか、考えておかないとな」藍は嬉しそうに微笑みながら、そう言っていた。「作れるものなら、なんでも作るよ」藍の誕生日、だしね。 もちろん、頑張るよ。かと言って、なにも渡さない訳にはいかない。 なにプレゼント、用意しなきゃ。藍の誕
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49話

「旦那様にどんなものをお求めですか?」「そうですね……」確かに藍がよく身に着けているのは、腕時計とかだけど……。でも藍が着けている時計って、高級なあのカリティナの時計なんだよね……。そんな高級な時計を着けている藍に、安物の小物でいいのか困ってしまう。「すみません。ちょっと見させてもらってもいいですか?」「もちろんです。何かありましたら、いつでも呼んでくださいね」「ありがとうございます」わたしは店内を見渡しながら、藍に似合いそうなものがないかを探してみるけど、イマイチピンと来るものがない。藍の好きなものって……。何だろう? そういえば、好きなものを聞いたことがない。 藍って、どんなものが好きなんだろう……?「誕生日プレゼントって、どんなのみんなあげてるんだろう……?」店内を一通り見た後、お店を出て別のお店へと向かった。「ありがとうございます」 藍に服をあげたいと思ったりはしたけど、服の好みが分からないから、好みじゃないものをあげたりした時の反応が怖いと感じる。「香水……とか?」いや、それこそ好みが分かれるよね……?あれ、そういえば藍……香水付けてるよね? いつも藍からは、同じ香水の香りがする気がしている。ちょっとサッパリしているのに、男らしい香りのする藍の香水。わたしはその香りが、好きだと感じる。 藍の香りは、なぜか不思議と安心するような感じがある。「ちょっと、見てみようかな……」わたしは、香水を探しに別のお店に入った。「いらっしゃいませ〜」香水……ってどこ? わたしは普段、香水などを付けないから香水の場所すらよく分からない。キョロキョロ周りを見渡してみると、香水売り場を見つけた。「あった……」え、ちょっと待って……。香水ってこんなにたくさん種類があるの?香水も思ったよりたくさん種類があることに気付いて、困惑した。「うーん……」え、待って。どれにしたらいいのか分からない……。あれ?藍の付けている香水って、どんな種類なんだろ……?そもそもそこが分からないから、困る。 普段香水を全く使わないわたしは、香りの違いすら気付けない。「みんな同じ香りにしか、感じない……」そもそも妊娠中のわたしにとって、香水の香りがかなりキツく感じる。やば、なんか気持ち悪くなりそう……。ダメだ、香水はやっぱりわたしには合わないとみ
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