彼に見つめられている時間がとても長く感じる。 彼の体制と私の体制は変わらない。 私は恋愛経験もキスもそれ以上のことはしたことがない。 だからこういう時、どうしていいのかわからないよ。 普通なら、ここでキスとかするのかな。 蓮さんは、私を見つめてはくれるけれど、それ以上何もしてこない。 もしかして私があの人<川口さん>に襲われたから、きっと彼は気を遣ってくれているのかな。あの時のことを思い出させないように。そんな気がした。 蓮さんと川口さんは全然違う。 今、私の目の前にいるのは私の大好きな彼氏だ。 だから押し倒されても怖くなんて感じない。 蓮さんの整った顔が近くにあって、緊張はするけれど。「すみません。ちょっと外に行ってきます……」 ふぅと息を吐き、蓮さんは私から離れようとした。「蓮さんっ!」 私は自分から彼の首に両手を伸ばし、彼がどこかに行ってしまうことを止めた。「美桜……?」「私は蓮さんのことが好きです。だから何をされても怖くありません」 私、なんて大胆なことを言ってるんだろう。 これじゃあ、誘っているように聞こえちゃうのかな。 本心だから、仕方がないよね。 ドクンドクンと心臓の音が鳴りやまない。 蓮さんは私の言葉に数回瞬きをしたかと思うと「……。我慢しようと思いましたが、やっぱりやめます」 そう言って彼は、私の頬にチュッと軽くキスをした。「……!」 頬に唇の感触が一瞬残る。 蓮さんがキスしてくれた。 あんなこと言ったくせに、どうしたらいいのかわからない。 一ミリも動けない。瞳孔だけが開いている気がする。「ん……!」 蓮さんは、私の唇に自分の人差し指を当てた。 そして耳元で「本当はこれ以上のことをしたいんですが、周りに人も多いですし、続きはあとにしましょうか?」 そう囁いた。 彼の吐息と低い声で、ゾクゾクしてしまう。 これ以上のことってもしかして……。 キス以上のこと?いや、まだちゃんとキスしていない。 まだほっぺだった。 今度は唇にってこと? 彼の指の感触が唇に残る。それだけで顔がまた熱くなるのに。 蓮さんは私の身体を起こして、車の座席を元に戻す。「マッサージ気持ち良かったです。またお願いするかもしれません」 そのあとは、いつもの彼だった。 帰る時間の方が圧倒的に短く感
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