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Semua Bab 空に墜ちる: Bab 21 - Bab 30

54 Bab

10.着地点

 真壁の部屋は、相変わらずなにもない。 否──。「百合緒さん、箱は……?」 若桐の写真と、歪んだリングが入っていた、あの箱が無い。「写真はアルバムに移して、リングはケースに入れた」 さらっと返される。「いいのかよ?」「終わったことだと、言っただろう」 真壁はブレザーの上着を脱ぎ、ネクタイを外してハンガーに掛けている。 白鳥はその背後に近づくと、Yシャツごしの背中に触れた。「やっぱり、百合緒さんの背中、すごく綺麗だ……」「おい、シャツを脱いでからにしろ」「なんで?」「シャツまでクリーニングに出すと、高く付く」 真壁の答えに、白鳥は笑った。「急に、生活感出まくりじゃない?」「普通だろう?」「百合緒さんって、日常だともしかして天然?」 クスクス笑いながら、白鳥は手を伸ばすとシャツのボタンを外す。 真壁は、最初それを追い払おうとしたが、白鳥が諦めないので諦めた。 Yシャツの下はアンダーシャツ。 ウエストのベルトを外して、スラックスも脱がせる。 少々興ざめ感はあったが、先の〝クリーニング〟の話から、真壁が服が汚れることを気にしているらしいので、それらをきちんとハンガーに掛けた。 もちろん、白鳥の服も掛けるよう言われたので、真壁にハンガーを借りて壁に掛ける。「若桐さんとは、秘密の恋人同士だったの?」「なぜ、そんなことを聞く?」「秘密の恋人同士なら、きっと恋人らしいイベントとか、してないんでしょ? 俺はもう訓練生じゃないから、百合緒さんの初めての恋人イベントの権利ゲットかなって」「恋人らしいイベントって、なんだ?」 本気で眉を寄せて問うてくる真壁に、白鳥はますます嬉しそうに笑った。 天然……どころか、どうやらこの教官殿は、冷徹の仮面を外すと、かなりのぼんくららしいことに気付いたからだ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-01
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§

 足の付根に唇を這わせながら、白鳥は真壁の反応をジッと観察していた。「ふ……あ…………っ」 白鳥の指先が、閉じた場所に触れた瞬間、真壁はびくりと全身を震わせる。「緊張してます?」「そうじゃ……なくて……」 少し逡巡したあとに、真壁は恥ずかしそうに口を開いた。「おまえ、今日はローション持ってないのか?」「そりゃ、こんな素敵なことになるなんて思ってませんでしたし。そもそも、卒業式の式典に出るのに、制服にローション入れてるの変でしょ?」「……確かに……」 それからまた少しの逡巡のあと、真壁は手を伸ばすと、ベッドサイドからベビーオイルの瓶を出してきた。「……使うか?」「なんで、ベビーオイルが?」「市販のクリーム類を使うと、痒くなるんだ」「百合緒さん、ベビー肌だ!」「莫迦っ!」 白鳥はオイルを手に取ると、そっと真壁の肌に塗る。 それから、閉じた場所の回りを円を描いて触れた。「ん……」「ここ、触られただけで感じちゃうんだ」「ふざけるな……」「全然、ふざけてないし。むしろ、俺の指で感じてくれてるの、嬉しい」 滑った指が、真壁の中をかき回す。「あ……っ、……あっ……っ!」「百合緒さん。ここ、好きだよね?」 頭が振られ、真壁は快感を否定するかのように、シーツを掴んだ。「百合緒さん、感じるの、悪いことじゃないよ?」「わか……って…………、んあぁ…&helli
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-02
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11.エピローグ

