Todos os capítulos de 溺愛結婚〜懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されて困っています〜: Capítulo 11 - Capítulo 20

68 Capítulos

10話

✱ ✱ ✱【透子、おはよう】【身体は大丈夫か?】【透子、重い物は持ったりしちゃダメだぞ】【透子、身体は冷やさないようにな】スマホの通知が、アイツからのメッセージの受信を何度も知らせてくる。「あーもうっ!うるさいっての……!」あの日のプロポーズ以来、毎日こうやって頻繁に藍から連絡がくるようになった。それもそうだ。 だってあの人は、もうわたしの夫になるつもりなのだから。「もう、何なのよ……!」プロポーズの返事はまだしていないけど、彼はわたしの夫になるのに相応しいのは、俺だと言わんばかりの態度であった。あの日のプロポーズの言葉が、ずっと頭の中をリピートしている。「透子も赤ちゃんも、俺が必ず幸せにする。約束する」それにしても、わたしも赤ちゃんも必ず幸せにするって……すごい自信だった。そして何より、彼はあの言葉の後に続けてこう言ったんだ。【俺はもう、君と結婚するつもりで子供を作ったからね】「冗談じゃないわよ……」わたしと結婚するつもりだって? わたしは絶対に認めないから、そんなの!わたしはアイツと、絶対に結婚なんてしない。 あんなヤツの妻になんて、誰がなるものか……!それに子供だって。……いや、子供に罪はないわ。 子供を責めるのはダメね。それは母親として、失格だ。【透子、次の検診いつ?】そんなことを考えていた時よりも、またも高城藍からメッセージが届いた。「え……。なんでそんなこと聞くのよ」【なんで?】とメッセージを返すと、すぐに返信が来た。【次の検診、俺も一緒に行くから】「……は?」俺も一緒に行く? いやいや、なんでよ……!【来なくていいです】【俺も行く。絶対にだ】「え、なんなの……」どこまで頑固なわけ……? 来なくていいったら、いいのに。 【一人で行けますので、大丈夫です】そう言ったのに今度は【一人じゃ危ないだろ?君一人の身体じゃないんだから】と返信が送られてきた。 【わたしのことは気にしなくて結構ですので、お構いなく】【何かあったら俺が困るんだよ。だから一緒に行く】俺が困るってなによ……。 困るのはわたしなのに。そう強く言われたら、断れないって……。なんて言えばいいのかな。なんかこう、過保護?みたいな……。あの日のプロポーズ以来、彼はとてもつもなく過保護になったような気がする。 その理由は分
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11話

わたしはそう返信して、スマホを閉じた。「産んでほしいって、言われても……」 わたしはアイツと結婚したい訳ではない。もし産むとしても、わたし一人で産んで育てるしかない。アイツの手なんか借りないし、借りるつもりもない。 「何なの、もう……」 そうやってわたしの身体を心配したり、こまめに連絡してきたり……よくわからない。いきなり過保護になって、すごく優しくしてくるし……。もう何なのかわからない。「……もう、知らない」 あんなヤツ、どうでもいい。わたしはアイツのことなんて、興味ないんだし。そもそもアイツと結婚する気もないのに、なんでそんなにわたしに突っかかってくるのかもわからない。「いらっしゃいませ。何名様ですか?」「二人です」「お好きな席にどうぞ」お客様を店内へ案内し、わたしはお冷をトレーに乗せてお客様の元へと運んだ。「お冷になります。ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンでお呼びくださいね」「ありがとう」ーーーっ!「……えっ!?」ウソでしょ……!?「透子ちゃん、どうしたん?」「あ、いえ。 な、なんでもないです」一度カウンターへ戻ったわたしの視線に飛び込んで来たのは、高級車の運転席から降りてくる高城藍の姿だった。「な、なんでアイツが……?」スーツ姿の彼は、スタスタと店内に向かって歩いて来たのだった。「透子、やっぱりここにいたのか」「な、なんでアンタがここにっ……!」 この店の雰囲気にはどう見ても似つかわしくない彼の姿は、誰から見ても目立っている。そんなイヤな視線は一気に、わたしたちの方に向いている。「透子、ダメだろ? まだ安定期に入っていないんだら、無理しちゃ身体に響くだろ?」そして突然、そんなことを言われて、また更に注目の的になっていく。「ちょ、ちょっとっ……!!」 なんでここでそんなことを言うのよ、この男は……! 場所を考えなさいよ!場所を!「え? 透子ちゃん……もしかして、妊娠してるの?」「えっ!? あ、いや、それは……!その……」このバカ……! なんてこと言うのよ!しかもみんなの前でなんて……!どういう神経してるの……!!「すみません。透子、言ってなかったみたいですね。 透子は今妊娠しているんです。俺の子です」  「ちょっと……!」「そうやったの? なんだ。言ってくれれ
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12話

