「元気にしてた?」「なんとかね。そっちは? 特殊な任務を任されてるって聞いたけど」「色々大変だけど、元気にやってる」「そっか、よかった。どういう任務か知らないけど、あんまり無理しないでね」 自分の身を案じてくれる親友が嬉しくもあり、悲しくもある。カミリアの任務は確かに重要なもので大変ではあるが、戦場などに立つことはない。むしろ心配なのは、彼らの方だ。「ふたりは本当に仲がいいね」 ラウルに声をかけられ、彼の存在を忘れていた自分に気づく。カミリアとハーディは抱き合うのをやめると、ハーディはふたりの少し後ろに移動した。「申し訳ありません、ラウル団長」「いいんだよ。皆に会わせるために、カミリアを連れてきたんだから。そうそう、カミリアの鎧を運んでくれたのは、ハーディなんだよ」「そうなの?」 振り返ると、ハーディはコクリと頷く。そこにあるのは親友の顔ではなく、騎士の顔だった。少し寂しいが、自分も切り替えなくてはならない。「ラウル団長が、女性の部屋に勝手に入るのは気が引けるから、と」「そうだったのか。ありがとう、ディアス」「ふたり共、白々しいやり取りだって思わないの?」 騎士の顔に戻ったふたりに、ラウルが口を挟む。ふたりは同時にラウルを睨みつけた。「そういうことは言わないでください」 声を揃えて言うふたりに、ラウルは苦笑した。「ごめんごめん。さぁ、はやく皆のところに行こう」 すたすたと歩くラウルと一緒に訓練所に入ると、ひとりの騎士がカミリアに気づいて目を丸くする。「ケリー副団長!? 皆、副団長が戻ってきたぞ!」 カミリアに気づいた騎士が叫ぶと、彼らは稽古をやめて駆け寄ってくる。「ケリー副団長、寂しかったですよ」「また授業してほしいです!」「自分は手合わせを!」 我先にとカミリアの前に出ては、要望や想いを伝えてくれる騎士達が、微笑ましく、自然と頬が緩む。彼らの顔を見ただけで、帰って来られて本当に良かったと心の底から思った。
Zuletzt aktualisiert : 2026-02-02 Mehr lesen