翌日の放課後。ナベは三年の佐々木と大道具作業をしていた。昨日休んだおかげか、体調が良いと感じる。一年のうちで「調子がいい」と思える日はそう何度もない。久しぶりに何もない日があったおかげかもしれないな、とあとは本番まで持ちこたえられるような気がした。「ベッドは基本的にナベくんが一人で作ってみなよ。たぶんもうできるから。俺はダメそうなベニヤの張替えしてるよ。困ったら聞いてね」 そう告げられ、ベッド兼階段の製作に入る。作り方はなんとなく想像がついた。椅子の作り方を少し複雑にするくらいだろう。骨組みの角材を作って、上面はコンパネ、側面はベニヤを貼る。とりあえず、失敗すると材料を無駄にしてしまうので設計図を作ることにした。といっても大道具用ノートに適当に書くだけの簡単なものだ。「佐々木さん、ちょっといいですか?」 設計図を作っていると疑問が湧いたので佐々木のところへ行くと、作業をやめて佐々木は顔を上げた。「うん、なに?」「階段のところなんですけど、ここの支柱、一本長い骨組みで作るのと、階段部分で切断して短いの二本をつなぐのと、どっちがいいですかね?」「あー、それは二本にするほうがいいね。長い骨組みにすると、グラグラしやすくなるんだよね。補強をいれるにしても、高さが出ると不安定になりやすいよ」「あ、そうなんですね。了解です」 方針は決まった。設計図を少し手直しし、製作に入る。骨組みに必要な角材とコンパネを倉庫から運び、部室前の廊下に置いた。まずはコンパネを切ることにした。実際に作っていると、設計図通りの長さにならないことが多い。だから調整が難しい材料に他の部品の長さを合わせたほうが効率がいい。コンパネは分厚くて切るのが難しいので、最初に作ることにした。 コンパネの切断予定部分に鉛筆で線を書く。それからビールケースの上にコンパネを乗せる。そして切り始めのところにのこぎりの持ち手側を当て、奥へ鋭く押し出す。こうすることで切り始めが安定しやすくなるためだ。できた溝に刃の中心を当て、のこぎりを挽き始める。力を入れて切り進んでいると、のこぎりが引っかかった。切断面が曲がるとこうして動かなくなってしまう。のこぎりを押し引きするとき、刃が
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