わたしの心配をしてくれなんて、わたしは彼に頼んだ覚えはない。 この人が勝手に心配してるだけだ。「透子、君のお腹の子の父親は俺だ。俺には君たちを守る責任があるんだ。 だから無茶をして透子になにかあったら、困るんだよ」「なんで?なんでそこまでして……。バカじゃないの?」困るのよ、そういうの……。余計なお世話だ。「バカでもいい。俺は君とお腹の子を幸せにしたい。……ただ、それだけなんだよ」なぜだか分からないけど、そう言われたら何も言い返せなくなってしまった。「……なんなの。わたしにとってあなたは、特別な人でもなんでもないのに」変な人……。わたしにそこまでしてくれる理由が分からない。「分かってる。……けど俺は、君のことを大事にしたいと思ってる。この先もずっと、大切にしたい人なんだ」    そう言って彼は、わたしの頬に手を乗せて撫でるように触れてきた。その触れられた温もりが妙に心地よい体温で、一瞬ドキッとした。   「……悪いけどわたしは、あなたのことを好きになんて絶対にならない」ずっと憎んでる。今でもずっと……。憎くて仕方ないのに。「なら、俺のことを好きにさせる。 透子が俺のことを好きになれるように、努力するつもりだ」「なにそれ……。バカじゃないの」「ああ、俺はバカだよ」一言そう言われて、口付けを交わされた。 でも重なったその唇は、一瞬で離れた。「……なんで許可なしにキスするの」直後に問いかけると、彼は「なんでって?したかったから」と答えた。「はあ?したかったからって……。本当にクズね、あなたは……」「そんなクズの子供を妊娠してるのは、君だろ?」そうやって突っかかってくるところも、腹が立つ。 ムカつくし、イライラする。   「ふざけないで……。妊娠させるようなことをしたのは、あなたでしょ?」そうやって言葉を返すと、彼は「俺のものにするための、最終手段ってことで」と言って怪しく笑った。「……そういうこと言うから、クズなんでしょ?何なのよ、本当に。ムカつく……!」わたしはそう言うと、彼の車から降りて店内に戻ろうとした。 ーーーその時。「え……?」高城藍に後ろから抱きしめられた。「な、なにするのっ」離れたいのに、彼の香りがふわっと香ってくる。この香りはなに? 多分香水なんだけど、イヤな香りじゃない。「透子、君は
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13話

