全てを打ち明ければ、じいちゃんがショックに耐えられないのではないか。絵里の懸念を察した治夫は、みるみる顔を曇らせる。「お前が思うほど、わしはヤワじゃない。話してみなさい。一体何があったんだ」絵里はまだためらっている。「今は何よりもお体を休めることが一番だ。それに、あの件はもう終わったことだから」「拓海は……」治夫は言葉を詰まらせ、その瞳に淡い哀愁を浮かべる。「知りたいんだ。そして、すべての真相を知る必要がある」絵里は彼の前にしゃがみ込み、しわの刻まれた両手をしっかりと握り締める。そして顔を上げ、まっすぐ彼を見つめた。「……分かった。話すね」もう隠し通せない。そう悟った。十分後。絵里の話を聞き終えた治夫は、怒りに顔を強張らせ、目元を赤く染めている。「奴らめ……全くもって人間の血が通っておらん!」両手は小刻みに震えていた。絵里はこれ以上彼の体に障るのではないかと、気が気ではない。「じいちゃん、落ち着いて。もう奴らは捕まったよ。あとは法の裁きを受けるだけだから」治夫は絵里を深く見つめる。目元の赤みはさらに強くなっていた。この数日間、彼女がどれほどの苦労を重ねてきたのか。想像するだけで胸が痛む。「辛い思いをさせたな。わしの体が不甲斐ないばかりに心配をかけ、その上、グループ全体まで背負わせてしまった。安心しなさい。わしはもう倒れたりせん。これからはお前と共に立ち向かい、グループを立て直していくからな」「はい」絵里は彼の感情が落ち着いたのを見て、ようやく胸を撫で下ろす。無事でいてくれるなら、それで十分だった。その後、彼女は治夫の食事に付き添い、食休みの散歩を共にする。治夫が眠気を催すと、絵里は自ら彼を支え、寝室へ送り届けた。「ゆっくり休んでね。時間ができたら、また顔を出すから」絵里は布団を引き上げ、彼の体にしっかりとかけ直す。「ああ、もう帰りなさい。丸一日経つし、裕也も心配しておるだろう」治夫は慈しむような眼差しで彼女を見つめ、軽く手を振る。中腰の姿勢のまま、絵里は「はい」と頷く。それから身を起こし、背を向けてドアへ歩き出した。音を立てずに扉を閉めると、ホールへ向かう。いつの間にか、丈裕がそこに来ていた。ソファの傍らで、仕立ての良いスー
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