今まで私は幾度となく、体を美しくする為に施術を受けて来た。胸を豊胸し、二重にして。そういった施術にはダウンタイムがあって、その間、外には出られなくなる。完全に人に知られずにそれをやり遂げて来られたのは、ダウンタイム中は人に会わないからだ。今までは森崎の家の人間にも知られずに部屋に籠る事は不可能だった。何故ならお母様が居たから。でも今、お母様は療養で家に居ない。普段から森崎のお父様には良く思われてなくて、通常であれば接触など無い。つまり今回のシミ取りのダウンタイムは森崎の家で過ごせるという事だ。使用人に見られたって、そんな事はどうでも良い。どうせ彼らの言う事なんて、誰も聞かないのは私自身が良く知っている。シミ取りのダウンタイムは長くなると半月にもなる。最初の三日程はレーザーを当てた箇所にかさぶたが出来たりして、一番、人に見せられない状態だ。そしてまさに今、顔に貼ったテープの下でそれが起こっている。手鏡でそんな顔を見ながら私は痛みに耐える。くるみ、これを乗り越えれば私はまた美しくなるわそう自分に言い聞かせる。◇◇◇愛沢くるみはサロン・ド・オーキッドの経営や運営に関わっていない……。それを加山良江から聞いて、皆がそれぞれに何かを考えているようだった。「確かに愛沢くるみは女王のように振る舞い、スタッフも皆、愛沢くるみの言いなりのように見えますが、それは彼女が売り上げを上げているから、というのと、太い客を掴んでいるからというのが大きいんです」加山良江がサロン・ド・オーキッドの内情を話してくれる。「私自身、サロン・ド・オーキッドでは娼婦の一人というだけなので、それ程詳しくは無いですが、それでもサロン・ド・オーキッドの中では古株なので、見ないようにしていても、見てしまう事もあります」それはそうだろう。遼大も私も湊も加山良江の話は知らない世界の話だ。「サロン・ド・オーキッドがずっと愛沢くるみを女王として来た訳ではありません。歴代の女王は他にも居ます。そこはクラブのナンバーワンと同じです」売り上げが高い人間がナンバーワンとして君臨する世界……。「私がサロン・ド・オーキッドに入った時には愛沢くるみは既に女王でしたので、いつから女王となったのかは分かりませんが、ここ数年は確実に女王の座をキープはしています」経営や運営に愛沢くるみが絡んでいるなら、それ
Last Updated : 2026-05-11 Read more