All Chapters of 運命の輪~愛してる~: Chapter 41 - Chapter 50

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優しすぎる彼 2

 泊っていきたいけど、下着とかどうしよう。 そんなことを考えていた。「夕食がてら、買い物に行きますか?」 そういえば、私も居酒屋で結局ジュースしか飲んでいなかった。「この時間だと、ファミレスとかになっちゃいますけど大丈夫ですか?」「はい!」 蓮さんと近くのファミレスで夕ご飯を食べ、私のアパートに連れて行ってもらい、荷物を詰め込み、彼の車に戻った。「お待たせしました」「いえ。じゃあ、帰りましょうか?」 帰りの車の中「もし美桜が嫌じゃなければの話なんですが……」 蓮さんが何か言いにくそうにしている。「何でしょう?」「着替えとか美桜が泊まる時に必要なものがあれば、俺の家に置いてくれて構いませんから」「私の物を?」「使っていないボックスとか結構あるので、もし嫌じゃなければ」 蓮さんの家に私の小さな居場所ができることが嬉しい。「ありがとうございます。ぜひお願いしたいです」「良かった。じゃあ、帰ったら場所を教えますね。それに……」 それに?なんだろう。「美桜さえ良ければ、いつでも泊まりに来てもらって構いませんから」 いつでも?「仕事で遅くなる時もありますが、家に帰って美桜が居てくれたら。すごく嬉しいです。俺の願望ですが」 運転している蓮さんの顔を見ると、珍しく紅潮していた。 一人で蓮さんの家で過ごしていてもいいってことだよね。 私のこと、信じてくれているんだ。 「そう言ってもらえると嬉しいです。ありがとうございます」 いつでも……。必要とされているような感覚に陥る。  彼の家に着き、シャワーを浴びるともう夜中の一時すぎだった。 蓮さんのシャワーが終わるのを寝室で待っている。 寝室にあるボックスが空いているということだったので、私物用に一段借りることになった。 好きなように使ってくれたいいと言ってくれたけれど、私がいない時でもこのボックスはあるわけだから。蓮さんに見られても大丈夫なように、綺麗に整頓しておかないと。 どうやって配置しておけば、変じゃないかな……。 うーんと悩んでいると、蓮さんが部屋に入ってきた。  シャワーの後の蓮さんは、艶っぽい。 初めて見るわけじゃないけれど、少し濡れた髪の毛に部屋着姿、なんだか大人の男性って感じがして、ドキドキしてしまう。 彼は私の隣に座り「今度の土曜日と日曜日は
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優しすぎる彼 3

 蓮さんがにっこり笑っている。 なんだかとても嬉しそうだ。  私にできることは、なんでもしてあげたい。 蓮さんが無理やり変なことをお願いしてくることなんてないだろうし。「もちろん、私でできることであれば」「それも楽しみに考えます」 「遅くなってしまいましたね。そろそろ寝ましょうか?」「はい」 返事をして布団の中に入ろうとした。 しかし途中で止め、蓮さんの方を向く。「どうしました?」 私は、となりに座っている彼に近づき、唇にチュッとキスをした。「おやすみのキスです」 いつからこれほど積極的になったんだろう。 昔の自分だったら絶対に考えられない。 愛おしい、そんな感情を教えてくれたのは蓮さんだったから。「おやすみなさい」 自分からキスをしておいてだけど、キスに慣れたわけじゃない。顔が熱い。それに動悸もする。照れていることを隠すため、私はおやすみなさいとあいさつをして、スッと布団の中に入った。 恥ずかしくて、布団の中に頭ごとすっぽり入っちゃった。 これもこれで変な子に思われるかな?「美桜?」 蓮さんに名前を呼ばれたため、布団から顔を出す。「俺もしていいですか?おやすみのキス」 彼の人差し指が私の唇に触れる。 指の感触が唇に伝わる。 蓮さんからもキスされたい。「はい」  蓮さんが私の唇に軽く触れるくらいのキスをした。 目を開ける。 彼の表情が一瞬、曇ったような気がした。 おやすみなさいと言って、電気を消そうとしていた彼の手が止まり「旅行まで極力我慢をしようと思っていましたが、やっぱり無理でした」「えっ?」 蓮さんに引き寄せられ、もう一度キスをされる。 先ほどのキスとは違う、重めのキスだ。 蓮さんの舌が口の中に入ってくる。「んっん……。はぁ……」 必然と吐息が漏れる。 蓮さんの舌が柔らかくて、気持ち良い。「ふっ……。んっ……」 チュッと室内にキスを音が響き、なんだか気分も高揚する。 もっともっとしていたいと思っちゃうけれど、蓮さんは明日も仕事だから。 我慢しなきゃいけないよね。「蓮さんっ。あした……は……しごと」「……そうですね。すみません。わかってるつもりなんですが、うまくコントロールが最近できなくて。こんなに求めてしまうのは、初めてです」「私も蓮さんと。もっとしてたいです。だけ
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優しすぎる彼 4

