All Chapters of 白月光は妹?私が死んでから元夫は泣いて後悔しました: Chapter 221 - Chapter 222

222 Chapters

221話 かつての自分※※次回は11月1日に更新します

(あ、暁春を呼んだら面白いことになるかも) 有美は空港で見た見窄らしい姿の暁春を思い出し、愉快そうに口元を歪める。 本人が気づいているかは知らないが、暁春は優希に情を持っていた。 優希は随分将生と親しくしているようだから、それを知った暁春が勝手に暴走して、優希の生きがいごと壊してくれるかもしれない。 (腐ってもまだ井竜家の後継者よ。金も権力もまだあるわ) かつて心の底から欲しかった男は、今や有美にとって優希への嫌がらせに使える駒でしかなかった。 有美は上機嫌に鼻歌を口ずさみ、優希と将生が子供たちを抱いて睦まじく歩く写真を暁春に送った。 - 有美はあの夜以降、姿を見せていない。 それが少し不気味でもあったが、人間慣れるもので、徐々に勉強の方に集中することができた。 結果として、将生がテスト勉強を見てくれた先日のテストで良い点数を取ることができた。 優希が通う学校では、実習は月替わりで各科を周る。 今の実習先は内科病棟で、そこで優希は新しく転科してきた入院患者につくことになった。 「実はその人、飛び降り自殺を図った人らしいの」 優希に説明していた看護師は、声をひそめてそう言う。 飛び降りたビルに遺書があったらしい。 「三滝さん、成績も良いし患者さんからの評判も良いでしょう?今回は少し対応の難しい患者さんについてもらおうと思ってるんだけど…どう?大丈夫そう?」 断る理由などない優希は「はい」と頷いた。 「精神科とも連携を取っているし、今のところ強い興奮状態なんかは見られていないわ。基本的に私も一緒にいるから安心して。それから――」 そのほかにもいくつか注意点を説明され、優希がいつもより多い注意点を頭に留めている間に、担当看護師が扉を開けた。 四つあるベッドのうち、三つはカーテンが閉まっている。 そのうちの一つのベッドには見舞客が来ているようで、楽しげな声が聞こえる。 「ここよ」 優希が担当する患者はその隣のベッドで、窓際だった。 カーテンを開けると、一瞬死体かと思うような男が横たわっていた。 金髪が窓からの光に輝き、ぼんやりと開いた瞳は青い。 やつれているが、高い鼻梁やくっきりとした二重、髪と同じ金色のまつ毛に縁取られた目元が、本来はとても魅力的な容貌をしていることを教
last updateLast Updated : 2026-10-16
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222話 夫婦とは

「せっかくだから夕飯食べていく?」優希は自宅の駐車場で将生の車から降りる時、運転席の将生を振り向いて聞いた。テスト勉強を見てもらって以来、将生との距離が以前より縮まったような気がして、自然と食事に誘うことが増えた。別によりを戻したいというわけではない。どうしても大人の手がほしい時もあり、子供たちも喜ぶので、節度ある距離感を気にしつつも、自分の図々しさに目をつぶっている状態だ。ただ、今日はそれとは別に、将生の車で送ってもらったため、何かお礼をしたい気持ちもあった。「じゃあお邪魔しようかな」将生がシートベルトを外して車から降りる。「最近は子供たちも落ち着いてきて、助かるわ」「おばあさんが意地悪で居なくなったわけじゃないってわかったんじゃないかな」エントランスへ向かう道すがら、二人は取り留めのない会話を楽しむ。優希は気に留めていないが、楽しそうに子供の話をしながら並んで歩く姿は、傍から見れば夫婦のように見えた。突然、優希は嫌な気配を感じ、勢いよく後ろを振り向いた。最近は有美への警戒心も薄れ、以前のように辺りを警戒しながら歩くことは無くなった。しかし今、思わず身震いするほどの強い視線を感じたのだ。将生もすぐに警戒して優希が見つめる先に顔を向けた。不自然な物音がしないか耳をすませるも、それらしいものは何も聞こえない。後ろでドアが開く音がした。優希は視線を外に向けたまま、ゆっくりと、エントランスの開いたドアへ歩いていく。「優希ちゃん!」すると先に前を向いた将生が険しい表情で、優希の名前を呼んだ。それに弾かれたように自分が進んでいる方向へ顔を戻すと、突然視界が真っ暗になり、すぐに何かに腰のあたりを締め付けられた。困惑する間もなく、鼻腔を掠めた、記憶に深く刻まれた香りに、優希は体を捩る。「またあなたなの!?離して!!」力の限り体を動かすと、意外
last updateLast Updated : 2026-11-01
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