東都メディカルの正面玄関に到着する。正面玄関にはスーツ姿の数人の男性が私たちを待ち構えていた。遼大が先陣を切り、車を降りて、私に手を差し出し、エスコートしてくれる。私の後に賀神さんが降りて、私たちが立ち並ぶと、男性の中の一人が前に進み出て言う。「はじめまして。私は東都メディカル院長の御堂院と申します」恰幅の良い男性。御堂院と名乗ったその男性が、御堂院静香のお父様なのだろう。「EMSO最高責任者の高嶺だ」遼大は背筋を伸ばしてそう言い、御堂院氏を見下ろすように手を差し出す。二人が握手するのを見ていると、御堂院氏が言う。「先程は大変失礼致しました」そう言いながら苦笑する御堂院氏に遼大が聞く。「何のお話ですか?」そう聞かれた御堂院氏が言う。「娘とのお見合いの件です」そう言われて遼大がチラッと賀神さんを見る。(御堂院家のお父様がそう言うという事は、賀神さんの事を今もあまり良く思ってはいないという事かしら)私はそう思いながら二人を見る。「あぁ、その事ですか。私としては全く」そう言って遼大は私と賀神さんへ視線を向けると、御堂院氏に向けて言う。「彼女はEMSO臨床顧問の佐伯燈、私の婚約者です」私をそう紹介した遼大は驚いている御堂院氏を尻目に更に言う。「彼がEMSO日本支局の支局長であり、世界的な心臓外科のエキスパートの賀神怜です」御堂院氏が賀神さんに視線を向ける。「EMSO日本支局、支局長……」そう呟きながら、呆気に取られているのが分かる。「賀神のEMSO日本支局長就任は、つい最近、決まった事なんですよ」遼大がそう言って微笑む。「ご無沙汰しております」賀神さんはそう言って手を差し出す。御堂院氏がその手を取り、二人が握手する。「まさかEMSOに入局しているとは、思いもしなかったよ」御堂院氏の後ろには控えめに御堂院静香が立っている。「今日は急に視察を決めてしまって悪かった」遼大がそう言う。御堂院氏は気まずそうに微笑む。「いえ、うちはいつ来て頂いても」御堂院氏はそう言って私たちを中へ促す。「どうぞ」◇◇◇視察は順調に進み、残すは地下階への視察のみとなった。「地下階には何が?」遼大が白々しくそう聞く。「地下階は基本的に倉庫や精密機械の保管、ファイルの保管などですね」御堂院氏がそう言う。地下階へ向かうエレベーターに乗
Last Updated : 2026-10-03 Read more