 朝食を食べたあとは、蓮さんは仕事、私は大学ということで、蓮さんにアパートまで送ってもらった。 大学まで送ってくれると言ってくれたが、そこまで頼めないし、時間も間に合ったため断った。「美桜」 車から降りるとき、蓮さんに名前を呼ばれた。「はい?」 振り返ると、キスをされた。「行ってらっしゃいのキスです」 昨日はいろいろあったけれど、一瞬で幸せな気持ちになれる。 大学に行き、優菜に昨日のことを話した。 メッセージだけだと詳しく説明ができなかったから、とりあえずお礼だけはして「明日話す」と伝えてあったんだ。「優菜!昨日はありがとう。助かったよ」 学内で優菜の姿を見たら、思わず抱きついちゃった。「大丈夫!?ケガしなかった?大変だったんでしょ?」 バカな私なのに、優菜は心配してくれている。 優菜に抱きつきながら、頷く。 ラウンジに移動して、優菜に詳しく真帆ちゃんについて話をした。「優菜がいなかったら、私いまごろ、学校に来てないかもしれない。本当にありがとう」 優菜に話しているうちに、昨日の状況がどんなに危ないことだったんだろうってもう一度考えさせられる。優菜と蓮さんがいてくれなかったら、私、すごく傷を抱えることになっていたと思う。一生消えないような傷を。 「だからあんな女なんて、信用するなって言ったのに!」 優菜は最初は心配してくれていたけれど、怒りもあるようで、思いっきり頬を抓られた。「いててて。ごめんなさい」「学校ではしばらく私から離れちゃダメだからね」 「うん……」 私も真帆ちゃんと会ったら正直どんな風に接すればいいかわからない。 蓮さんは知り合いの弁護士さんに相談するって言ってたけれど。 とりあえず私からは何もアクションは起こすなって言われている。 「それにしても、黒崎さんって何者?」 優菜が頬杖をついた。「何者ってどういうこと?」  蓮さんは、普通の会社員って聞いているけれど。「美桜が危ない時にいつも助けてくれるし、今回のことだって私に連絡をくれるくらい事前に予測してた。普通にケンカに勝てちゃう。カッコいいし、優しいし……」 私はその通りだと思い、うなずきながら聞いている。 「どうしたら、そんな人と出会えるんでしょう?羨ましすぎるんですが」「えっと……。私にもわからない」  蓮さんと出
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優しすぎる彼 5

