ビジネスホテルの一室。 真壁と隣り合って、コンビニ飯をつまみながら他愛のない会話を交わす。「それで教官殿、どう返事したんですか?」「どうもこうもない。校庭20周を追加した」「相変わらず、厳しいなぁ!」 あははは……と笑った白鳥の肩に、真壁が頭を預けてくる。「……えっ……? 教官殿、どうしたんです?」「別に。……寄り掛かりたくなっただけだ」 今までに、真壁がこんな風に〝甘えて〟くれたことはない。 心臓が跳ね上がり、緊張のあまり動きは少しカクカクしていたが──。 それでも、真壁の肩に腕を回した。 探るように視線を向けると、真壁もこちらを見ている。 慌てて顔をそむけたが、肩に回した腕は外さなかった。「……貴雄」「はいっ! ……えっ? 今、名前……」 ベッドの中で、熱に浮かされた時以外に、名を呼ばれたことはない。「きょ……教官殿?」 狼狽える白鳥に返事をせず、真壁は身を乗り出すと、そっと白鳥の唇を吸った。 ドクンっと、更に心臓が跳ねる。 けれど──。 胸に添えられた真壁の手を握り、体を引き寄せてキスを返す。 真壁は、そのまま白鳥の腕に身を任せてきた。「急に、大人びた……」「いや、俺は出会った時から大人ですよ?」 真顔で返すと、真壁がクスクス笑う。「粋がってる子供だった」「ひどいなぁ」 もう一度キスをねだると、真壁は素直に応じてくれた。 確かに通い合う体温と呼吸。 唇が離れたところで、真壁は再び白鳥の肩に頭を預けた。「三沢は、遠いな」「F-15なら、30分くらいですよ」
Zuletzt aktualisiert : 2026-03-03 Mehr lesen