「だから……もう、流れに身を任せるしかないんじゃないかな。もちろん探すのは手伝う。でも、もしどうしても見つからなかったら、その時は潔く諦めるしかないよ。人の気持ちは、無理強いできるものじゃないから」紫音はあえて厳しいことを言った。悲痛な現実だが、二人の関係はすでに致命的なダメージを受け、有加里自身も完全に背を向けてしまったのだ。これ以上執着したところで、誰も救われない。紫音の切実な願いは一つだけだった。大事な兄に、どうか一日も早く立ち直って前を向いてほしい。いつかまた、心を許せる新しい誰かと出会える日が来るかもしれない。変えられない過去に縛り付けられず、なんとか平穏な日常を取り戻してほしかったのだ。しかし、州の意思は固かった。「俺の中では、まだ何も終わってない。こんな形で終わらせるなんて絶対に嫌だ。あいつを見つけ出して、俺たちの関係を修復するために、最後までやれるだけのことは全てやりたいんだよ!」その言葉からは、痛いほどの未練と執念が滲み出ていた。一度決めたら決して曲げない頑固な性格の彼にとって、「仕方ない」と諦めることなど到底できなかった。「お兄ちゃん……お願いだから、あの時みたいに自暴自棄にならないで。仕事も手に付かなくて、毎日抜け殻みたいになってたあの頃に戻らないで。どんな結果になろうと、ちゃんと前を向いて普通に生きてほしいの」紫音の目には再び涙が浮かんでいた。兄を心配する切実な想いと、何もしてやれない無力感。紫音はどう言葉を尽くせば、この救いようのない苦しみから兄を引っ張り出せるのか、全くわからなかった。「分かったよ。紫音だって、自分の家のゴタゴタで大変だろう。毎日仕事も山積みなんだから、俺のことまで背負い込むな。こればっかりは俺自身の問題だ、一人でなんとかするよ。お前が手出しできることじゃない」州は少しだけ声音を和らげ、妹を気遣うように言った。結局のところ、これは当事者にしか解決できない問題であり、自分自身でこの暗闇から抜け出すしか道はないのだ。「お兄ちゃん……何かあったら、昼夜問わずいつでも電話してね。何の役にも立たないかもしれないけど、話を聞いてずっとそばにいることくらいはできるから。だから……どうか早く立ち直って」紫音はすがるように見つめた。「お兄ちゃん、この世に乗り越えられないことなんてないよ。誰がい
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