 蓮さんは、どんな感じのものが好きなんだろう?「真っ赤じゃん、紐だけじゃん!隠せるところないじゃん」 世の中の大人の女性って、こんなに面積が少ない下着を着ているの?「えー。いいと思うんだけどな。黒崎さんの趣味がわからないから。あんな爽やかそうな顔しているのに、実は派手な方が好きだったりして。それか、黒崎さんのイメージ通り、純粋っぽいやつが好きとか」  自分の提案するものがすぐ却下になるため、優菜もだんだん悩み始める。「うーん。黒崎さんってどんなのが好きか知っている?」「蓮さんの好みの下着なんてわからないよ」 好みがわかったら、こんなに長時間悩んだりしない。「じゃあさ、聞いてみようよ。美桜が聞きにくかったら、私が聞いてあげるから」  優菜がスマホを取り出す。本気で聞き出そうとしているから怖い。「ダメ!そんなこと聞けないよ」 「せめて、好きな色とかわからないの?」  蓮さんの好きな色は……。「それならわかるかも!」  蓮さんの家で話をしていた時「俺の好きな色ですか?」「はい。蓮さんの家、すごく落ち着いた雰囲気なのでやっぱり黒とか好きなんですか?」 蓮さんの部屋はモノクロやブラウンで統一されていてシンプルだから。 そんなことをふいに聞いてしまったことがある。 それに、今後のプレゼントの参考になるかもしれないと思って。「そうですね、家の中はブラックとかブラウン系で統一していますけど。好きな色は、ブルー……。青ですかね」「どうして青色が好きなんですか?」 そういえば、蓮さんが青のネクタイをしているの何回か見たことがある。「青は幸せな色……と祖母から教わっていました。幸せの青い鳥とか。ヨーロッパでは結婚式の時に青を身に着けると幸せになれるという言い伝えもありますよね。美桜、サムシングブルーって聞いたことありますか?」「あっ、なんか聞いたことあるかもしれません」 青は幸せな色……か。「蓮さんの好きな色は青だよ」 二人で青い色の下着を探す。「これ可愛くない?」 「うん、可愛い!」 二人で意見が合ったものを即決し、購入をした。 本当は、ピンクとか女の子らしい色の方が良かったのかな。 優菜の言う通り、もっと大胆な色とか。 蓮さんは喜んでくれるだろうか? いや、そもそも、私の下着を見て喜ぶ蓮さんが想像ができ
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旅行 1

 土曜日、旅行の当日になった。「忘れ物ないかな?」 ベッド周辺を見渡す。 メイクもしたし、髪の毛も整えた。 あとは蓮さんからの連絡を待つだけだ。 約束の時間が近づき、スマホをじっと見てしまう。 メッセージが届き、開くと蓮さんからだった。<アパートの前に着きました><今すぐ行きます> 返事をして、アパートの鍵をかける。 車の外で蓮さんが待っていてくれた。「荷物、重くないですか?」  一泊二日の荷物にしては、かなりの量になっちゃった。 あれもこれもと心配になってしまい、ボストンバックはパンパン状態だ。 蓮さんは軽々と私のバックを持ってくれ、車のうしろに置いてくれた。「何か、出しておいた方がいいものはあります?」「あっ、大丈夫です。必要最低限のものは、こっちのバックに入れたので」 財布、スマホ、必要な化粧道具などが入ったバックは別にした。 となりにいる蓮さんを見る。 私服の彼は、まだ見慣れない。 薄手のジャケットに無地のインナー、スキニージーンズ。 カッコいいな、そう思ってしまう。「今日も可愛いですね」 私の巻いている髪の毛を触り、蓮さんが褒めてくれた。 なぜ、恥ずかし気もなく言えるのだろう。「可愛くないです」 小声で返答する。たぶん、私の顔、今真っ赤だ。 車に乗り、蓮さんがハンドルを握る。「さあ、行きましょうか?」「はい、お願いします」 車が動き出した。「飲み物あるんで飲んでくださいね」 ドリンクホルダーを見ると、飲み物が置かれてあった。「ありがとうございます」 私の好きな紅茶、今日はアップルティーとストレートティーだった。「また半分こしますか?」 その一言に私の顔が一気に紅潮する。 やっとさっき触れられたドキドキが減ったと思ったのに。 私の様子を見て蓮さんは笑っている。「好きな方、飲んでいいですからね」 彼の一言一言にまだドキドキしてしまう私は、本当に恋愛に対する免疫力がないと思う。「今日の泊まるところは前に行った海岸の近くなんですが、お昼ご飯はまた違うところで食べようと思います。夕食は、別荘を貸してくれた緑川先輩に挨拶をしたいので、先輩のレストランを予約しました。大丈夫ですか?」「大丈夫です。ありがとうございます。またあんなに美味しいご飯が食べれると思うと、すごく嬉しいです」 
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旅行 2

