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11話 株式会社GETTA

「おい武藤。こっちの書類、事務に届けてくれ」  先輩から、書類がつき渡される。男の人の声で名前を呼ばれると、なんだか怖くてドキッとして、心がひやりと冷たくなって、いつも一瞬固まってしまう。 だけどそのままじゃだめだから、「あ、は、はい……」としどろもどろに返事して、一瞬のうちに汗だくになった震える手で、書類を受け取る。 打ちかけのメールをそのままにして、一階の事務室に下りる。真っ白なフロアに、三人の華やかな女の人たちがいた。ふふふ、と蝶のような声でこそこそ笑い合っている。 受付に一番近い人に声をかけると、蝶の羽のように美しいまつ毛をした美女が、「はあーい」と軽やかに、私の方に来てくれた。白鳥さんだ。 「これ、お願いします」 「はーい。ありがとね」  一礼して、エレベーターに戻る。 白鳥さんは、事務さんの中で一番可愛い。まつ毛も頬もキラキラしてきれいだし、肌は荒れているところが一つもないし、毛先だけ巻かれたミルクティー色の髪はきれいな艶がある。小さくて、華奢で、いつもキラキラして見える。私とは違う世界の人だな、と思う。  このゲーム会社――株式会社GETTAに勤めることができたのは、たまたま、面接官が女性だったから。 そもそも、私は文学部で、これといった特技もなくて。ただ、働くなら、好きなことが身近にある方がいいってお父さんに言われて。それで、ずーっとハマってきた乙女ゲームの会社がいいなと思って、ゲーム会社を受けに行った。結果的に、ほとんどの面接官が男性で、私は固まって、何も話せなくなってしまって――ううん、きっと話せたとしても、強みがないから受からなかったとは思うけど、乙女ゲームをつくる会社はすべて落ちてしまった。 なんとか就職できたこの会社は、主にスマートウォッチの格闘系のアプリゲームをつくる小さな会社で、分からないことばかり。うまく話せた自信もないし、どうして受かることができたのか……。ただ、一昨年設立されたばかりで、人手が欲しかったんだろうな、と思う
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12話 「彼氏です!」って言わないで!

 コーヒーを買うカフェは、会社から歩いて七分ほどのところにある。 事務さんたちはもっと近いところにある大きなカフェでいつもランチをしているみたいだけど、「ナチュリウムカフェ」は、リーズナブルでおいしくて、何より先輩のお友達が始めたお店らしくて、いつもそこに買いに行くよう申しつけられる。 「あ」  向かい側から歩いてきた、大きな革靴が止まる。タバコのにおいが、ふわんとした。 何より、その低い声にドキッとして、頭の中がじんとした。  ――西園寺さんだ。  プログラム部の先輩。先輩といっても、中途採用として、今年、私と深美くんと一緒に入ってきたんだけど……。 私より五つ年上で、プログラミングの技術が高くて、「できないことはない」レベルらしい。「どうしてこんなできたばかりの小さな会社に、こんなすごいやつが」と、同じ部署の先輩たちが口々に言うのを何度も耳にしている。 そのすごさも尊敬するし……気になってしまう人……。  なぜなら、西園寺さんは、すごく、ジャスティンに似ているから……!  短髪で、肌が浅黒くて、彫りが深くて、がっしりしていて……。それに、大人っぽくて怖そうな雰囲気だけど、ぶっきらぼうで硬い言葉の裏に、やさしさがあって……。 リアルジャスティンだなあ、と思う。 だからといって、お話できるわけではないんだけど……。 「よお、同期たち。また一緒か。仲良いな」 「まあ、同期なんで」 「俺も一応同期だが?」 「えー? いつも先輩風吹かせてるのはそっちじゃないですか?」 「まあ先輩だからな。買い出し? 手伝うか?」 「僕だけで事足ります。っていうか西園寺さん、右手にタバコ、
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13話 癒しの愛楽くんタイム

