美しい皇帝のもとで、ひそかに血と陰謀にまみれた事件が起きていた。 ここは、龍虎帝国の宮殿内にある女官たちの寮。 私、雪華が蒼龍《ツァロン》皇太子とその部屋に入ったとき、まず目に飛び込んだのは床に転がる血まみれの死体だった。 年配の女官は腹を大きく切られているらしく、そこから流れ出た大量の血が、床に血だまりを作っている。 虚空を見つめる瞳には、すでに光がない。 室内に漂う濃い血の匂い。 死体を見て、私は思わずぶるっと震えた。 「シュエファさん……壁を」 若き皇太子殿下の怯えたような声を聞き、私は顔を上げて壁を見た。 白い壁に書かれた血の文字。 被害者の血、だろうか。赤黒く変色した血で、こう書かれていた。 『次は、お前だ』 それは警告だろう。お前が誰を指すのか。そんなのひとりしかいないだろう。 何せ殺された女官は皇太子殿下に仕えている女官だから。 「また僕のせいで……」 皇太子殿下の悲痛な呟きが聞こえてくる。 宮殿内で起きた二度目の殺人。 狙いが皇太子殿下なのは確かなようだ。 それが始まったのはずっと以前からだろう。 今から十二年前―― 街は華やかに飾られて、色んな色の服を着た女性たちが歩いてる。 今日は新年。 帝都では、宮殿で新年の一般参賀、っていうのが開かれる。 「シュエファ、はぐれないようにね」 お母様が、私の身体をそっと引き寄せる。 十歳の私には周りの人皆大きくて、埋まってしまいそうだった。 だから私はぎゅってお母様にしがみつく。 私もお母様も、姉妹たちも皆着飾って宮殿へと向かう。 紅の上衣に、薄紅のスカート。お母様が私の髪を結ってくれて、つまみ細工のお花のかんざしをつけてくれた。 皆がおしゃれ、する理由は新年のお祝いで皇帝陛下がおでましになるからだって 私がこの一般参賀に参加するのは初めてだった。 だから今、すっごくドキドキしてるの。皇帝陛下、どんな方なんだろう。 綺麗な皇帝陛下。偉大な皇帝陛下って皆呼んでるから、私、すっごく楽しみなんだ。 私はわくわくしながらお母様たちと一緒に一般参賀の列に並ぶ。 周りにいるのは大人の女性ばかりだった。だからかな、すっごくいい匂いがした。 だってこの国、女の人ばっかりなんだも
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-07 อ่านเพิ่มเติม