「わぁ。海だー!」 車の窓から海が見える。 もうそんなに車に乗っていたのかな。 都内から離れたところに来ていたんだ。 車のナビゲーションを見ながら「もうすぐ、着きますよ」 蓮さんが教えてくれた。 目的地の水族館、土日ともあり混雑していたが、待つことなく駐車することができた。  車を駐車させる蓮さん。 うしろを向く蓮さんもカッコいいと思ってしまったが、運転は優しいし、切り返しを何度もすることなく一回でバックで駐車できるし、なんでこんなに何でもできてしまうんだろうかと思う。 私の視線に気がついたのか「どうしました?」 彼は首を傾げた。「運転も上手だなって。駐車もすぐ出来ちゃうしすごいなって」 蓮さんはふふっと笑って「思ってもいないところで褒められると嬉しいですね。じゃあ……」  じゃあ?続きはなんだろう?「ちゃんと運転できたご褒美を下さい」「えっ?ご褒美」 それはそうだよね。 ただ乗っているだけの私と長距離を運転している蓮さんでは不公平だから。「わかりましたっ!何か買ってきます!何飲みますか?珈琲とか?」 彼は俯き「すみません。意地悪をするつもりはなかったんです。そういう意味ではなくて……」 そう言って蓮さんは自分と私のシートベルトを外し、私を少し引き寄せ唇にキスをした。「……!」 「ご褒美、もらいました」  私のキスなんかが蓮さんにとってはご褒美になるの? 「あの。えっと」 なんて言っていいのかわからない。 言葉が出てこなかった。 蓮さんはキスのことは気にせず「行きましょうか?」 ニコッと笑ってくれる。  水族館の中に入り、順路通りに回ろうとした。 家族連れ、カップル、混雑をしていたが、入場制限はかかっていないみたい。良かった。「美桜……?」 どっちに進むんだろうと看板を見ていた私の名前を呼び、蓮さんが手を繋いでくれた。 蓮さんの手、大きい。私、手汗とかかいてないかな。 なんだかカップルっぽい。 いや、付き合っているんだから、手を繋いで歩いても問題はないはず。 手を繋いでいることに集中をしてしまっていたが、しばらくすると蓮さんがいろんなことを話してくれるから慣れてきた。「あっ、蓮さん!あの子可愛い」  私が見た魚はクマノミという魚だった。「あそこの後ろに、タコが隠れ
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旅行 3

「もう限界ですーー!くすぐったいーー」 結局、五分間は耐えることができた。 体験コーナーから出て来て、一人反省をする。「ごめんなさい。私、お客さんの中で一番うるさかったかもしれないです」「大丈夫ですよ。みんな声をあげて驚いていましたから。それにしても、俺の腕に必死にしがみついてくる美桜の姿が可愛かったです。あんなにも美桜にギュって腕を掴まれたことがなかったので。新鮮でした」  蓮さんは思い出したかのように再び笑っていた。「俺、久しぶりかもしれないです。あんなに声を出して笑ったのは」 どちらかというと、蓮さんはクールで大人な印象だったから。 あんなに笑ってくれることもあるんだ。 「イルカショーの時間が近いんですが、見に行きましょうか?」「はい」 混雑していたため、後ろの席になってしまったがそれでも充分に堪能できた。 「イルカって頭が良いんですね!わぁ、すごい」  トレーナーの指示に従い、水飛沫をあげたり、回転しながらのジャンプは圧倒的だ。「すごいすごい!」 こんなに心からはしゃいだのは、久しぶりだった。「蓮さん……?」 ふと彼を見ると、蓮さんは私を見ていた。「えっ?ごめんなさい。うるさかったですか?」「いえ、美桜を見ていた方が面白くて」 そんな真っすぐ見つめられると、恥ずかしい。「変な顔してました?」 彼はクスっと笑って「そういう意味じゃないんですが。見ていて飽きないし、可愛らしいから」「蓮さんは、私に甘すぎです!」 先ほど見たハリセンボンのように、頬を膨らませて抵抗をする。 ああ、こういうのあざといって思われちゃうかな。 自然とやってしまった行動だけど、大丈夫だった? 蓮さんは私の心配ごとなんて気にせず「俺が甘くするのは、美桜にだけなんですが……」 蓮さんは、私の頬を指で押した。「よく冷たいと言われるのですが、他の女性にも優しくした方がいいですか?」 他の女の人に優しくするのは、正直嫌だ。 蓮さんに珍しく意地悪な質問をされた。 この間、真帆ちゃんが抱きついていただけで取り乱してしまったのをまだ覚えてる。 素直に伝えてもいいの? <別に大丈夫です。信じていますから>って言った方が大人なの? だけど気持ちに嘘はつきたくはない。「蓮さんが他の女の人に優しくするのは嫌です」 私の顔が急に
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旅行 4