 シャワーを済ませた真壁は、Yシャツを羽織って窓辺に立っていた──やっぱり、何度見ても、綺麗だ。 あとからシャワーを浴びた白鳥は、そこでその後姿をつくづく眺める。「百合緒さんって、ほんと背中美人っすよね」「なんだ、それは……。背中しか見るとこがないのか?」 振り返った真壁は、不思議そうに眉を寄せている。 その反応に、思わず白鳥は笑みをこぼした。「逆です。背中が一番、全部出てるんですよ」 歩み寄り、そっと背中を抱く。「俺が全部を、守ってあげたいって、思っちゃいますね」「なんで、おまえに守られなきゃならないんだ?」 ますます意味がわからないと言いたげな真壁に、白鳥はニヤッと笑った。「それが、恋ですよ。百合緒さん」「意味がわからん」「俺、最初の任地は浜松になりました」「そうか」「連絡先、交換してもらえます?」「ん……? ああ、そうか……」 答えて、真壁はデスクの上からスマホを手に取った。「その様子じゃ、スマホは目覚ましアラーム以外に使ってないんじゃないんですか?」「そんなことはない」 開いたメッセージアプリにズラッと並んでいるのは、仕事関係の名前ばかりなのがひと目で分かる。 だが、そのことに白鳥はあえてつっこみを入れなかった。「浜松になったからって、そう頻繁に会えると思うなよ」 メッセージが使えるようになったことを確認したところで、真壁が言った。「だって、それほど遠くないでしょ?」「仕事を甘く見るな。恋愛にかまけて疎かになるようなら……」「わかってますよ、鬼教官殿。ちゃんとします」 白鳥は、ジッと真壁の顔を見つめたあとに、うなじに手を回して引き寄せ、やんわりと唇を重ね合わせる。 真壁は、その温度に──自分が安堵を覚えていることを自覚した。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-03
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2-1.教官・若桐守

 訓練の終わった夕暮れ時。 連休前とあって、訓練生の大半は帰省している。 教官室の窓から眺める滑走路の向こう、赤く染まった雲がゆっくり流れていた。 どこか、気の抜けた静けさだ。 もちろん、教官たちもあらかた出払っている。 部屋の中には俺ひとり。普段の喧騒が嘘みたいに、がらんとしていた。 俺──若桐守は、教官室で冷めた茶をすすりながら、窓の外をぼんやり眺めていた。 要するに、職員室だ。 整然と並んだ机の上には、それぞれが〝片付けたつもり〟の痕跡が残り、湯沸かしポットは所在なげに置かれている。──静かだ。 待機要員って名のハズレくじを引いて、留守番役。 だが、こうして誰もいない基地も、嫌いじゃない。 三十五にもなって独身。 実家に帰っても肩身が狭い。 恋人がいないのは、まあ、いろいろ事情があってのことだ。 長く続かない性分なのに、家族には「ワーカホリックもいい加減にしろ」と言われる。 女に逃げられた傷をわざわざ抉られる趣味もないから、実家からはどんどん足が遠のいている。 そんなとき──控えめなノックの音が聞こえた。「開いてるぞ」「……失礼します」 その声に、振り返るまでもなかった。 聞き慣れた、訓練生特有の丁寧な口調。 そしてその中でも、ずば抜けて律儀なやつ──真壁百合緒。 今期の訓練生の中で、座学はトップ。 実技は……残念ながら、上位に食い込む止まりだが──。 今期の連中は体力バカ揃いだ。 普通に考えれば、充分〝優等生〟だろう。「どうした? 連休に帰らなかったのか?」「はい。実家は、あってないようなものですから」 ああ、そういえば──。 保証人欄には、母方の叔母夫婦の名前があった。 両親はすでに亡くなっている、と聞いた。 そういう経歴の人間は、た
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-04
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2-2:真壁百合緒

 俺の部屋は十帖ほどのワンルーム。 ミニキッチンとユニットバス、それに作り付けのクローゼット。 支給品のテーブルとベッドという、教官の単身者用としては標準仕様だ。 少々雑然としているのは、俺の〝人となり〟が出ているからだが。「座ってろ。ちょっと、いいもん出してやる」 ミニキッチンの戸棚から紅茶葉の缶と、ブランデーのボトルを取り出す。「酒はダメか?」「……いや、飲めなくは、ないです」 少し遠慮がちな返事に、俺は思わず笑みを漏らす。「リラックスするには、ちょっとくらいのアルコールが効くからな」 ポットの湯を注いで紅茶を蒸らし、ブランデーをティースプーンに一杯。 香りづけするのにちょうどいい量だ。 ふんわりと立ちのぼる香りは、休日の午後のように柔らかかった。「ありがとう……ございます」 真壁は、両手でカップを持って口をつける。 口数は少ないが、飲むほどに目の力が和らいでくるのが分かった。 挙動も、さっきよりはずいぶん落ち着いている。「どうだ?」「……香りだけで、ちょっと、頭の後ろがぽかぽかします」「効いてきたな。俺の調合、悪くないだろ?」「はい……。なんか、ちょっとだけ、心臓が……うるさい、です」 その言葉を口にしてから、真壁はすぐに慌てたように「いや、紅茶の香りのせいです」と付け加えた。 時計の針が静かに音を刻む中、ようやく彼が口を開いた。「教官、……少し、相談したくて来ました」「ん?」「実は、同期に〝背中が貧弱〟だと言われまして……。もともと筋肉がつきにくい体質なことは悩んでいたんですが……それを、他人から指摘されるほどなんだと……思ったら、なんだか…&helli
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-05
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§