「おかえり、ゆう!」 玄関の扉を開くと、リビングから飛び出してきた愛楽くんが、靴も脱いでいない私のところに走ってきた。 そのまま私を、むぎゅう、と抱きすくめる。「今日もいっぱいお仕事がんばったね……! えらいよ……! お風呂もごはんも準備できてるけど、今日は帰宅が二十時だから先にごはんがいいかな? おなか、減ってるでしょ?」「ヒギイ⁉」 なに、なに、なに⁉ やだ、離して……! そう叫びたいのに、愛楽くんの腕に潰されて、混乱と疲れにまみれ、抵抗もできず、ブタみたいな鳴き声しか出せない。 そんな私を、愛楽くんが軽々と持ち上げる。「ヒェ⁉」「ゆうは一日中がんばってきたんだから、もう歩かなくていいんだよ。全部、俺にまかせて」 顔を近づけられて、甘い言葉をささやかれて。 心臓が、ぎゅうっとなって息ができなくなりかけて、私は、「ヒイ……」と熱い息を吐き、顔を覆った。 リビングは、おいしいにおいで満たされていた。 テーブルには、いっぱいの料理が並んでいた。 ラディッシュのサラダ、コーンスープ、鮭のグラタン、ボロネーゼ。 昨日も、今日の朝も、洋食をつくってくれた。お母さんのところ――アメリカにいたからかな。 向かい合って、二人で食べる。食べ終わった頃、デザートに、イチゴのブラマンジェが出てきた。……おいしい。手づくりなのが信じられない。ブラマンジェって、どうやって作るんだろう。難しいんだろうなぁ……。「お風呂沸いてるから、いいタイミングで入っておいで。上がったら、今日の話、聞かせてね」 湯船に浸かると、疲れが一気にお湯に溶けて、深ーい息が出た。眠たくなる。 ちゃんと湯船に浸かると、ちゃんと疲れがとれるんだなぁ。 お父さんと二人で暮らしていた時もそんなに頻繁にお湯は張っていなかったし、一人で暮らしていた時も――といっても愛楽くんが来る前の二週間くらいだけど、その時は本当に仕事でばたばたでそれどころじゃなかったから……。 食事もそう。お父さんと二人の時は、お父さんが料理好きだったからしっかり食べていたけど、一人で暮らしていた二週間は、本当にそれどころじゃなくて、緊張と疲れでおなかも減らなくて。でも、ちゃんと食べるって、大事だ。遅くに仕事が終わっても、うまくいかなくて落ち込んでいても、なんだか力が戻ってくる気がする。 髪を乾かして、リビングに出
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14話 はじめてのデート

 朝食を食べて、身支度をして、リビングに出る。 ソファで待っていた愛楽くんが振り向いて、立ち上がる。 「可愛い」  仕事に行く前と同じように、愛楽くんがそう言う。 いつもはただのスーツだし、今日はお母さんから何年前に送られてきたかも分からない黒いカーディガンと縦じまのシャツにジーパンだし、そもそも私が可愛いわけなんてないから、愛楽くんにとっては挨拶みたいなもの。最初の数日は動揺していたけれど、AIのプログラムによってそう言っているんだと飲み込んだら、慣れてしまった。 「そういえば、明日、会社の歓迎会なんだよね。スーツと私服、どっちで行くの~?」  愛楽くんが、私に近づきながら訊く。 愛楽くんは、私の予定をすべて把握している。いつのまにか、私のスマートウォッチのデータを取り込んでいたみたい。 仕事が終わったらそのまま行くから、スーツの予定だったけど……。 あれ。もしかして、皆さんロッカーで私服に着替えてから行ったりするのかな。 一応私服を持っていって、訊いてみる? でも、聞ける自信ないし……。 とりあえず、スーツで行こう。指摘されたら、次から私服で行こう……。 「そっか~。なんか、あんまり可愛すぎる格好で行ったら、心配だなって思っちゃった。スーツのままでも可愛いんだけど」  なんか、いつもよりちょっとセリフの糖度が高めなような……? もしかして、デートだから、いつもより押しが強め……⁉ その予想が当たりだとでも言うように、愛楽くんが私の手を握る。私は「ヒッ」と肩を跳ねさせた。 「よ~し、行こう!」  愛楽くんに引かれて、家を出る。道路に出ると、目の前に無人タクシーが停まった。 普通はスマートウォッチのアプリで呼びつけるのだけど、愛楽くんの腕にはスマートウォッチがない。愛
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15話 愛楽くんに似合う服

