今回に限っては明言を避け、直接会って話すとだけ言ってきた。どうやら、かなり厄介な用件らしい。睡魔が襲ってきた。陽咲は首を横に振り、これ以上考えるのをやめた。目を閉じ、深い眠りに落ちた。翌日。陽咲が身支度を整えて一階へ食事に降りていくと、ちょうど直樹夫婦も身支度を終えたところだった。「陽咲、起きたのね?ちょうどよかったわ、ご飯にしましょう」明美がにこやかに言った。陽咲はこくりと頷き、「はい」と返事をして食卓につき、席に座った。ちょうどその時、怜央も降りてきた。彼は淡々と陽咲を一瞥しただけで、挨拶もせずにそのまま座り、黙々と食事を始めた。明美はそんな二人の様子を見て、一抹の不安を覚えた。どうも陽咲と怜央が喧嘩でもしているように思えてならない。彼女は歯痒そうに、悠然と食事を進める怜央を睨みつけ、陽咲に向かって笑いかけた。「陽咲、私と直樹はご飯を食べたら紬希ちゃんを連れて帰るからね。あなたと怜央の邪魔はしないわ。そうそう、子供のこともそろそろ本格的に考えたほうがいいんじゃない?紬希ちゃんも『家に子供が私一人しかいなくて寂しい』っていつもこぼしているのよ。それに、私と直樹も今は元気だから、あなたたちの代わりに直接子供の面倒を見てあげられるしね」明美は一気にそうまくし立て、期待に満ちた眼差しで陽咲を見つめた。陽咲はまたしても子作りを催促されるとは思わず、心の中で密かにため息をついた。断りたかったが、きっぱりと拒絶すれば明美に疑念を抱かれ、夫婦の間に干渉されるのではないかと危惧した。そうなれば、いざ離婚しようとした時にさらに厄介なことになってしまう。陽咲の頭はフル回転し、どうやって角が立たないように明美を断るかと思案を巡らせた。すると傍らにいた怜央が陽咲を一瞥し、助け舟を出した。「お母さん、俺はまだ父親になる覚悟ができていない。当分子供は作らないよ。それに、紬希一人だけでもあんなに手を焼いているのに、もう一人増えたら、それこそどんな手のつけられないやんちゃ坊主が生まれてくるか分かったもんじゃない。お母さんに耐えられるのか?」怜央自身、幼い頃は手のつけられないやんちゃ坊主で、明美と直樹には散々迷惑をかけてきたのだ。だが、それはそれ、これはこれだ。それでもやはり、明美はどうしても孫の顔
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