「私はもうあなたから罰を受けたわ。妻として、女として、自分がとても惨めに思えるほど苦しんだ。子供だって失った。それなのにまだ私を苦しめようとする。その原因は何なの?本当におば様のことだけなの?」暁春からの返事はない。「もしそうなら、はっきり言うわ。おば様が、私を自由にしてくれたの。私はもう孤独じゃない。孤独を誤魔化すためにあなたに縋って、あなたの手の上であなたの愛を欲しがっていた私は、もういないのよ」-(孤独を誤魔化すため…)優希の言葉が頭を殴りつけた。それはつまり、優希は心の全てを暁春に渡していたわけではないということ。ただ寂しい心を差し出して、暁春に慰めてもらっていただけ。そこに愛はあったのか。(彼女は、俺を愛していなかった)優希の孤独感につけ込んだのは確かだ。自分だけが、優希が安心して傍にいられる存在だと思わせた。そうやって手に入れた初恋の女性。暁春は彼女への愛を認められずにいながらも、向けられる温かい愛に夢中だった。だから復讐のための結婚と言いつつ、四年という長い時間、優希との生活を壊せなかった。しかしそこにあったのは暁春が求めているような情熱的な愛ではなく、孤独を埋めてくれる相手に流されて生まれた情だったのだ。自分が愛している人には同じだけ愛されたいもの。そもそも自分が優希に愛されていた過去が無かったと思うと、暁春は世界が崩壊したように感じた。「あなたは有美ちゃんのことを愛しているんでしょう?なら、憎い女に付きまとっていないで、それこそずっと一緒にいれば良いじゃない」電話口では優希の声が続いている。しかし今の暁春は、全身の血の気が引いて、座っていることも辛かった。-(まただんまりなのね…)以前、老夫人が愚痴をこぼしていたことがある。「おじいさんも暁春も、都合が悪くなるとすぐだんまり!」
Last Updated : 2026-09-20 Read more