「美桜、ぬいぐるみが欲しいんですか?」 ぬいぐるみをじっと見ていた私に蓮さんが話しかけてくれた。「いえ、あの。可愛いなって思っていただけですよ。ああ、そうそう!優菜のお土産買わなきゃ!何がいいと思いますか?」 話をはぐらかした。 きっと「欲しい」と言ったら、蓮さんは買ってくれると思う。 そんなこと、私には言えない。運転までしてくれて、計画も立ててくれて、チケットまで買ってくれたり、宿泊先の手配までしてくれた。「優菜さんのお土産ですか?無難にクッキーとかどうでしょうか?あっちに可愛らしい缶に入ったものが売っていましたよ」「本当ですか?見に行ってきます。蓮さんは、誰かにお土産とか買わないんですか?」 そうですね……と一言呟いたあと「会社に買って行くべきかもしれませんが、仲が良い同僚も特にいないので」「じゃあ、みんなで食べられるたくさん入ったお菓子とかどうでしょう?疲れた時、甘いもの食べると気分転換になりませんか?それって私だけですかね?」「そうですね、じゃあ、買っていくことにします。あと、俺からも、優菜さんにお土産買わせて下さい。この間、お世話になったので」「ありがとうございます。それは優菜も喜ぶと思います」 蓮さんからお土産なんて、優菜に渡したら大きな声を出して喜びそう。 きっと私が選んだものより、喜ぶんじゃないかな。 想像ができちゃうから、面白い。 二人で優菜にお土産を選んだ。「お手洗いとか大丈夫ですか?これからまた車に乗るので」  途中で我慢するよりは行ってきた方がいいよね。 「あっ、すみません。ちょっと行ってきます」「美桜。荷物、持ちますよ」「ありがとうございます」 トイレに行ってからも、蓮さんは私の荷物を持ってくれた。 当たり前だと言うが、そんなに優しくされたことなどないため、申し訳なく思う。 逆に中学校くらいまで「東条、荷物持ってよ」なんて先輩に言われたこともあったから、不思議な感覚だ。 車に戻り、昼食場所へ向かう。「蓮さん、疲れてないですか?大丈夫ですか?」 運転席に座る彼に問いかける。「疲れてないですよ。すごく楽しくて。お腹は減りましたか?次は海鮮が食べられるお店に行こうと思っているんですが、魚で苦手なものとかありますか?」 蓮さんが、車のナビゲーションを設定している。 確かに水族館で思っ
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旅行 5