 俺は、少し考えてから言った。「よし、そこまで言うなら、その〝貧弱な背中〟ってのを、俺に見せてみろ」「えっ……?」 真壁が、目を丸くして固まる。「悩みの内容はわかった。だが、どこがどう問題なのか、実際に見なきゃ判断できん。筋肉のつきにくさなんてのは、見てみないとわからんもんだ」「……確かに、そうですね」 彼はふっと表情を緩めて立ち上がると、小さく頭を下げた。「……じゃあ、その、……ご査収ください……」 そしておもむろに、フライトスーツのジッパーを下ろして、脱いだ。 中には白いTシャツ。ためらいもせず、裾を掴んで頭の上まで引き上げ──。 するりと、それも脱いだ。 その瞬間──。 俺は、息を呑んだ。 真壁の体は、たしかに筋骨隆々とはいかない。 けれど、そういうことじゃなかった。 なめらかな肩甲骨のライン。 両肩をつなぐ細い骨の下に、繊細な筋肉の織りなす陰影が浮いている。 派手な厚みはない。 けれど、無駄のない引き締まりがある。 日焼けした肌に、若さと清潔さの熱が滲んでいて……。──なんだ、これは。 ひとことで言えば〝美しい〟。 だけどそんな言い回しじゃ収まらない、息を飲むような色気があった。 真壁が呼吸をして、静かに動いているから〝生きている〟ことが分かるが、そうでなければ完璧な像のようだ。 思わず俺は、その背中に触れていた。「──っ?」「あ、すまん」 真壁の背中がぴくんと反応し、不思議そうに背中越しに振り返ったことで、俺は我に返る。「わかった。もう、服を着ていいぞ」「え……、わかったって、なにが分かったんですか?」「だから、もういいから服を着ろ」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-06
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2-3:天然爆弾

「……すみません。僕、……なにか、失礼なことを……」 ああ、違う。 違うんだ、そうじゃない。 しかし言葉が出てこない俺を見て、ますます真壁は沈んだ顔になった。 分かってる。 こういう自己肯定感が低いやつは、相手の反応一つですぐにもメンタルが墜落するんだ。「いや……だから……、その〜。おまえの体がエロすぎるから、しまえって言ってんだよっ!」 なんかそれっぽいことを言おうとしたけど、もう脳が追いついてなかったらしい。 思ったことがそのまま口から出ていた。 真壁はポカンと口を開けたまま固まっている。「僕の……体に……。なにか良い点があるんですか?」「……は?」 なんで〝エロい〟って言葉が〝良い点〟に変換されてんだよっ!「あの、貧弱な背中でも、なにか任せられると感じられるポイントが作れるなら──」 真壁が、こちらを見上げた。 やめろっ! そんな、上目遣いですがってくるな!「……たとえば、どうすれば〝誰かの支え〟になれるか、僕は、ちゃんと……知っておきたくて」 分かってる。 真壁のそれはただの従順ではなく、飽くなき探究心だと。「じゃあ、まずはそこに真っ直ぐ立って……」 内心の混乱をよそに、俺は真壁の背後に回った。──これは……、これは中学生の保健体育の授業だ。そうなんだぞ、俺! 深呼吸をしてから、真壁の背中に手を当てる。「まずここ。肩甲骨の可動域が広い。腕の使い方が自然に滑らかになる」「……はい」 ピシッと背筋を伸ばした背中は、まさに〝匂い立つ〟ような艶か
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-07
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2-4:教官の意地

