玄関から続く廊下に、警察官2名が居る。 その事に、もみじは一瞬言葉に詰まり、足がピタリと止まった。 だが、警察官2名の表情は柔らかく、そしてどこか──申し訳なさそうな感情を宿していた。 もみじはきゅっと小さく拳を握り、警察官に頷いて返す。 「──はい。私は玖渡川 もみじ。玖渡川 耕三と、玖渡川 ルリの孫です」 「お身内の方は──」 「私以外に居ません」 「そうですか……。それでは、今回の轢き逃げ事件について、お話をさせていただきます」 「分かりました……」 車椅子に乗ったままの耕三を、髙野辺が抱えて居間に移動する。 ルリがキッチンで人数分のお茶を用意して、警察官の前に置いた。 警察官はお礼を口にすると、グラスに口を付けてお茶を飲んでから話し始める。 「──まず、この度の事故でお怪我を負われた事、お見舞い申し上げます。お体の調子はいかがでしょうか?」 「……見て分かるだろう?骨折はそう簡単には治らない。それで、話とは何だ?」 耕三は素っ気なくそう答え、本来の話をしろと促す。 警察官は悩むように視線を揺らしたあと、話し始めた。 「……今朝、本轢き逃げ事件の犯人が自首しました」 「──何だと!?」 耕三は、驚きに目を見開く。 ルリには犯人が自首した事を伝えているが、耕三にはまだ話せていない。 退院手続きや移動で疲れていた耕三に、車の中で説明はできなかったのだ。 家に帰ってから改めて話をしようとしていたのだが、警察官が先に来てしまった。 ルリがそっと視線を落とす。 その姿を見た耕三は、僅かに目を見開いた。 「……犯人が自首した事を知っていたのか?」 耕三の言葉に、ルリは肩を落とし頷いた。 「──ええ。私も知ったばかりよ」 「そうだったのか……。それで、犯人は誰だったんだ?」 耕三の言葉に、警察は姿勢を但し告げる。 「轢き逃げ犯は……新島 誠司、23歳。男性です」 「──っ!?」 「犯人は、とても反省しています。お2人を轢いてしまい、当時は動揺してしまいその場を離れてしまったそうです。自分の行動をとても悔いていて、被害者の方に申し訳ない、と反省しています」 「──はっ。人を轢いて、逃げておきながら反省している、だと?信じられんな」 吐き捨てるように告げる耕三に、警察官は困ったように眉を下げる。 ルリが「お
Última atualização : 2026-10-02 Ler mais