そして、ついでに……。「こちらは、飾られているのはルクスハイムの国宝ですか?」父親世代と思しき白髪交じりの騎士に、アリアはそっと近づいて首を傾げた。上目遣い。わずかな距離。騎士の目じりは、一気に下がる。「ええ、そうですよ。こちらは建国以来の……」お父さん世代を転がすのは、昔からアリアの得意技だった。辺境では、父を筆頭に、父の部下たち相手に何度も使い、食べ物を中心に色々なものをせしめてきたものだった。いつもの調子で、少し甘え、大袈裟に尊敬してみせれば、彼らは誇らしげに語り出す。アリアは相槌を打ちながら、壁に掛けられた装飾品を観察する。金細工。宝石。古びた剣。(これはレプリカ……これは本物。あちらは……おおっ、あれは高く売れるわ)母エリスの手伝いで、異国の商人と値踏みをしてきた経験が生きていた。国宝は国の所有物であり、個人のものではない。だからこそ、国の歴史で、国の権威である。それを軽んじることは、誰にも許されていない。しかし、王家が見栄で飾っているものなら問題ない。その王家を滅ぼそうとしているのだ。そうなれば、元王家だった家でしかない。(これまでの悪政の償い、賠償金はちゃんと回収しないとね)ルクスハイム王国の金庫はほぼ空。革命後には多くの資金がいる。金の純度。宝石の透明度。加工の技術。売ればいくらになるか、アリアの目には値札がかかっているように見えた。(あれは五百枚……いや、七百枚はいきましょう。代わりに、こちらは三百程度にして……)いや、アリアが値札をつけていた。「王太子殿下は国でも一、二を争う宝剣のコレクタ
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