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All Chapters of 復讐クエスト: Chapter 121 - Chapter 130

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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 01

  「今日、なにしてた?」 夫が帰ってきたら、まず開口一発がこれだ。  私、上原芽衣(うえはらめい)32歳は、夫上原丹司(うえはらたんじ)35歳からひどい扱いを受けている。 結婚は1年前。加入していたゲームサークルで3年前知り合い、意気投合して付き合い、結婚した。オタクで非モテ期間が長かった私たちは、お互いを大切にし合うという意味不明な思考に陥り、四六時中離れなくなって、束縛し合うようになった。  友人づきあいも限定され、仲良かった普通の友達が気が付けば周りにいなくなった。 結婚後はまだよかったが、徐々にこの男の本性が現れるようになった。 マザコン、経済DVに加えて私への監視――少しでも私が外部(自分の許可する範囲外の友人)と連絡を取ろうものなら、罵詈雑言の嵐。俺はお前をこんなに愛しているのに、お前は俺を裏切ってうんたらかんたら…。  私だってあんたがそんなモンスターだって知っていたら、結婚どころか付き合いもしなかったよ!!!!  付き合った頃から、好きだったオンラインゲームは危険があるとか言って禁止され、仲良かったゲーム友達とも連絡が取れなくなり、気が付けば徐々に孤立していった。  そんな時夫の出張が入り、久々にオンラインゲーム(無料)のキンモンをやった。  かつてのゲーム親友”リオリオ”と楽しくプレイした。リオリオに悲惨な現状は打ち明けられなかったが、とても楽しかったので心が晴れた。やっぱりゲームは楽しい。 そして昨日の昼頃、弟の櫂が私を訪ねてきて外へ連れ出してくれた。夫は外面がいいので、わざわざやって来た弟に嫌な顔はしなかったが、早く帰ってこい、と釘をさされている。夕飯には遅れないように帰ると告げ、私は櫂と一緒に自宅マンションを出た。「姉さん、急にごめんね。今日はお義兄さん家にいたんだね。大丈夫だった?」「あ、うん。大丈夫よ。あまり遅くならないようなら平気」 久々の外出。しかも丹司さんがいない。櫂は弟だから、この子と一緒だったら夫から文句言われないから安心だ。弟に格好悪いところを見せられないから、旦那一家がクズモ
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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 02

  「まずはコーデだけど……彼女はどんな男性が好みなの?」「わかってたら姉さんに聞かないよ」「それもそうね」 なるほど納得。「写真とかある? 好みの探りを入れてみるわ」 彼女が着ている洋服から好みを算出してみるとしよう。「えっと…一緒に撮った写真ならあるけど」「見せて」 弟にスマホを見せてもらい、画面を見て驚いた。  これっ…リオリオだ!!!!「この…今見せてくれた写真、写っている子があんたの好きな子?」「そう。可愛いだろ」「この子、私のゲーム友達!!」「は!?」 今度は櫂が素っ頓狂な声を上げた。「ほらっ、私、大学の時、めっちゃくちゃハマってたパズルゲームあったでしょ。あれ、オンラインでよく対戦する友達がいたのよ。リオリオって言うんだけど…」「それ!! 俺の好きな子!!」「えええ――――っっ!!??」 そんなことってあるの!?  やだっ。じゃあ、櫂がリオリオとお付き合いして結婚したら…私、義姉になるってこと!!??  嬉しいぃぃぃぃぃぃ――――♡♡ 「ちょっと櫂! リオリオが好きだなんて、お目が高すぎるわっ! 協力するからしっかり彼女のハートを撃ち抜いてきなさい」 というわけで櫂のキメッキメのデートコーデを完成させるため、秋葉原にやって来た。なぜ秋葉原なのだろうか。ここはゲーム好きが自作PCなんかを作ったりお宝ソフトを買いに来る街なのに。「いい店があるんだ」 キメッキメのコーデが選べる店なんて、こんなところにあるのかな。  繁華街から路地を一本入ったところに『大吉酒場』という店があるが、今は閉店して閉まっていた。居酒屋だから当然だろう。ビルの入り口に櫂はするりと入っていった。キメッキメコーデが買えるお店があるとはとても思えない。 「ねえ、櫂」 私は2Fを過ぎたあたりで前をずんずん歩い
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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 03