「……本当にバカ」アイツのこと大嫌いなはずなのに、なぜかイヤだと思えない。それは、なぜなんだろうか……。✱ ✱ ✱それから一週間後の検診の日。「透子、お待たせ。迎えに来たよ」「……本当に、来たんだ」高級車の運転席から降りてきた高城藍は、わたしのそばにやってきた。 「当たり前だろ?俺たちの子供なんだから」俺たちの子供なんだからか……。そりゃそうだ。「さ、行こう。乗ってくれ」「いい。歩いていくから」「いいから、乗れって」「……分かったわよ」助手席に座ると、高城藍は車を走らせた。「そういや、透子」車を走らせながら彼は、わたしの方に視線だけを向けた。「……なに?」あまり話しかけないでほしいんだけど……。「結婚式、挙げたいか?」「はっ?」け、結婚式……? 結婚式っ!?「結婚式挙げるなら、盛大にハワイとかどうだ?」「いやいや、ちょっと待って……」気が早すぎるって……! そもそも、結婚するって言ってないしっ!「わたし、あなたとは結婚しないって言ったはずだけど。忘れたの?」「なにを言ってる。子供が出来たんだから、結婚しないとだろ? 俺はちゃんと責任を取るよ、透子と子供のために」「……責任取れなんて、頼んでないし」  そう言われても、そうさせたのはあなた自身じゃない……。「……ほんと、ムカつく」「透子のそういう強気なとこ、ますます惚れるね」そう言われてさらに、腹が立った。 からかってるのか、本気なのか分からないところが更に腹が立つ。「さ、もうすぐ病院だ」「はいはい」病院に着いて受付を済ませたわたしたちは、名前を呼ばれるまで待合室で待つことにした。「ここに座るか」「……うん」名前を呼ばれるまで待合室で待つわたしたち。 だけど隣に座る高城藍は、ちょっとだけ嬉しそうな表情をしていた。「なあ、透子」「ん……?」「子供、産んでくれないか」隣に座りわたしの手を握ると、高城藍は真剣な眼差しでそう言ってきた。 「……え?」「透子に、産んでほしいんだ。俺の……俺たちの子供を産んでほしい」そんな真剣な眼差しで言われたら【NO】とは言えそうになかった。 「……分かってる。 子供のことはちゃんと考えてるから、心配しなくても大丈夫だよ」わたしのお腹の中にいるのは、大切な生命だから。そんなこんなで名前が呼ばれ、
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14話

「……小さい。けど、ちゃんとわかる」  本当にわたし、赤ちゃんがいるんだ……。こんなにも小さいけど、ちゃんと赤ちゃんがいることが分かる。不思議だけど、なんだか愛おしい気持ちが湧いた。「お疲れ様でした。 じゃあ次の検診は、また一ヶ月後になりますね」「はい。わかりました」「ありがとうございました」一ヶ月後に再度診察の予約を入れて、会計を済ませたわたしたちは、そのまま病院を出た。 「赤ちゃん、小さかったな」「……そうだね」赤ちゃんを産みたい。さっきエコーした時、純粋にそんな気持ちが生まれた。それは今まで感じたことのない、感情でもあった。 「……わたし、赤ちゃん、産みたい」そして気が付いたら、そう呟いていた。「え、本当か?」だって子供には、罪がないから……。小さなその命の強さを見て、強くそう感じた。わたしがこの子を守ってあげなきゃって……。「産んでくれるのか?」「だから、そうだって言ってるでしょ。 何回も言わせないでよ」わたしはちゃんと、母親になれるのかはわからない。そんな自信もないし。でも、母親になることの覚悟が出来たのは、間違いない。「ありがとう、透子。……俺が二人を幸せにするから、必ず」そう言われてわたしは「それ、もう何回も聞いたって」とだけ答えた。「何度でも言う。……透子、俺と結婚しよう」わたしは、藍からニ回目のプロポーズを受けた。「……ごめん。やっぱりそれだけは出来ない」だけどやっぱり、藍と結婚は出来ない……。「なぜだ……?」なぜだと言われても、出来ないものは出来ない……。高城ホールディングスはわたしにとって、憎くて仕方ないものでしかない。そんな憎き高城ホールディングスの御曹司との結婚は、わたしにはリスクが高すぎる……。 高城ホールディングスの御曹司と結婚したらわたしは、その会社をさらに憎んでしまうかもしれない。高城ホールディングスに嫁ぐことは、わたしにはやっぱり出来ない。「……わたしは、高城ホールディングスに嫁ぐつもりなんてないからね」高城家の嫁になんてなったら、それこそ後悔しそうだ。「なら、どうしたらいいんだ……?」車の中でわたしは、藍にそう問いかけられて思わず「え……?」と視線を向けた。「どうしたら俺と結婚してくれるんだ? どうしたら、俺を許してくれる……?」そう問いかけられて、わ
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15話

