――恋。 それは、キラキラした世界にいる、キラキラした人たちが繰り広げる、夢のような物語。 つまり、私には、永遠に無縁なこと。 そう思ってた。 私の部屋に”彼”が届いた、この日までは――。 ♡ ♡ ♡ 疲れた、もう無理、倒れて寝たい――。 やっとの思いで残業が終わって、二十三時。フラフラしながら、なんとか部屋の前に着く。 ――バサリ。 右手にぶら下げていたコンビニ袋を落とす。 扉の前に、私の背より少し低いくらいの、大きすぎるダンボール箱が置いてあって……。 泣きそうになりながら、想像通り重たい箱を、玄関の中に引きずり入れる。腕がちぎれそうなくらい重い。ひと踏ん張りして引っ張るたびに、息が切れる。 土間まで入れて、そこでもう、限界だった。 「はあ……」 二週間前。私の入社式の日に、今まで一緒に暮らしていたお父さんがアメリカに行って一人暮らしになって以来、部屋で声を出すなんてはじめてだった。 脱力して、その場にへたり込んだのが悪かった。立ち上がれない……。 でも、開けなきゃ。何が入っているか分からないし。送り主はアメリカに住んでいるお母さんとお父さんからだろうから、ナマモノとかじゃないと思うけど、何度かチョコレートを送ってきたことがあったから、そういうお菓子とかなら冷蔵庫に入れた方がいいだろうし。 なんとか立ち上がって、段ボールに貼られた送り状を見る。 【お届け先】武藤ゆう様【ご依頼主】武藤百合華・幸雄 やっぱり、お母さんとお父さんだ。 品名は、ヒミツ♡……? なんだろう……。&n
Last Updated : 2026-02-06 Read more