Home / 恋愛 / 復讐クエスト / Chapter 101 - Chapter 110

All Chapters of 復讐クエスト: Chapter 101 - Chapter 110

142 Chapters

復讐クエスト3 / LV3 勇者リオナ 05

 終業後、バッキンと一緒に大吉へ向かった。もっと他の人に噂されるかと思ったけれど、お局は私とバッキンの仲を言いふらしたりしていないようで、誰からもそれについては聞かれなかった。  よかった。変な噂になったらバッキンが気の毒だ。好きな子とうまくいかなくなっちゃうのは残念だし。「いらっしゃい!」 古風な大吉酒場の引き戸を開けると、元気のよい北都さんの声が出迎えてくれる。紀美さんと、昨日逃げかえった金さんがカウンターに座っていた。「あ、来た来た。里緒菜さん、どうぞこちらへ」 金さんがにこやかに自分の隣席をぽんぽんと叩いた。  作戦会議に出席してくれるのかな?「早速ですが、当ビルの3Fの店に来てくれませんか? あなたにピッタリのアイテムをご提案したいと思います」「ええっ……」 行っても大丈夫なのかな…。「心配しなくても、私もついていくから大丈夫だよ。カイも一緒に来てもらうし。ノリには店番しておいてもらうから」 不安そうな顔をしていた私を見て、北都さんがニッと笑ってくれた。「金曜日、婚活パーティーに潜入用の変身グッズがいると思ってね。金ちゃんのお店で安く買おうと思って」「そうですか。わかりました。では、北都さんも一緒に来てくださったら安心です」 変身グッズを買うために、3Fに移動した。 ――ざっざっざっざ、と階段をのぼる効果音。  3F・なんでも売買屋に到着。  ここが金さんのお店……! 普通のビルの3Fで、上がってすぐの所に『なんでも売買屋』と書いた大きな看板がどーんと置いてあった。わかりやすい。絶対に迷子にならない作りね。「いらっしゃいませ! ようこそなんでも売買屋へ!!」 金さんが張り切っている。水を得た魚のようだ。「パーティーに潜入するためのグッズなら、このドレスはどうだろう? 特別お安く10万円にしておくよ」「じゅっ……10万円ッ!!??」 値段高!  デパートより高い!!「金ちゃん。ア
Read more

復讐クエスト3 / LV3 勇者リオナ 06

  「倒産品の倉庫で仕入れたやつ、安く売って。わかった?」「仕方ないな……ちょっと待ってろ」 金さんは店の中の衣類コーナーに入っていき、ドレスとアクセサリーとウィッグとパンプスを持ってきてくれた。「全部で1万円ならどうだ。これなら文句ないだろう」 お洒落なブランドのドレスワンピース、アクセサリーにダークブラウンのゆるパーマウィッグ、ローヒールのビジューの付いたシャンパンピンクのパンプス。ぜんぶ可愛いっ…! それこそ百貨店でちゃんと売っていそうなもので、しっかり集めたら総額10万円は超えそうなものだ。「金ちゃんはやっぱセンスあるね。リオに似合いそう♪」 はい、試着して来て、と金さんから奪うように取った変装グッズ一式を押し付けられた。「ほんとうなら10万円は欲しいところだが、北都に法外なツケを払うなら、まだ1万円で売った方がマシだ」 金さんはぶつぶつ言っている。気の毒だけれども、10万円なんて大金は払えないのでありがたく仲間価格で買い取らせていただきます。 私は早速試着室に入った。 ――リオナは変装グッズを身に着けた! ――女子力が大幅にアップした!  装備したまま彼らの前に戻ると、北都さんが超絶褒めてくれた。「いやぁぁぁ、かわいい~~~~♡ リオ最高じゃん! イケてるよ!」「俺の見立て最高」 金さんはドヤ顔している。バッキンはどう思ったかな…?  そっと彼の方を見てみた。「ど…どうかな?」「か、かわいいと思う」 バッキンは口元を押さえ、ぷるぷると震えていた。ひゃっ…バッキンが照れてる! それって私を見てこうなったんだよね!  自分で言うのもなんだけど、装備品がいいから、なかなかの美女っぷりだよ!  いつものがさつな感じじゃなくなったもん。金さんありがとう!!「当日は大吉に寄ってくれる? しっかりメイクして、別人に仕上げるから。私に任せておいて」「あ、はい! 宜しくお願い致します」
Read more