アイツと出会わなければ、わたしはアイツと身体を重ねることもなかったし、妊娠することもなかったんだから。「てか昨日のあの人って、あの高城藍よね?お腹の子の父親なんやろ? 結婚は、いつする予定なん?」そう聞かれてわたしは「……結婚するつもりは、ないので」と答えた。「え、そうなん?なんでや?」「……あの人とわたしは、住む世界が違いますから」わたしはあの人とは、どう見ても不釣り合いだから……。「え?せやけど……」「……子供のことを考えての、決断です」「そうなんか……」産まれてくる子供に父親がいないのは可哀想だとか言われることも、わたしはわかっている。けどわたしは、自分の人生のことを考えて決断したい。「……子供には、罪はないですし」「まあ、そうやけど……」言いたいことはなんとなく、わかっているけど……。「……大丈夫ですよ。無理はしませんから、絶対に」わたしはアイツとなんて一緒にいられる自信はない。 そもそも、住む世界が違うあの人と、これから一緒に暮らせる勇気もないんだから。「分かった。くれぐれも、無理はせんようにね」「ありがとうございます」子供の父親は、確かに高城藍だ。 産むと決めた以上、その覚悟は揺らぐことはない。わたしはシングルマザーとして、この子と一緒に生きていくんだ。 もう、そう決めた。「あ、もう戻らなきゃやね」「そうですね」休憩を終えて店内に戻ると、とある人物が目に入ってきた。「……え?」そこにいたのはーーーー。「久しぶりやね、透子」「え……。女将、さん……?」夕月園の元女将、野本夏乃(のもとなつの)さんだった。でもなんで、女将さんがここに……?「元気やった?透子」「え、女将さんがなんで、ここに……?」わたしがここで働いていることを、わたしは夕月園の人たちにも、誰にも言ってなかったのに……。どうして分かったのだろうか……。「高城ホールディングスの人に聞いたんよ。アンタがここで働いているって」「え、高城ホールディングスで……?」「ええ。……言うてなかったんやけど、うち今は別の旅館で働いているんよ」え?別の旅館って……? 夕月園以外の旅館で?そうなんだ、知らなかった……。「そうなん……ですか」「透子、ちょっと話せる?」「……あ、はい」わたしは女将さんと少し話すため、カフェの外に出た。
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16話

「そうなんか……。 アンタ一人で、育てるつもりなんか?」「……はい。そのつもりです」わたしはそう答えると、女将さんの方を見た。「そう……。アンタは、本当にそれでええの?」そう問いかけられたわたしは「え?」と返事をした。「一人で産む言うても……。子供を一人で育てるのは大変やろ?お金もかかる故、働きながら子供を育てるのは、容易じゃないんよ?」 女将さんからそう言われ、また現実に引き戻されてしまう。「……分かってます。だけど、あの人には……。高城ホールディングスには、頼りたくないんです」「透子……」「わたしはあの人たちを許したくない……。許せる訳、ないんです。 あの人たちは、わたしたちを……夕月園を、めちゃくちゃにしたんですよ?倒産にまで追い込んだ」わたしのその言葉に、女将さんは黙ったままわたしを見つめていた。そしていきなり、こんなことを話しだした。「実は言うとね……。夕月園の経営が終わってからしばらくして、高城藍さんがわたしのところに来たのよ」「……え?」高城藍が、女将さんのところに……?「アンタのことを探してる言うとったのよ。アンタの居場所を知らないかって、うちに聞いてきてん」「高城藍が……?」なんでわざわざ、そんなこと……。「わたしも知らない言うたんやけど……。知ってたら教えてほしいって言われてね」「そう……だったんですか」どうして彼は、そこまでしてわたしを探したのだろうか……。「まさかこんなとこで働いているとは、夢にも思ってなかったけど……。でも元気そうで良かった」そんなことを言われたわたしは、女将さんに「心配かけて、すみません……」と答えた。「ええんよ。気にせんといて。元気ならええのよ」「……はい」高城藍と出会ったのは、偶然なんかじゃなかったんだ……。これは必然だった。出会わなければ良かったのになんて、思っていたのに……。「……アンタ、もう旅館の仕事には戻らへんの?」女将さんからそう問いかけられたわたしは「……女将さんと一緒に働くことが出来ないのなら、働く意味なんてありません」と答えた。 「夕月園はわたしにとって、家族みたいなものだったし……。家族を奪われた今、もう旅館で働く意味なんてありません。 女将さんと一緒に働くことが、何よりわたしの幸せだったんですから」女将さんと働けないのなら、わたしはも
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17話