 夜じゃなく、お昼にこんな場所でキスされているのに、気持ちよくて何も考えられなくなりそう。「はぁ……。見られ……んん!」 本当は止めてほしくないけれど、誰かに見られるのではないかと思ってヒヤヒヤする。 それもまた気持ちよさの材料になっているのかな。 私、どうしちゃったんだろう。蓮さんにははじめてのことばかりされて、自分が変わっていく。「んんっ、蓮さん?」「あとは、今日の夜にとっておきますね」 彼の一言に鼓動が速くなる。 なんて返事をすればいいの。 キス以上のいやらしいことを考えちゃうよ。 彼と海辺を歩く。 海水は冷たいけれど、この前よりも波が穏やかな気がする。 隣では蓮さんが手を繋いでくれている。この前来た時は、こんな近い未来に蓮さんとまた来れるなんて思ってなかったな。「来年は、ゆっくり泳ぎに来ましょうか?」 まだまだ先だけど、来年もずっと蓮さんと一緒だと思うと嬉しい。「はい!」 「おう!よく来たね。待ってたよ!」 気づけばもう夜になり、私たちは蓮さんの元上司、緑川さんが経営をしているレストランを訪れていた。 海が見えるテーブル席に案内してくれる。 夜景が綺麗だな。 きっとここ、特等席だよね。蓮さんだから、緑川さんが配慮してくれたんだろう。「今日は別荘、ありがとうございます」「勢いで購入したんだけど、あんまり使ってなくてさ。建物自体は綺麗だから安心して。ゆっくりイチャついてくれ」 緑川さんのストレートな言葉に、なんて返事をしていいのかわからなかった。とりあえず、笑って誤魔化してしまう。「美桜ちゃんって言ったっけ?この間見た時より可愛くなった気がする。黒崎の効果か?」 蓮さんのおかげで女性としていろいろ気にするようになったけれど、そんなに変われたかな。自分ではわからない。「美桜は、昔から可愛いです」 蓮さんが代わりに答えてくれた。「ちょっ、蓮さん。そんなことないですよ?」 緑川さんは、あはははと笑って「黒崎がそんなこと言うなんてな。会社のやつが聞いたらびっくりするぞ。こいつ、女性社員に冷たくて有名なんだから。美桜ちゃんにマジベタ惚れだな。面白い。恋愛の話なんて会社で一緒だった時も聞いたことなかったくらい、イケメンだけど恋愛には不向きな男だと思ってたくらいだよ」 蓮さんが冷たいところなんて想像ができないん
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旅行 6

 どこに行くんだろう。 ある扉の前の電気を点ける。 あれ?ここって?「緑川さんが教えてくれたんです。ここが一番夜景が綺麗に見える場所らしいんですが」 すごい、露天風呂だ。「すごい!お家の中に露天風呂があるなんて!すごいですね!」「それで。お願いというのは、この景色をお風呂に入りながら美桜と一緒に見たいなと思いまして?」「もちろんです!見ま……」 途中で言いかけ、止まってしまった。 よく考えて発言すべきだったよね。 蓮さんと一緒にお風呂に入るってことになるんだ。 嫌じゃない、嫌じゃないけれど。 裸になるってことだよね。水着とか持ってきてない。 タオルとか巻いて入っても良いのかな? いや、それでも身体を洗う時はタオルを取らなきゃいけないよね。「やっぱり嫌ですよね?」 蓮さんも困った顔というよりは、寂しそうな顔をしてる。「海に入るわけでもないのに、水着を持ってきてほしいと伝えることもできず。ただ、この夜景を一緒に見たくて」 蓮さんは、軽い気持ちで一緒にお風呂に入りたいなんて言う人ではない。 相当、私に伝えるのも勇気が必要だったよね。 蓮さんの性格なら、きっと伝えるのずっと悩んでいてくれたんじゃないかな。「嫌じゃないです!ただ、やっぱりちょっと恥ずかしくて。タオルとか巻いて入ってもいいですか?」「はい。もちろんです」 お風呂から自然にベッドへ……。なんて流れにはならないのかな。 漫画とかの見過ぎかな。 キスはしたことがある、今日だって蓮さんとのある意味で初めての夜を迎えることを想像してきているのだから。 お風呂に入って、夜、二人っきりになったらその流れでベッドへ……。 っていう想像を何度かしちゃった。 付き合っているんだ。それに私は蓮さんのことが大好きで。怖いとかそんな感情は一切ない。  蓮さんは言いにくいだろうから「じゃあ、お風呂に入る準備をしますか?」 私から彼に提案をしてみた。 彼は少し顔を赤くさせたまま「はい」 返事をした。 可愛い。蓮さん、顔が赤くなっている。 「俺、先に入って身体を洗っているので、ちょっとしたら来てください」「はい。わかりました」 蓮さんとの初めての旅行で、一緒に露天風呂に入ることになるなんて。 もちろん、緊張をしている。 露天風呂っていう雰囲気が素敵だ。 蓮さ
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