高橋裕也(たかはし ゆうや)の誕生日、原田愛菜(はらだ まな)は自分を捧げて、結ばれようとしていた。しかし、そうしようとしていた瞬間、真っ暗だった邸宅が、まるで白昼のように辺り一面明るい明かりが灯ったのだった。そこへ、3年間ずっと彼女をいじめてきた大塚莉子(おおつか りこ)がビデオカメラを手に飛び込んできた。更に彼女はその後ろに、裕也の「仲間たち」である盛遠グループの役員を5、6人従えていた。「最高!」莉子は手を叩いて大笑いした。「みんな見て、この女なんて恰好!ヒョウ柄?あははは!」すると邸宅中に、天井が抜けそうなほどの嘲笑が響き渡った。「あはは、このブスがヒョウ柄の下着なんて、ダサすぎ!まさか、こんなので裕也さんを誘惑できるとでも思ったのかね?」あまりに突然の出来事で、まるで雷に打たれたように、愛菜は慌てて床の服を拾って身に纏い、そして、助けを求めるように裕也の方を振り向いた。しかし、裕也はただ、気だるそうにドアの枠に寄りかかり、莉子に愛おしそうな優しい眼差しを向けているだけだった。愛菜は呆然とその光景を見て、あまりの恐怖に幻覚を見ているのかとさえ思えてきた。「愛菜、本気で裕也さんがあなたに気があるとでも思ったの?」莉子は体をのけぞらせて笑った。「確かあなたが研修中に高級レストランでバイトしてた時、不倫相手と間違われて骨折するまで殴られたことがあったでしょ。あれは裕也さんの指示で、私たちがあなたの裸の写真をあの悍ましい女に送りつけたからなのよ。それに入社して2年目に担当したプロジェクトでデータミスがあった時もそう。あの時あなたは貯金を全部はたいて弁償したわよね。気が付かなかったの?あれも裕也さん本人が大事なデータを書き換えたのよ。あと、一昨年あのすごく寒かった日、裕也さんにあなた達の思い出の品を無くしたって言われて、あなたは湖に飛び込んで3時間も探したせいで、1週間も高熱で寝込んだわよね。あれも本当は嘘なの、裕也さんはわざと湖に捨てたのよ。一番の傑作は先月。あなたが3ヶ月も徹夜して作った企画を、裕也さんが原稿と資料を全部私に渡してくれたの。おかげでそれは私の手柄になったけど、代わりにあなたは会社に2000万円の借金を背負わされることになったってわけ。それにしても残念。この3年間、盛遠での評判はガタ落ち、キ
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