「……えっ?」「お疲れ様、透子。待ってたよ」「……なんでアンタがいるのよ。呼んでないんだけど」なのに目の前には、高級車に背を当てて待っている高城藍がいた。「決まってるだろ?君を迎えに来たんだ」「……は?」迎えに来たって……。わたしそんなこと、頼んでないんだけど……。「さ、乗って透子」「……いい。一人で帰れるから」そう言って交わそうとしたのに、「ちょっと待てって」と言われてそれを阻止された。「なんなの、もう!邪魔なんだけど……!」「一人で帰るなんて危ないだろ?送ってくから」「一人で帰れるから、大丈夫だって! もう、余計なことしないでよ……!」そう言って高城藍を睨みつけるけど、高城藍は怯むことなくわたしにこう言ってきた。「前にも言っただろ。お前に何かあったら、俺が困るんだよ」「……なんで、そんなこと言うのよ」そう言うと高城藍は、こう返してきた。「当たり前だろ? 透子、君は俺にとって大切な人なんだから」「大切な……人」「そうだ。俺には、君と子供を守る義務があるんだ。……分かるだろ?」そんなこと言われたって……。わたしはそんなこと、頼んでないってば……。勝手に言ってるのは、そっちなのに……。「……そんなこと頼んでないって言ってるでしょ」わたしのことは、放っておいてほしいのに……。「でも俺は、お腹の子の父親だ」「……一人にして。放っておいてってば!」そう言ってみたけど、高城藍は引き下がろうとはしなかった。「すまないが、それは出来ないな」もう、しつこいって……。「……もう、分かったわよ。乗ればいいんでしょ、乗ればっ!」 確かにこの子の父親は、高城藍本人だ。それには間違いない。「よし、じゃあ行こうか」「………」わたしは折れて、彼の高級車の助手席に乗り込んだ。シートベルトを付けた彼は、片手でハンドルを握りながら車をバックさせて車を出発させた。「……今日、女将さんがお店に来たの」「え、そうなのか?」「……アンタ、女将さんのところに行ったんだって? わたしの居場所を知ってたら教えてほしいって、言ったんでしょ?女将さんに」「なんだ、バレちゃったんだ」わたしがそう問いかけると高城藍は、笑いながらそう言ってきた。「なんでわざわざ、女将さんのところになんて行ったのよ」「だってあの人なら、透子の居場所を知ってる
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18話