 ハッとなって、俺は真壁から手を離し、飛び退いた。「す、すまん真壁!」 だが、びっくり顔の真壁は乱れた前髪をかきあげるような……、とんでもなく色っぽい仕草で、俺を見た。「すみません。教官に、失礼をしました」「いや、失礼なことは、なんにもしてない! むしろ俺のほうが」「……あの、教官」「なんだ?」「さっきのアレって、なんですか?」「さっきのア……」 こ……こいつ……。 これで誘ってないって、マジか……? ……ほんとに、わかってないのか? 俺の理性が壊れてるだけなのか……? いや、まて。 これは訓練生と教官の一線を越える行為だ。 真壁の発言に、俺の思考はその瞬間、マジで一秒の間に全部のセリフがいっぺんに脳裏を過っていた。「ああいうことして、気持ちが良かったと思うのって、おかしいんでしょうか?」 俺は〝部屋のどこかにカメラが仕込まれていて、俺のナニカを試そうとしてるんだろうか?〟とか全くありえないことまで考え始めた。 本気で──。 真壁は本気で、なんにも知らないのだ。 それはさっきの会話から、もう分かってた。「お……おかしかないと思うぞ。男なら、普通に……」「そう……なんですか?」「ああ」 数秒の間──。「……あの、ご指導をお願いできますか?」 ……死んだ。 ……俺の教官人生は、今、この瞬間に爆散した。 だが、俺が黙っている時間が長くなればなるほど、真壁の自己肯定感の数値が減っていくの
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-08
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2-5:ちゃんとした男

「じゃあ……、教えてください。どうしたら、僕も教官みたいな、ちゃんとした男に、なれますか?」 その言葉が、どこまでの意味を持っているのか、本人は分かっていない。 だが、俺にはわかってる。 さらに言えば、俺には真壁のこの態度の根底が透けて見えていた。 体格の悩みとか、童貞とか、そんな話ではない。 こいつには、〝誰かに頼ってもいい〟という経験が決定的に足りてない。 俺は真壁の手を取ると、そっと萎えたところに触れさせた。「こういうの、全然やったことないのか?」「ありません。すみません」「謝るこっちゃねえよ」 距離が近い。 息遣いが伝わってくる。 真壁の手は、微かに震えていた。「……やり方は、見せながら教える。いいか、真壁」「はい」 その返事があまりに素直で──。 ある意味、俺はなにかがどうでもよくなった。 むしろ、この無防備なぼんくらに、こういうことをちゃんと教えて、自衛が出来るようにさせなきゃ駄目……みたいな、かなりめちゃめちゃな〝教育者の心〟になったのかもしれない。 自分でも驚くほど、淡々と手順を指導しはじめていた。 ゆっくりと、俺は真壁の手を導いていく。 その指先が、俺に触れ──そして俺の手が、彼の体へと戻っていく。 なぞって、押して、温度を測るように──。 生徒の体と、教師の指導。 でもどこか恋人のように──。「……あ……っ」 真壁の喉が、小さく震えた。「遠慮するな。今は、声出していいからな」「……い……今は?」「普通は、他人に見られちゃまずいんだから。一人でこっそりやれ」「は……はい……」 俺を見る真
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-09
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2-6:初めてのキス

 真壁は、ぐったりと俺の腕に身を預けていた。 浅く揺れる吐息、湿った額。「……大丈夫か?」「なんか……ふわふわします」 上気した頬の色と、濡れた前髪がやけに色っぽい。 だが、まぶたがふと開いて、黒い瞳と目が合った瞬間──。 もう、視線を逸らせなかった。 潤んだその目は、わずかに揺れながら、まっすぐにこちらを見ている。 ピンク色の唇はうっすらと開き、わずかに濡れていて──。 その吸引力に、俺は抗いきれずに口づけた。 触れた瞬間、真壁の体は驚いたように震えたが。 俺が下唇を唇でやんわりとついばむと、逃げずにそこに留まった。 そして、歯列を割った俺の舌をおずおずと迎え入れ。 やがてたどたどしく、俺の動きに応えるように動き始める。 やわらかく、あたたかい。「……ん……っ」 まるで初めてのキス。 いや、真壁にとっては、まごうことなくそうだったに違いない。 背中に回された腕が、俺の服をぎゅっと掴む。 拙くても、そこには確かな熱と意志があった。 俺の唇に、真壁もまた貪るような動きで応えている。 その感触に、俺の中の理性は──、音を立てて崩れていった。「……真壁」 名を呼んだ瞬間には、もう倒れ込んでいた。 俺は真壁を抱いたまま、そっとその体を横たえさせる。 何かが静かに、始まってしまったことを、俺は知っていた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-10
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