一条先生から渡されたクリーム。「愛沢さんの為の特別な配合だよ」一条先生にそう言われた。特に使用の制限は無く、気になったら何度でも使って良いという。少しお高い気もしたけれど、美しさには変えられない。私はサロン・ド・オーキッドの女王なんだもの。家に帰ろうかとも思ったけれど、どうせ帰っても誰も居ないのだし、私はそのままサロン・ド・オーキッドに向かった。迎えてくれるスタッフたちは私を本当の女王のように扱ってくれる。私専用の部屋。そこに入って私は服を脱ぎ、妖艶な下着姿になる。全身を映す鏡に向かい、全身をチェックする。(うん、今日も完璧だわ)そう思ったけれど。やっぱり一条和輝に指摘されたからなのか、目元のシミが気になって来る。一条クリニックで買ったクリームを取り出す。真っ白なクリームは私のシミを抜いてくれる筈だ。お化粧をしていても、その上から塗布できると一条和輝は言った。私はそのクリームを指先に乗せ、目元のシミに塗り込んで行く。◇◇◇~仕掛け、完了~そうメッセージを送って、俺は一息つく。「悪いが、少し抜けるよ」スタッフにそう声を掛けて、俺はクリニックの奥にある、自身の個人オフィスに入る。うちのクリニックには数人の医師が常駐していて、俺が一人抜けるぐらいは余裕がある。椅子に座り、大きく息をつく。鼻の下に塗ってあった高嶺遼大から送られて来ていた軟膏を拭き取る。(本当に油断も隙もあったもんじゃないよな……)そう思いながら笑う。今日の愛沢くるみも、サロン・ド・オーキッドで会った時のように甘い香りを漂わせていた。高嶺遼大からはその香水に仕掛けがあるとは聞いていたから、警戒はしていたが。俺は愛沢くるみとはほぼ面識は無い。大学時代、学部でも優秀な学生として有名だった久遠湊が連れて来た、ものすごく可愛い子が居ると聞いて、興味が湧いた俺は、高嶺遼大に連れられ、その可愛い子を見に行った。そこに居たのが愛沢くるみだった。俺は幼い頃から両親が美容整形外科だった事もあって、目が肥えていた。だから愛沢くるみを見て、一目で“養殖”だなと分かった。その場に一緒に居た佐伯燈の方は、いわゆる天然の美人だ。誰の手も掛けられていない、生まれながらの美人。俺は密かに二人を見比べ、本当に天は残酷だなと思ったものだ。かたや作られた体のライン、飾られた虚飾の女……かたや天然の美人で、飾
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