復讐クエスト3 / LV3 勇者リオナ 07

  「じゃ、一旦解散しよう。リオ、当日そのグッズ持ってくるのは大変だから、金ちゃんの店に置いて帰りな」「はい。そうします」 私は更衣室で装備を外し、金さんに変装グッズを預けた。「金ちゃん、保管料1万円とか取ったらシメるよ?」「そ、そんなもの取るわけないだろう」 金さんは若干焦ったように言った。取るつもりだったのかな。「よかった。じゃ、リオ、金曜日ね。お疲れ~」 店内を出て1Fに戻った。大吉でご飯を食べて帰ろうと思ったけれど、団体客の予約があるからと断られてしまった。残念~!「せっかくだし、どっか入る?」「うん。お洋服代出してくれたから、私がなんかおごるよ」「いや、いい。俺がおごるよ。良かったらうまい焼き鳥でも食いに行くか。リオリオ前から行きたいって言ってただろ?」「行く!!」 最近オープンしたばかりの地鶏焼き鳥店、宮崎地鶏焼鳥屋・里美(さとみ)・秋葉原店にやって来た。湯島界隈で長くお店を続けてこられて、最近話題沸騰の『Imitation Love』効果で、SNSで大バズリ。秋葉原の路地裏に2店舗目をオープンされたようだ。ずっと行ってみたかったから、嬉しい! ラスト2席がなんとか空いていたので、横並びに着席した。店内は美味しそうなタレというか鶏肉が焼ける匂いが充満していて、最高にお腹を刺激してくる。とりあえずおすすめの盛り合わせと名物のつくねを頼んで、生ビールを注文した。  ああ、お腹空いた~!「生ビールおまち」 どん、と置かれた生ビールは、ふつうにおいしそうだった。ネットの口コミで『湯島店の店長がつぐ生ビールは泡が少ないから多めに入れろと頼んだ方がいい』って書いてあったけれど、こっちの秋葉原店は大丈夫みたいね。ほっ。「じゃ、かんぱーい」 ジョッキを重ねてかんぱいした。到着した焼き鳥盛り合わせを口に入れると、中でパラダイスが広がった。うま~♡ おいしい~!   「うまいな」「ほんとおいしい~♡」
Read more

復讐クエスト3 / LV3 勇者リオナ 08

 そうして日は経ち、決戦の金曜日となった。就業後、ふだんは長いミーティングをするくせに、今日の報告は必要最小限にお局は早々に帰る準備を始めている!(よーし…紀美さんが尾行してくれるから、今から退勤する旨連絡を入れてっと…) 紀美さんに連絡を入れようとスマートフォンを出し、メッセージを打っている途中でお局に呼び止められた。「武田さん」「は、はいぃっ」 焦って声がひっくり返った。えええ…もう帰るんじゃなかったの!?「あなたいつもいいボールペン持っていたわよね。今から出先で使うの。貸してちょうだい」 あああそれは紀美さんが貸してくれた小型カメラ内蔵ボールペン…ッッ!!  嫌だという前に、お局が勝手に私のスーツの胸ポケットに挿していたボールペンを抜き取ってしまった! ――リオナは小型カメラ内蔵ボールペン(レンタル)を失った! 「月曜日返すわ」 了承もしていないのに、悪びれもなく私物を勝手に借りたまま彼女はマーケティング部を出て行った。  ちょっ……! なんなのあの人ぉ――!! 私、ひとことも『貸す』なんて言ってないんだけど!!  最悪最低。今日の調査どうしよう…。金さんのところで結局なにか買うしかないの!?  わーん。なんとか仲間価格で安くしてもらうしかないッ!!(泣)   「はぁぁ盗られたぁぁぁぁ!!??」  紀美さんに借りた小型カメラ内蔵ボールペンを取られたことを大吉で北都さんに告げたら、雄叫びが響き渡った。「人の物勝手に取るとか、あり得ないね」 北都さんがボキボキと指を鳴らした。「こうなったらもう容赦しないよ。じゃ、まず証拠集めに足りないものは、金ちゃんの店で見繕ってもらおう。私、着替えたら向かうから先になんでも売買屋に行っておいて」「はい」 北都さんに言われたので、一足先に3Fへ。金さんがにこにこ顔で出迎えてくれた。
Read more

