「にゅ、入院!?とんでもないです……!」 髙野辺の言葉に、もみじは大慌てで両手をぶんぶんと振り、拒否をする。 「その……っ、家に戻って安静にしていますから。家に戻っても大丈夫ですよね、先生?」 「それは──……」 もみじに質問をされた医師は、困った顔で髙野辺を見やった。 焦ったように額に汗を滲ませ、助けを求めるようにチラチラと髙野辺を見る。 医師の視線を受けた髙野辺は、もみじを心配するように彼女に近付き、話しかけた。 「新島さん。入院した方がいいですよ。足の怪我もそうですが、あなたは額を切って血を流しているんですから。頭部も検査してもらいましょう?」 「──あっ」 そうだった、ともみじははっとする。 足の痛みが強く、すっかり忘れてしまっていたが、額をテーブルの角に打ち、流血していたのだ。 もみじが頭の怪我を思い出した事を悟ったのだろう。 髙野辺は医者に素早く指示をしてしまう。 「先生、脳神経外科も予約してもらっていいですか?」 「分かりました、髙野辺さん。では、すぐに手続きをして参りますね!新島さんも髙野辺さんと一緒にこの部屋でお待ちください!」 「あっ、先生──!」 整形外科の医師は、髙野辺の言葉を聞くなり一目散で個室を出て行ってしまう。 もみじは物凄い速さで出て行ってしまった医師に呆気にとられ、ぽかんとしてしまった。 「新島さん、他に辛い所はありませんか?」 「髙野辺さん……」 にっこり、と笑みを浮かべて話しかける髙野辺に、もみじは引きつった笑みを返す事しか出来なかった。 ◇ 数時間後。 もみじは、脳神経外科の診察を受けた。 CTやMRIは、個室では受けられない。 結果を待ち、何の異常も見られない事が分かり、ほっと安堵したもみじは、車椅子を髙野辺に押してもらいながら個室に戻ってくる途中だった。 「髙野辺さん、こんな遅い時間まで付き合わせてしまって……本当にどうお礼をすれば……」 「気になさらないで下さい、新島さん。怪我をしている人を手伝うのは当然です」 髙野辺の優しい言葉に、もみじが笑顔で言葉を返そうとした時──。 廊下を進むもみじの耳に、ふと聞きなれた声が入った。 「胡桃、本当に大丈夫か?お前は意識を失っていたんだ。1日くらい入院していた方が──」 「大丈夫よ、誠司さん。私なら大丈夫だから、お姉
Zuletzt aktualisiert : 2026-02-03 Mehr lesen