愛沢くるみが通されていた部屋は、ホテルのバックヤードにある、小さな小部屋だ。そこには監視カメラがついている。その監視カメラの名像を見られる部屋に入る。いわゆる警備室だ。一流ホテルの警備室なんて普通の人間なら絶対に入れない場所。そんな場所に案内される遼大は、本当に一体、何者なんだろうと思いながら、警備室の中の一角に案内される。総支配人は私たちに椅子を勧め、タブレットを持って来て、監視カメラの映像を見せてくれた。 小さなバックヤードの小部屋に入れられた愛沢くるみはテーブルと椅子しか無い部屋に通され、椅子に座っている。見た感じ、それ程、不安に駆られる様子も無い。 「本当に厚顔無恥なのか、肝が据わっているのか」 遼大がそう言って笑う。 「こちら側で把握しているのは、当ホテルにお泊り頂いている真壁様のお部屋での窃盗、及び、居座りでございます」 総支配人にそう言われて私は聞く。 「窃盗?」 そう聞くと総支配人が頷く。 「はい、真壁様より、ご指摘がございました」 そう言いながら総支配人は手元のスマホを操作する。 「報告によれば、当該人物は真壁様の腕時計一点、ブレスレット二点、ネックレス二点、ピアス一点、それ以外にも真壁様に無断でルームサービスをお頼みになりまして、高級シャンパン一本、アペタイザーをお召し上がりになっています」 総支配人はそう言いながら眼鏡をクイっと上げる。 「ルームサービスだけでも総額30万ほどです」 そう言われて私は遼大と顔を見合わせる。 「……払えない額では無さそうね」 私がそう言うと。遼大が笑う。 「そうだな」 私たちはこんなコソ泥程度の罪で愛沢くるみを警察に突き出す気は無かった。愛沢くるみはもっと他に大きな罪をいくつも犯しているだから。 「総支配人、ここは彼女自身にお金を払わせて手打ちに出来ませんか」 そう遼大が聞くと総支配人は微笑む。 「高嶺様がそう仰るのなら。こちらとしては大ごとにしたくは無いですからね」 それはそうだろう。こんな高級ホテルで窃盗騒ぎなんて、ホテルの評判に関わって来る。 「真壁さんとは僕たちが話をつけましょう」 遼大がそう言うと総支配人は微笑んで言う。 「はい、ではよろしくお願い致します」 そう言って頭を下げる総支配人に遼大が聞く。 「それで真壁さんは?」 総支配人が言う。 「別の
Terakhir Diperbarui : 2026-07-24 Baca selengkapnya