復讐クエスト3 / LV4 勇者リオナ 01

  「金ちゃん。俺からアコギな商売するなら、賃料20倍にするぞ」 北都さん男の人になってる……!  えええ…どういうこと? ――リオナは混乱している! 「待て待て。北都、里緒菜さんが混乱しているだろう。ちゃんとお前が男だって説明したのか?」「いや、これから」 男!?「里緒菜さん、北都はあんなナリして世間を騙しているが、本当は野太い怪力男なんだ。騙されるなよ?」「コラ。もっと紹介の仕方があるだろうが!」「ほんとうのことを言ったまでだ」 おおお…ケンカップルからいがみ合う男子たちになった……。「とにかく。金ちゃんの店で借りるなら、レンタル代は100円しか払うつもりない。嫌なら賃料100倍だ」「さっきより桁上がってるだろ。なんで賃料100倍も取られなきゃいけないんだ」「嫌なら出て行ってもいいんだぞ。俺のビルみたいに安く貸してくれるところがあればいいけどな?」「くっ……」 金さんが悔しそうに北都さんを睨んでいる!「背に腹は代えられない。……わかった。レンタル代100円で手を打つ。それでいいか?」「オーケー。そうこなくっちゃ♡」 バン、と金さんの肩を思い切り北都さんが叩いた。「~~~~~~ッテェ! 北都っ。お前は怪力がすぎる! 加減をしろもっと! 骨が折れるだろう! 治療費請求するぞ!」「どうせ損害保険とかいろいろ入っているんだろ。そっからもらえよ」 北都さん強い。 「さ。リオを綺麗にしよう」  メイクを整えてもらい、着替えてウィッグを被って潜入用レディーに変身完了した。北都さんのメイクの腕前は確かだ。すごい。どこからどう見てもモテ女子だぁ~。「いいカンジだな。さすが北都」金さんが褒めてくれてくれた。「まあな。ハニートラップは俺が仕掛けるから、大船に乗ったつもりで証拠撮りしてくれ。あの性根の腐った加藤佳子はこの俺が全力
Read more

復讐クエスト3 / LV4 勇者リオナ 02

 お局は普段とは全然違う柔らかい口調で、男性陣にべたべたしながら話しかけていた。ふっふっふ、私は知っている。アナタが毎週金曜日、残業するのが嫌で他の社員に自分の残業を押し付けている所を!!  私は一時的なヘルプでマーケティング部を手伝う時間が決まっているので、よほどのことがない限り残業はさせられないから、今日ここに来れたんだけどね! 内臓カメラ入りブローチでお局の様子を撮影。うまく撮れているかな。会話も撮っておきたいので近づいてみると、背が高く金髪の青い目をした男性に向かって、お局がきゃっきゃと話している。「マサさんはゲームがお好きでしたよね? 私も好きなんです」 マサと呼ばれた彼の黒いスーツのポケットのところに名札が付いている。呼ばれた通り『マサ』となっていた。このパーティーはニックネーム表示でもいいみたいだ。  但し、受付はしっかり身分証明書と本名を書かされた。これは詐欺やらを防止するためのようだが、初回から本名を名乗るのはハードルが高いので、名札にはニックネームを書いてもOKとのことだった。 ちなみに私は『リナ』と書いた。『リオナ』から『オ』を取っただけの単純なやつ。思いつかなかったという説もある。 お局の名札は『加藤佳子』となっている。さすが気合の入れ具合が違う。誰も本名書いてないのに。「加藤さんは、どんなゲームをなさるのですか?」 えっ。お局ゲームやるの!? そういえばさっき『私もゲーム好き』ってアピールしてたな。「えーっと…スーパーノリオブラザーとか」 有名なアクションゲームか。そのタイトルは初期版だから、最新版じゃなくてもっと古いヤツね。多分、キンモンとかはやってないだろうなぁ。「楽しそうになにを話されているのですか、佳子さん」 現れた男性を見てふきそうになった。北都さんだ!!「あ……聖(ひじり)さん……」 北都さんは『阿久尾聖(あくおひじり)』という偽名を使うというのは聞いていた。名札には『聖』と書いてある。「佳子さん、よかったら僕もお話しに混ぜてください」 ニコっと笑う北都さん(というか
Read more