  「櫂君のお姉さまですね?」「あ、はい。そうです」「あなた様からお金の匂いがします!」「は? お金……?」 なんなのこの人。頭やばい人?「隠さなくても俺にはわかります。紀美さんや航大さんと同じオーラです。あなた今、ずばり私生活で困っているでしょう。例えば恋人や伴侶に虐げられ、別れたいと思っているとか、この現状を打破したいとか、そういうやつです。今、どのポイントにいらっしゃいますか?」 矢継に言われてドキっとした。なんで…私、誰にも言わずにずっと耐えていたのに。だから気が付かれなくて、ずっと苦しくて……。  どうして初対面のこの人に見破られちゃうの?「紀美さんや宇治川さんと同じって……えっ、姉さん……お義兄さんとうまくいってないの?」 櫂が驚いて私に尋ねた。いたたまれなくなり、この際だからと白状した。「……ごめん。実はそうなんだ。心配するから黙っていたんだけど……」「姉さん、その話詳しく聞かせて」 そういったところで、ブーブーとバイブにしているスマートフォンが鳴り出した。家を出て1時間ほどしたら、大体連絡が入るいつものパターンだ。「丹治さん――私の夫からです。お店の外行ってきますね」 しかし黒スーツの彼は首を横に振った。「いいえ、だめです。ここで対応してください。また、その電話は録音しましょう。できればスピーカーにして、俺たちにも聞こえるようにしてください。その前に、彼はDV系・粘着系……どの系統のクズですか?」「えっと…私が家を出たら1時間おきに電話してくるので、粘着系だと。あと、極度のマザコンです」「わかりました。では、嘘は言わずに対応してください」「はい」 言われた通りスピーカーにして電話に出た。「はい」『遅い。5コール以内には出ろっていつも言ってるだろ。それで、今どこ?』 開口一発文句から始まるのが夫の電話のデフォ。  「えっと……櫂が明日のデートに着ていく服のコーディネートをしてほしいって言
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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 04

  「悪いも悪いです。あんな風にクズの言いなりになっていたら、ますますクズが調子に乗って手が付けられなくなります。モンスターを助長させているのは、あなたの対応にも原因があります」「金さん、そんな、姉さんを悪く言わないでくださいよ! こんな風に言われたら誰だって……」「じゃあ櫂君。君は伴侶から死ねと言われたら死ぬのか?」「なっ……そんな極端な!」「極端な話ではないよ。嫌なことには”嫌”、クズの意味不明な言葉には”NO”と強く言えばいい。我慢なんてする必要はないんだ」 ――嫌なことには”嫌”、クズの意味不明な言葉には”NO”と強く言えばいい。我慢なんてする必要はない……  彼の言葉は私の胸に重く響いた。 「我慢……しなくても、いいのですか?」「なぜ我慢する必要が?」「だって……みんなに結婚も祝ってもらって……夫は外面がいいから…不満を友達に言ってもあまり真剣に受け止めてもらえなくて……味方が誰もいなくて……」「姉さん、俺は味方じゃないの?」 櫂に言われてはっとした。「姉さんが苦しんでるなんて、ちっとも気が付かなかった。ごめん……。ゲームできなくなったのも、結婚して忙しいからだって思ってた。違ったんだね」「なんか……みんなに心配かけたくなくて…それで…私さえ我慢してれば丸く収まるって思うようになってしまって……」「そういう考えがそもそも間違ってる。今、あなたはクズ夫に心を殺されているんですよ。一生そのまま生きていくつもりですか? こんな酷い束縛にあっていながら、なぜそんなクズの言いなりになっているのですか。変わりましょう、今すぐに! その考えは間違っている!!」「姉さん、金さんの言う通りだよ。今すぐ立ち上がろう! 証拠を手に入れて離婚するんだ! 俺、協力するから!!」 ふたりから強く言われ、目頭が熱くなった。  もう我慢しなくてもいいの……? 「ありがとうございます……」  うるっと
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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 05

