1分が経ち、蒼空はようやく返す言葉を見つけ出した。【前はいたけど、今は友達として付き合ってるよ】陽咲はそれが自分のことだと察してホッと胸を撫で下ろしたが、次の瞬間にはどっと気まずさが押し寄せてきた。実際のところ、ここ最近の蒼空が彼女に向けてくれる好意は疑いようもなく、数え切れないほど助けられてきたのだから。陽咲は昨日の午後のあのハプニング――彼の腕の中へ倒れ込んだ抱擁を思い出し、顔を熱くして、それ以上返信することができなくなってしまった。返信が途絶えた画面を見つめ、蒼空は陽咲が自分と距離を置こうとしているのだと思い込み、心の中でため息をついた。――まあいい。彼女を追い詰めるのはやめよう。自然の流れに任せるしかない。蒼空はそう自分に言い聞かせると、スマホの画面を消して社長室へ入り、椅子に腰を下ろした。そして、やり場のない苛立ちをぶつけるようにスマホをデスクへ放り投げた。……それから丸2日間、蒼空から陽咲に自発的なメッセージが送られてくることはなかった。陽咲は少し不安になった。これまでの蒼空なら、どんなに忙しくても、最近あった面白そうな出来事をわざわざメッセージで教えてくれていた。なのに、この2日間は一体どうしたというのだろう。一通のメッセージすら届かない。2日目の夜、ついに居ても立ってもいられなくなった陽咲は、探りを入れるように蒼空へメッセージを送った。【最近、どうしてる?】メッセージは送信されたものの、いつまで経っても返信は来なかった。きっと今日は早く寝てしまっただけだ。陽咲はそう自分に言い聞かせた。その夜、陽咲は遅くまで寝付けなかった。翌朝、目を覚ました陽咲が真っ先にしたのは、スマホのロックを解除し、蒼空からメッセージが届いていないか確認することだった。ない。陽咲はため息をつき、胸の奥にじわじわと広がる嫌なざわめきを覚えた。何かトラブルにでも巻き込まれたのだろうか?誰もが片時もスマホを手放さない今の時代に、丸2日間もスマホを見ないなんて確率は低すぎる。陽咲はアプリから蒼空へ音声通話をかけたが、呼び出し音が虚しく響くだけで、誰も出ない。立て続けに4、5回かけても、一向に応答はなかった。陽咲はすっかりパニックに陥り、顔を洗う余裕すらなく、慌てて雅也へ電話をかけた。「お兄
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