僕は問診を始める。「じゃあ、愛沢さん。いくつか質問しますね」僕はタブレットを見ながら愛沢くるみに質問する。「愛沢さんはレーザー治療後のダウンタイム中でしたが、どのようにお過ごしを?」僕がそう聞くと愛沢くるみが俯く。「どうしても出なければいけない用事があって、外に出ていました……」小さな声でそう言う愛沢くるみに僕は大袈裟に驚いて見せる。「外に出たんですか?」愛沢くるみは僕に縋るように言う。「でも! 大きなつばの帽子を被って、なるべく紫外線は避けたんです……」愛沢くるみの目元は前にも増して、そのシミが濃くなっている。僕はそんな愛沢くるみに言う。「お帽子で紫外線を避けていたとしても、反射する紫外線があるんですよ……レーザー治療した後のお肌は通常時よりも、いつにも増して気を付けなければならないのは、ご存知でしょう?」きっと今までの愛沢くるみなら、何よりも自分自身を優先していただろう。だからこそ、その体は維持されている訳だから。一体、愛沢くるみに何が起これば、こんなに焦るんだろうか。僕は大きく溜息をついて言う。「もう既に起きてしまった事は仕方ありません。これからの事を考えましょう」僕がそう言うと愛沢くるみが頷く。◇◇◇意を決して送ったメッセージ。私はその返信を気にしながら、あの悪魔の構造式と睨めっこをしていた。でもどうしても佐伯燈が分解した、その先が分からない。佐伯燈に出来て、私に出来ない……それをどうしても受け入れる事が出来なくて、私は奥歯を噛み締める。(こういう時はリフレッシュするに限るわ)私はそう自分に言い聞かせて私は立ち上がりかける。その時、消音にしていた私のスマホに通知を知らせるライトが光っているのが見えた。(返事が来たのね)そう思いながら私は座り直して、スマホを見る。~真壁くん、これは一体、どういうことだ?~そんな文言で始まっているメッセージは本宮啓二からのものだ。(どういう事って、何の話なの?)そう思いながら先を読む。本宮啓二からのメッセージには、私が送った佐伯燈に関する事が書かれている。現時点で私が知っている事を並べたものだ。そしてもちろん、今回の再編の原因となった千堂彰の事も書いてあった……筈だった。私が送り返されたファイルを開くと、そこに表示されているものは私が送ったものとはまた別の形式になってい
Last Updated : 2026-08-03 Read more