 10時1分。愛楽くんの予定通り、ブルーモールに到着した。 ブルーモールは、ショッピングエリア、スポーツエリア、ゲームエリア、映画館からなる大型複合型施設。お店の種類も数も豊富で、老若男女問わず多くの人に利用されている。といっても、私はそんなに用事がないし、男の人に会うのも怖いから、就活前にお父さんとスーツを買いに行った時と、みりんちゃんと映画館に行く時くらいしか行ったことがなかったけれど。土日は駐車場に停められないほど人でごった返しているらしいけれど、今日は平日。駐車場にはそれなりに空きがあった。 車から降りてすぐに、また愛楽くんに片手を捕まえられてしまった。うう……今日はなんだか、絶対逃げられない気がする……。 ショッピングエリアの四階が、メンズ服エリアらしかった。エスカレーターで向かう。 「今日はゆうの心拍数が高くなった服を買うつもりなんだけど、ゆう、今日、心拍数高くなりっぱなしだね。基準値決めておこうかな。今日の平均が102だから、106でどうかな」  筒抜けで、なんか恥ずかしい……。 愛楽くんは、クスッと笑った。 「全部、恐怖心とか不安とか、マイナスの波形じゃないから嬉しい。俺のこと、大丈夫になってくれて嬉しい」  それは、そう……。だってもう、愛楽くんのこと、全然怖くないから……。 でも、緊張でドキドキしっぱなしだよ……。これはマイナスの部類じゃないのかな……? 「あ、四階着いた! 行こう!」  はしゃぎ気味の愛楽くんから、やる気を感じる。私はきゅーっと心臓が細くなったようになった。 「ゆう! これ、どう? これは? こっちの方がいい⁉」  ピンクのチェックのパーカーに、黒い薄手のジャケット。 白いシャツに、大きめの青いアーガイルのカーディガン、ゆるっとした薄い色のジーンズ。 カラフルな柄のシャツに、蛍光緑のラインが入
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16話 王子様と私

 残りの五店舗で試着した姿を見ても、私の心拍数は106を超えなかったらしい。愛楽くんは何も買わずに、最後のお店に向かった。 辿り着いたのは、スーツの専門店だった。すっごく高級そう……。 「最後! 行ってみよう!」  愛楽くんはずんずんと店に入っていく。おっかなびっくりで緊張している私をぐいぐい引っ張って。 「いらっしゃいませ」  首にスカーフを巻いた女性が美しい礼をして迎えてくれた。洗練された上品な人だった。やっぱり、高級店だ……。 でも、店員さんが女性で安心する。さっきまで男性の店員さんが多くて、少しドキドキしていたから……。 「こんにちは。試着させてください」 「かしこまりました。どのようなスーツをお探しでしょうか。就活でしたら、こちらにリクルートスーツがございますし、結婚式などにご出席されるようでしたら、こちらのフォーマルなスーツであれば、長く着られますのでおすすめでございます」 「フォーマルな方で! いろいろ試着させてください~」 「かしこまりました。ご案内いたします」  愛楽くんは、店員さんといろいろとお話をして、提案されたスーツを持って、試着室に入っていった。 「お連れ様は、お姉さまでいらっしゃいますか? 仲良しで素敵ですね」  えっと、違くって……と説明しようと思ったけど、説明しにくい。私は、「はい……」とうなずいておいた。 そういえば、愛楽くんっていくつなんだろう。なんとなく年下だと思っていたけど……。客観的に見てもそう見えるみたいだし……。 AIだから、乙女ゲームの設定、みたいな感じで年齢があるのかな。でも、人造人間ってたしか、体は人間と同じで、成長も人間と同じようにするんだった気がする。ということは、ちゃんと年齢があるのかな
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17話 歓迎会