  「ゲ。なんで北都がここに……」「カイから連絡もらった。金ちゃん、この前倒産品市場でタダ同然で手に入れてきたアイテムを法外な値段で売りつけているって聞いたけど? ほんとなの?」「北都さん、このタオルを僕の姉に1万円で売りつけようとしていました! 実は――かくかくしかじか」 櫂がポニーテールの美女に成り行きを説明してくれた。「金ちゃん……」美女がバキバキと指を鳴らした。  おお……すごい音がする……。「あっ。いや、そ、それは冗談のつもりで! なにも本気じゃないんだ。いいです、そのハンカチ、そのままご利用ください。ええい出血大サービス!」 しかし台詞と顔が合っていない。しぶしぶを通り越して相当嫌そうな顔をしている。「いい心がけ♡ でもそれじゃかわいそうだから……」 ポニーテールの女性がレジに100円を置いた。「それ、代金ね」「くっっ……非売品のレアアイテムが100円ッ……!」 黒スーツさんは嘆いていた。申しわけないことしちゃったかな。でも渡されたら普通に使うよね……。新品未使用でお金取られるとか思わないもん。  しかしあまりに彼の嘆きようが半端ないので、いたたまれなくなった。「あの……よろしいのでしょうか? 使ったのは事実ですし……」 なぜ私は謝っているのだろうか。「あ、いーのいーの、気にしないで。どうせタダで手に入れたものだし、勝手に言っているだけだから。それに、カイのお姉さんから違法価格はもらえないよ。私が100円も大金払ったんだから大丈夫!」 にこっと笑ってくれた。素敵な女性だな。でも、さっき指をバキバキさせていたから、格闘家なのかな?「姉さん。ちょうどいいや。この2人、困った人のためにすごく親身になってくれる人たちなんだ。紹介するよ」 話がひと段落したので、櫂からポニーテールの美人女性を紹介してもらった。彼女は東雲北都(しののめほくと)さん。さっき見た下の居酒屋でオーナーをやっていると聞いた。悪事をぶった斬る、必殺仕置き人のようなお仕事もやっているのだそう。
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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 06

  『今日、なにしてた?』 開口一発からこの台詞。私がどこでなにをしていたのか、逐一報告しなきゃならない。『ウソだったら承知しないよ』 そして報告後、毎回恐ろしい顔で言われる。嘘なんか言わないのに、まったく信用されていないのだ。『実家へ行こう』 ほとんど毎週末ごとに実家に付き合わされる。そして義母と夫のラブラブぶりを見せつけられる。私この場に必要?  どうせだったら私も実家に帰りたい。でも、それは許されない。 こんな内容をまとめて彼らに聞いてもらった。話すとスッキリした。今まで誰にも相談できなくて苦しかったけれど、辛い気持ちを共有し、これからのことを考えてくれるなんて最高だ。  どうしてもっと早く行動しなかったんだろう。せめて家族に相談すれば、こんなに苦しむことはなかったのにと思う。「メイ。あんたは旦那に洗脳されちゃったんだね。そうなると”普通”がわからなくなって、どんな理不尽なことでも正しいって思うようになっちゃうんだ」「洗脳……」 恐ろしい言葉だ。でも、そう言われたらしっくりくる。私って丹治さんに洗脳されていたんだ…。「そうだよ姉さん。お義兄さんがそんなひどい男なんて、今までぜんぜん知らなかったよ。姉さんは大事にされているって思っていたのに、こんな束縛もおかしいよ! 今すぐ逃げよう」「櫂君。気持ちはわかる。だが今、録音した証拠だけではうまく言い逃れされてしまうだろう。こちらが優位に離婚するには、証拠! 今の時代、証拠が命! 芽衣さん、今こそ戦う時だ!」 力強く金さんが言ってくれた。「はい、ありがとうございます!」「証拠を撮るにはいろいろ必要だろう。アイテムはいっぱい揃っているから、ぜひお買い求めは”なんでも売買屋”で!!」  どーん!(ドヤ顔のカネナリ)  「法外な値段で売りつけたら許さないよ」 笑顔の北都さんがクギを刺してくれた。「わかっているとも」 そして顔と台詞が合っていない金
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復讐クエスト4 / LV1 勇者メイ 07

