終業後、バッキンと一緒に大吉へ向かった。もっと他の人に噂されるかと思ったけれど、お局は私とバッキンの仲を言いふらしたりしていないようで、誰からもそれについては聞かれなかった。 よかった。変な噂になったらバッキンが気の毒だ。好きな子とうまくいかなくなっちゃうのは残念だし。「いらっしゃい!」 古風な大吉酒場の引き戸を開けると、元気のよい北都さんの声が出迎えてくれる。紀美さんと、昨日逃げかえった金さんがカウンターに座っていた。「あ、来た来た。里緒菜さん、どうぞこちらへ」 金さんがにこやかに自分の隣席をぽんぽんと叩いた。 作戦会議に出席してくれるのかな?「早速ですが、当ビルの3Fの店に来てくれませんか? あなたにピッタリのアイテムをご提案したいと思います」「ええっ……」 行っても大丈夫なのかな…。「心配しなくても、私もついていくから大丈夫だよ。カイも一緒に来てもらうし。ノリには店番しておいてもらうから」 不安そうな顔をしていた私を見て、北都さんがニッと笑ってくれた。「金曜日、婚活パーティーに潜入用の変身グッズがいると思ってね。金ちゃんのお店で安く買おうと思って」「そうですか。わかりました。では、北都さんも一緒に来てくださったら安心です」 変身グッズを買うために、3Fに移動した。 ――ざっざっざっざ、と階段をのぼる効果音。 3F・なんでも売買屋に到着。 ここが金さんのお店……! 普通のビルの3Fで、上がってすぐの所に『なんでも売買屋』と書いた大きな看板がどーんと置いてあった。わかりやすい。絶対に迷子にならない作りね。「いらっしゃいませ! ようこそなんでも売買屋へ!!」 金さんが張り切っている。水を得た魚のようだ。「パーティーに潜入するためのグッズなら、このドレスはどうだろう? 特別お安く10万円にしておくよ」「じゅっ……10万円ッ!!??」 値段高! デパートより高い!!「金ちゃん。ア
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