 愛楽くんは私の表情が暗くなったことに気付いて、心配してくれた。「大丈夫、なんでもない……」と嘘をつく。愛楽くんは噓だと見破っていたけれど、ひとまず昼食を食べようと、手を引いてフードエリアへ向かった。 すれ違う人たちに、似合わないって思われていそうで、怖くて、恥ずかしくて、顔を上げられなかった。 愛楽くんは店員さんもお客さんも女性客が多い、半個室のカフェを選んでくれた。少しだけ、緊張が緩んだ。 ワンプレートを頼んだ。口に運んだけど、味がしなくて、淡々と食べる。食べ終わると、愛楽くんが、「今日はもう帰ろうか」と言ってくれて、うなずいた。  帰り道、愛楽くんは運転しながら私が落ち込んでいる理由の可能性をいくつもあげて訊いてきた。「なんでもないから、大丈夫。疲れただけ」という言葉を何度繰り返したか分からない。  マンションの部屋に帰って、自分の部屋に閉じこもって、私は必死に頭を働かせた。 愛楽くんを、お母さんのところに送り返す方法を……。  けれど、全然思いつかないままいつのまにか寝落ちていて、なんだか目覚めも最悪で、頭がずんと重いまま、朝のリビングに出た。 「おはよう、ゆう。昨日、お夕飯食べなかったから、おなか減ったでしょ? 呼びに行ったけど、寝ちゃってたから……。大丈夫……? 俺、やっぱり何か、いやなこと言ったんだよね……。ごめん……」  愛楽くんの落ち込んだ声音に、胸が痛む。傷つけてしまっている。彼に感情の機能がなくても、そうに違いなかった。「気にさせてしまってごめんなさい」と頭を下げて、シャワーを浴びに行く。上がったら、愛楽くんが朝食を用意してくれていたけれど、時間がなかったから断った。たくさん用意してくれたのに、本当に申し訳なかった。「いってきます」と外に出る。エレベーターで一階に降りると、 「ゆう!」  と愛楽くんの声が聞こえた。階段で走って下りてき
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18話 だから、「彼氏です!」って言わないで~!

「そろそろ行こっか。お酌まわり」  二品目の料理を食べ終えたところで、深美くんに誘われて、先輩たちのお酌にまわった。 男の先輩を前にドキドキして手が震えて、グラスをガタガタ鳴らせてしまったけれど、深美くんが会話をすべて請け負ってくれたから、私は本当にただついてまわって、お酌をするだけでよくって、助かった。 この会社に勤めて、三週間。深美くんと西園寺さんだけじゃない、ほとんどの男の先輩たちがやさしい人たちだってことを、私は頭ではちゃんと理解していた。私がうまく返事ができなくても、かちこちに固まってしまっても、暴言を吐く人なんていなくて、「落ち着いたら頼むね」とだけ言って、そっとしてくれるから。 だけど、どうして怖い気持ちが消えないんだろう。 私が怖くないと思えるのは、愛楽くんだけ……。  ……愛楽くん。  ふわりと、愛楽くんの笑顔が脳裏に浮かんで、胸がぎゅうっと痛くなった。 「失礼します~三品目になります~!」  ……え? この声、って……まさか……。  声の方を振り向く。 やっぱり!  愛楽くん……! 「おつかれ、ゆう!」  なんで……! なんで愛楽くんが居酒屋のエプロンを着て、三品目のからあげを運んでるの――⁉ 「武藤さんのお知り合い? 弟さんとか?」 「いえっ! ゆうの彼氏です!」 「か」  ヒエッ!!!! 「か⁉」「彼氏――――――⁉」  愛楽くんの声を聞き取った周りの人たち――というか、広間にいた皆さんが、一斉に、私と愛楽くんを凝視して、叫ぶ。
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19話 シジミ汁とスポーツドリンク

