重厚な扉が、内側から押し開かれた。軋む音が、やけに大きく響くとアリアが思ったとき、玉座の間の明るさがアリアの目をさした。(魔導灯の使い過ぎ! 高位貴族様の頭が眩しい!)目くらましが目的ならすごい読みだが、ふんぞり返った国王と王太子、そして値踏みするような目で自分を見るおじさん貴族たちを見て『それはない』とアリアは判断した。一方で、光の中に立つアリアの姿に、玉座の間に集う者たち、国王たちも貴族たちは息を呑んでいた。まさしく、聖女。清らかで儚い少女。だが、その一歩目で幻想が壊れる。しずしずという歩みではなく、ズカズカという闊歩。裾を引きずらないどころか、やや男前な裾捌き。視線は下げないどころか、国王から視線を外さない。左右の列席者には目もくれない。そして手には錫杖、過去の聖女もそんなものは持っていなくて手ぶらだったが、アリアの手には細い剣。「お、お待ちください」どこから剣を持ってきたのかと言えば、入口の扉を開けた近衛兵がさしていた剣だった。最近王宮では装飾多めの細剣が流行っており、これ見よがしに彼がぶら下げた剣はアリアにとっては『良いもの見つけた』だった。当初の目的では、カイムが腰に指している剣を借りる予定であったが、体躯のいいカイムに合わせて誂えた剣なので重い。カイム自身は背負っている大剣を使うから別に構わないと言うのだが、アリア自身は構う。重い剣は構えるのも大変。(よし、決まった)アリアは細い剣をピッと構え、切っ先を国王に向ける。剣飾りの煌びやかな房も、アリア好みだった。「止まれ!」段の手前、二人の近衛騎士が槍を交差させる。「これより先は、陛下の許可なき者は――」金属音が弾けた。いつの間にか抜かれたレオンハルトの剣と、フィンの剣がふたりの剣を弾いていた。近衛騎士はたたらを踏んで、しりもちをつく。かかされた恥に近衛兵の顔が赤くなると同時に 玉座の間が騒めき弾ける。「無礼であるぞ!」王太子セドリックが立ち上がろうとしたが、あっという間に切迫したアリアがセドリックの着ていたマントに剣を刺してその場に留める。「はじめまして、王太子殿下」アリアはにっこり笑う。美少女の微笑み。父親譲りの好色がにょきっと出てきて、セドリックは状況を忘れる。「待っていたぞ、マリア」兄三人は、妹の額に青筋が立つのが分か
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-03-03 อ่านเพิ่มเติม