「教えて。どこで……? どこで会ったの、わたしたち」わたしは気になって聞いてみた。「俺が夕月園に泊まりに行った時だ」「……え?」藍、夕月園に泊まったことがあるの……? それは知らなかった。「俺が夕月園に一人で泊まりに行った時、その時に初めて君と出会った。……まだ君が、若女将になったばかりの頃だったかな」わたしが若女将になったばかりの頃……? え、まさか……。「まさか、あなたあの時の……?」「思い出してくれた?」思い出した……。高城藍は、あの時わたしを助けてくれた人だったんだ……。 「……まさか、わたしを助けてくれたのがあなただったなんて」「俺で残念だった?」「……そうね。出来れば知りたくなかったことだわ」それは三年前。わたしがまだ夕月園の若女将になったばかりの頃のことだ。お客様同士が酔っ払っていてケンカをしていた。そして止めに入ったわたしを、一人のお客様が突き飛ばしのだった。 そしてその場に倒れ込んでケガをしたわたしを助けてくれたのが……高城藍だったんだ。「その時、君を見てビックリしたよ。こんなにかわいい若女将がいるのか、ってね」「そ、そんな大袈裟な……」わたしがそう言うと、高城藍は「大袈裟なんかじゃないさ。本当のことだからね」と言った。「俺はその時から、君をずっと見ていた。俺のものにしたいって、ずっと思ってた」「……じゃあなんで、今だったのよ」「弱っている子を落とすためには、゙タイミング゙ってのが必要だったんだよ」「タイミング……?」そんなことを言われて思ったのは、夕月園が買収されて弱っているわたしを落とそう作戦だったことに気付いて、ちょっとムカついたことだった。「……まさかそれで? それでずっと、タイミングを見計らってたってこと?」「簡単に言うと、そういうことになるかな」「アンタ、本当に最低ね。どこまでクズなのよ……」タイミングを見計らってまで、わたしに近づこうとしたなんて……最低最悪だわ。計画的な行動だったってことでしょ?最低すぎる……。わたしが夕月園に未練を残しているとわかっていたから、今だったのね。……全部繋がった。「クズでも何でもいい。君と一緒にいられれば、それだけで」だけどそうやって甘い言葉を言われたら、不思議と何も言えなくなる。言い返そうとしたいけど、言葉が何も出てこない。そんな時
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19話

そんな笑顔を向けられたら、不思議とドキドしてしまう気がした。そんなことを思っていると、高城藍がわたしの手をぎゅっと握りしめる。「こっち来て、透子」そうして花畑の真ん中まで連れて来られた。「藍……? どうしたの?」「透子、何度でも言う。俺と結婚してほしい」藍からまたプロポーズを受けた。 今度は、結婚指輪付きで。「……え?」ちょっと待って……。こんなところでプロポーズするの……?ちょっと待って。そんなのズルくない……?そんな風にされたら、断わることが出来ない雰囲気になるじゃん……。「透子も赤ちゃんも、この俺が必ず幸せにすると約束する。……俺が生涯愛するのは透子、君だけだ。なんなら誓ってもいい、この指輪に」「……なんで、そこまでして」そんなこと言われても、何も言い返すことの出来ないわたしって……。もしかしてこの男に、少しでも期待を持ってるってことなの?この前みたいに、断ろうと思ったの。 本当にそう思っていたのに……。 「……っ」なぜかそれが出来ないーーー。「愛してる、透子。 だから、俺と結婚してほしい」そう言って答える間もなく、彼はわたしの左手を取り、わたしの左手の薬指にその結婚指輪をそっと嵌めた。その指輪のダイヤがキラキラと輝いていて、とてもキレイな指輪だった。「キレイな指輪……」「気に入ってくれた?」確かに指輪はキレイだし、雰囲気もいい。……だからこそ、流される自分が悔しい。「……その言葉、守ってくれるんでしょうね」「え?」「生涯わたしだけを愛するって言葉よ。……その言葉、本当に信じてもいいのよね?」 なぜか不思議と、そう言葉にしていたわたしだった。「信じていい。必ず幸せにするから、透子も子供も、絶対に」「……約束を破ったら、即離婚するからね」「ああ。それで構わない」なぜそんなこと、わたしは言ってしまったのだろう……。こんなヤツと結婚するつもりなんて、なかったのに… 本当にそう思ってた、のに……。「……わたしのこと、ちゃんと守ってくれるの?」「もちろん。……守り抜くよ、どんなことがあっても」 わたしのその問いかけに、高城藍は即答して答えた。そしてわたしの目を見つめると、わたしの左手を取り片方だけ膝をつく。そのまま映画のワンシーンに出てきそうなポーズを取り、再びわたしにプロポーズの言葉を放った
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