 ズキズキして、ぐるぐるする頭を押さえながら、起床した。 なんだか、胃も痛くて気持ち悪い……。 ふらふらしながらリビングに出ると、磯っぽいお味噌汁のにおいで満ちていた。 ぐわりと、目の前がゆがむ。 「ゆう!」  愛楽くんが、ふわっと私を抱き留める。抱き上げられて、ソファに座らせられて、「はい、シジミ汁」とお汁椀を渡される。 「二日酔いだね。無理しない方がいいよ。今日は休んだら?」  そんなわけにはいかなかった。昨日、仕事を中途半端にして残してきてしまった。本当は昨日終わらせなければならなかったものだったから、今日、絶対に終わらせなきゃ……。 のろのろ支度して、胃が気持ち悪いまま、車に乗り込む。 ぼうっと窓にもたれかかっていたら、少しずつ、痛みが和らいできた。シジミ汁のおかげかもしれない。 昨日のことは、少しだけだけど覚えている。最後、深美くんが動けない私を抱き上げて助けてくれたみたいだった。 ただ、覚えているのは深美くんの顔を見て、助けてくれてありがたいな、と思ったところまでで、その後の記憶はない。 家まで、送ってくれたのかな。 今日は一番に深美くんのところに行って、お礼を言おう。  そう決めて車を降りたら、後ろの車から、深美くんが降りてきたところだった。 ばちりと目が合う。胃の気持ち悪さとこみ上がる緊張がごちゃまぜになって、ますます気持ち悪くなりながら、でも、ここで言わないと失礼だから、必死に言葉を紡いだ。 「あ……あの……あ、おはよう、ございます。あの、昨日は、ありがとうございました……」 「……あ……うん」  よかった、言えた。ほっとして、緊張と気持ち悪さもちょっと緩む。でも、深美くんは動かなかった。なんだか、私も動きにくい。彼に助けてもらった私が、彼より先にオフィス
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20話 ……どういうことですか?

 ……何を言っているのか、分からなかった。 「フリでもいいしな」  フリ……。付き合う……フリ? そ、そうだ。本当なわけない。ほっとして、真っ白になっていた頭がクリアになる。 いやいやいや、そもそも、西園寺さんとお付き合いなんて、そんな……ゆ、夢みたいなこと……。フリでも、ありえない……。ちょっとでも、言葉を鵜呑みにしてしまった自分が恥ずかしくて、顔が熱くなる。 ん? でも、たしかに、愛楽くんじゃない男の子とお付き合いできたってお母さんに伝えたら、愛楽くんを回収してくれるかも……? いや、待って。もし、そうなってしまったら。 スマートウォッチの通話越しに――いや、多分、速攻アメリカからお父さんが飛んできて、泣いて怒って喚き散らして、お父さんが研究開発した武器とかいうのを西園寺さんに向けて撃っちゃうかもしれない……。小学一年生の時もそうだったからなあ……。 そうじゃなくても、迷惑がかかっちゃう。ジャスティンみたいに素敵な人が、私とお付き合いするなんて、フリだとしても、申し訳ない。 「だ、大丈夫です……」  西園寺さんは、腕を組んだ。袖をまくり、露わになっている筋肉質な腕の筋が目の端に映って、ドキリとする。 「まあ、無理は言わないが。……そうだな。俺は前の会社で、防犯グッズの開発をしていた。このブザーのボタンを相手に向けて押すと、相手がつけているスマートウォッチの機能をバグらせて、電撃を発生させられる。そういうプログラムをつくってた。だからまあ、そういうなんか、俺のできそうなこととかあったら、いつでも声かけて。武藤のこと、なんかほっとけない」 
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