「ちょっと……!」私がそう言うと小娘が言う。「その人は良いの、お通しして」言われた男たちは私を怪訝そうに見つめて、仕方なくといった感じで通す。「御爺様、彼女は私を助けてくれた人なんです」小娘がそう言って私を御爺様に紹介する。(そうよ、良い調子だわ。偉いわね、小春)そう思いながら私は御爺様の前に進み出る。「愛沢くるみと申します」そう言うと御爺様は私を一瞥し、言う。「そうか、孫が世話になったな」そう言って小娘を連れて歩き出してしまう。(え? それだけ?)そう思いながら私は追いかける。(ちょっと! 小娘! 何か言いなさいよ!!)そう思っていると、小娘が言う。「御爺様、お時間少しで良いの、小春の為に少し時間を頂戴」小娘がそう言うと御爺様は歩みを止めて言う。「じゃあ、個室を」そう言って片手を上げると、御爺様を囲んでいた数人の男の内の一人が一礼してフロントへ駆け出す。すぐに用意された個室。小さな応接間のような個室に入る。「御爺様、お電話でも言ったけれど、私と遼大さんを結婚させてくれるって言ったでしょう?」一番最初に小娘がそう言って切り出す。御爺様は個室のソファーに座って言う。「小春、座りなさい」そう言われて小娘が座り、私もそれに続こうとすると、御爺様が片眉を上げて聞く。「あなたには言っていないが?」(は? 私は立っていろ、と言うの?)そう思って小娘を見ると、小娘が御爺様に向かって言う。「さっきも言ったけど、くるみさんは私を助けてくれた人なの、御爺様」可愛い孫に言われて落ちない御
Last Updated : 2026-07-04 Read more