復讐クエスト3 / LV4 勇者リオナ 03

  「どうも」「はい、どうも」 なんだかぎこちない挨拶となった。  この人、雰囲気がバッキンに似てるな。低めの声もなんとなく…って、バッキンの恋病にかかりすぎだよ私!「僕、友達に連れてこられて、こんな会場初めて来たのです。どうにも慣れなくて」「実は私も初めてなんです」「そうなんですか。よかった」 彼はほっとしたように笑った。「あの…マサさんは海外の方ですか?」 気になったので聞いてみた。それにしては日本語がうまい。言葉尻に外国の方独特のイントネーションはない。「いえ。純日本人です。コスプレが趣味でして。これもゲームキャラというか…」「あー、わかります! ルクエストのアレクじゃないですか?」 人気RPGのスーツで戦闘をする金髪キャラだ。やっぱりそれ意識してたんだ~!「スーツ着てもできるコスプレにしました。わかってくださって嬉しいです」 なぜか話が合い、マサさんとゲームの話で盛り上がってしまった。そしてキンモンの話にも及ぶ。近くにお局もやってきたので、そっとスマートウォッチを彼女の傍に置いて撮影しておいた。  なんだかんだでゲームの話に花が咲いてしまい、グループトークができる時間いっぱいマサさんと話してしまった。その後フリートークに移ったのでスマートウォッチは回収し、さらにお局の傍にうまく貼りついて調査しようと思っていたら、間の悪いことに別の男性に話しかけられて捕まった。 彼は30代前半の職業エンジニアで、名札に『Taka』と書いてある人だ。髪の毛もオイルを塗りたくっている巨漢の男性。トークの時も自分のことばかり喋ってぐいぐい強引に来るタイプだったので苦手。 マシンガントークは止まらない。う~、うまく調査が…。話も面白くないし困った、と思っていたら再びマサさんが現れた。「リナさん。あちらに飲み物用意しておきましたよ。一緒に行きましょう」 うまく連れ出してくれたので、ほっと胸をなでおろす。「しつこい方でしたね」「ええ。困っていたので助かり
Read more

復讐クエスト3 / LV4 勇者リオナ 04

 「えっと……それは……しょ、職場の人で…マサさんみたいにゲームの話ができる人で…今度デートするのですが……」 私はなにを喋らされているんだろう。「とにかく、すみません!」 いたたまれなくなって会話を強制終了した。「リナさん、ありがとうございました。あなたの好きな人とうまくいくといいですね」 素敵な笑顔を見せてくれた。「はい、頑張ります!」 なぜか応援してもらった。よし。次のデート頑張るぞ!  ……って、あれ。なんか目的趣旨が変わってる!  そういえばお局どうなった?(汗) 会場を見ると、お局はずっと聖さんにべったりだった。他はもうどうでもよくなったのだろう。これで聖さんに気持ちが傾けば、バッキンが解放されるよね。よかった。聖さんに感謝だ! 最後にマッチングのための用紙は白紙で提出し、紀美さんと合流して近所の個室居酒屋へ行った。ビールで乾杯して情報交換に入る。「北都さんのイケメンっぷりすごかったね~! 生の聖さん、あれで口説かれたら女性はイチコロだよ~」 紀美さんは上機嫌でビールを飲み、しみる~、と綺麗な顔を歪ませていた。「あ、紀美さん。例のゲーム、めちゃくちゃ面白いですね!」「復習クエスト? テスト版だから実体験を盛り込んだんだけど、面白いって言ってくれて嬉しいよ。リオリオの話もゲーム化するから教えてね」「えー。お局がモンスターで登場するなんて面白すぎます! 舞台が現代社会っていうのが親近感あっていいですね」「でしょ~? 大ヒットさせるために頑張るね! ああ~ビールおいしい~♡」 今まで切り詰め節約生活ばっかりだったから、外食なんてサイコー、と喜びをかみしめている。復習クエスト1のテスト版は紀美さんの実体験をゲーム化しているのか。紀美さんにここまで言わせるなんて、なんと恐ろしい伴侶だったのだろう。撃破できてよかったと心底思う。「今回潜入できて、とりあえずお局が部下に残業を押し付けて婚活パーティーを楽しんでいる証拠が撮れました」
Read more

復讐クエスト3 / LV4 勇者リオナ 05

 紀美さんとたくさんゲームトークして、別れて家に帰った。一人暮らしだから、多少遅くなっても誰にも文句言われないのは最高。 それにしても履きなれないヒールだったから、ちょっと足が痛くなった。お洒落は大変だなぁ。いつもカジュアルルックでスニーカーとかスリッポンを愛用している私からすると、ヒールは危険な履物だと思う。こけそうになるし。 バッキンに帰った報告を入れると、すぐに電話がかかってきた。『お疲れ』「あ、うん。ただいま」 バッキン、もしかして待っててくれたのかな? だったら嬉しい……!『変な男に口説かれなかったか?』「変というか…えっと、なんか、ゲームの話が合う人がひとりいたよ」『は? まさかマッチングとかしてない――』「ないない! ないから! バッキンと約束したよね? そんなことにはならないからって。私、約束は破らないよ」 食い気味で否定した。誤解されたら困るよ!!!!『そっか。大事なリオリオに変な虫がついたらって思ったら心配でさ。ごめん。なんか、過保護で』「ううんっ。心配してくれて嬉しいよ。ありがとう」――リオナは素直に気持ちを伝えた!――素直さがあがった!「それより、お局の残業放棄証拠の音声を手に入れたよ」『すげーな。やるじゃん、リオリオ』「それに、北都さんが男装して…っていうか、えっと…イケメンに変身してお局を攻略してくれたから、職場でバッキンが被害に遭うことがなくなりそうだよ」『さっき北都さんから聞いた。いろいろありがとう』「バッキンのためだもん! 私たち、仲間でしょ」『仲間ね。うん、まあ、そうだな…』 なんだか不服そうな声になった。あれ? バッキンは仲間じゃないの? 「ゲーム友達から復讐仲間になったじゃない。復讐って物騒だけどさ」『そうだな。うん』 バ
Read more

復讐クエスト3 / LV4 勇者リオナ 06

 決戦の金曜日をこなし、準備の土曜日。大決戦の日曜日に向けて私は『なんでも売買屋』を訪れた。そして北都さんの協力を求め、彼女も適当に店に来るように頼んである。「いらっしゃいませ! …なんだ、里緒菜さんでしたか」 張り切って損したみたいな言い方をされ、お客として歓迎されていないと知る。「今日はお洋服買いに来たのに」「そうでしたか。それはそれは。ゆっくり商品を見て行ってください」 手のひらを返され、手厚い歓迎を受けた。わかりやすい人だ。「金さん、買い物の前にレンタルしたブローチを返します。データをこのUSBに入れてください。お買い物するから、データの移行料はサービスして欲しいです」 内臓カメラを仕込んだブローチを返却した。「いいでしょう」 よし! 後は北都さんが来てくれたら、諸々セットで1万円くらいで買えるはず。 しっかり似合ういい洋服選ぼう~っと♪――リオナは悪知恵が働くようになった! 洋服を見ていると、北都さんがやってきた。今日は女性の方だ。「やっほー、リオ。昨日はお疲れ♡」「北都さん!」「なんでお前がここに…」 金さんは嫌そうな顔をしている。「今日はさ、リオのために来たんだ。私のメイク術、明日のデートに備えて伝授しようと思ってね」「デート? ああ…なるほど」 金さんも私がバッキンとデートへ行くことをわかってくれたようで、こほん、とひとつ咳ばらいをした。「それで洋服を買いに来られたわけですね」「はい。デートで大成功する、いいお洋服を買いたいです」「オーケー。こうなったら腕によりをかけて、里緒菜さんが櫂君とのデートが成功する衣装を選んでみせようじゃないか!!」――カネナリが本気になった! 「これはどうだ!」(効果音:バーン)――カネナリはとっておきのアイテム”バニー
Read more
PREV
1
...
910111213
...
15
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status