  「とにかく! メイが必要と思われる商品はなに? 見繕って」 北都さんは強気で金さんを追い立てた。「あの……いいのでしょうか? すぐに用意できるお金もないのに……」「大丈夫。仲間のカイのお姉さんだったら信用できるから」 にこっと北都さんが笑ってくれた。「櫂、今日はここに連れてきてくれてありがとうね。そういえば櫂の洋服買いに来たのに、私の話になっちゃってごめんね」「いいよ。姉さんが困っているなら、俺は助けたい」「櫂……」「家族なんだから、もっと頼って相談して! なにも言ってくれない方が辛いよ。逆の立場だったら姉さんだって同じように怒ってくれるはずだ」 改めて櫂に指摘されて、確かに、と思った。  これからはもっと弟に助けてもらおう。こんなに頼りになるのに、私はいったいなにに遠慮して辛い時間だけを過ごしていたのだろう。ほんとうにバカだった。 ――メイの洗脳が解けた!  あれ。なんか思考が軽くなった。なんだろう……視界がすっきりしたような、今までのことがほんとにばかばかしく思えるような…なんだか、そんな感じ! 「お。いい顔になった。メイ、素敵だよ。これから頑張ろう!」  北都さんが声をかけてくれた。よし、これから丹司さんと対峙できるようにめいいっぱい頑張るぞ!! 「ふう~」  ため息をつきながら金さんが戻ってきた。店の奥に追いやられた彼はしばらくご自身の店内(なんでも売買屋)を物色し、手になにやら持っていた。顔は渋い。お金をあまり取れないことに不服感があるのだろう。でも、無い袖は振れない。  金さんは口をへの字に曲げながら、4個のアイテムを差し出してくれた。「これはなんでしょうか?」「盗聴器ひとつと監視カメラふたつと、さらにスマートウォッチです。ひとまず義理実家へ行く回数が多いので、彼らの家にひとつカメラを仕掛けましょう。おもしろいものが撮れたらもうけものです。USBコンセントタ
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復讐クエスト4 / LV2 勇者メイ 01

 櫂の洋服を選び、適当に買い物をして戻った。櫂が一緒についてきてくれた。「今日は姉さんを借りてしまってすみませんでした。お義兄さん、今日はいらっしゃるようなので、一緒に飲みたいと思ってお酒買ってきました。いいワインが売っていたので」 にっこり笑う策士の櫂。さすが~。 これには丹治さんも『嫌』と言えずに爽やかに了承。そして私のスマホに次々届くメッセージ。――ふざけんなオイ。誰が弟連れて帰って来いって言ったんだよ!――さっさと追い返せ!――俺の休日を台無しにするなこの無能!――後で覚えてろよ! うっふっふ。証拠が貯まる貯まる♡ もっと嫌な文章送ってきてよ丹治さん!――メイは精神力や根性が大幅に上がった! 後で叱られてもぜんぜん平気♡ だってそのあとはパラダイスが待っているんですもの! ボスを撃破するための耐え忍ぶターンは、ゲーマーにとって非常に燃える展開。さあ、どう調理してくれようか。「おつまみもっと作ってよ姉さん。お義兄さんと話していると楽しくて」――さっさと追い返せクソボケカス もっと罵って~♡ 罵られることに快感を覚えてしまいそうなほど、証拠が貯まると思ったら暴言もウェルカム状態だ。メンタルつよつよで挑めば、魔王の攻撃なんか平気だわ! 結局櫂がお酒をすすめまくって丹司さんを酔い潰してくれた。高いびきで眠った夫を冷めた目で見つめる。「おーし。寝た」「ありがとう。早速カメラ仕掛けるわね」 USB専用のコンセントをリビングに挿しておいた。これで結構広範囲で録画できる。マイクロSDカード内蔵だから、彼がいない時に回収すればOKってこと。「お義兄さん、ベランダから放り投げたいところだけれど、我慢しなきゃね」 初期装備品(包丁やナイフ)で突き刺して、今すぐとどめを刺してやろうかな。今なら×ろせるよね…。「姉さん、変なこと考えないでよ?」 ぎくっ。「大丈夫。ちょっと心に迷いが生じただけ…」 クズを違法手段でやっつけると、私の人生が詰む。それは嫌だ。「とりあえず運ぶの手伝ってくれる? ベッドに寝かせなきゃ」「いいよ。俺がやるから」「ありがとう」 重いので櫂に任せた。細身なのに意外に力持ちなのよね。頼りになるし、ほんと助かる。持つべきものはイケメンの弟~。「寝かせてきたよ」「今日は櫂がいてくれて心強かったよ」「い
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復讐クエスト4 / LV2 勇者メイ 02

 翌日。夫は二日酔いで寝込んだ。ざまあ。これで看病を盾に義理実家へ行かなくて済む。  そう思っていたら、向こうからこの家にやって来た。  モンスター・義母のお出ましだ。はぁぁ。早くやっつけたい。「たーちゃん、大丈夫なの? たーちゃん」 何度聞いてもキモイ。丹治だから『たーちゃん』呼び。うぇ…。「うーんママ、来てくれたの?」「そうよぉママが来たからもう安心! 出来損ないの嫁には任せておけないわぁ」 いつもこんな調子だ。一生やってろ。  買い物に行ってきますね、と言って私は家を出た。そういえば2人のラブラブぶりは半端ないけれど、どんな様子なんだろう。こっそり置いてきたスマートウォッチで家の様子を確認して見ることにした。――ママぁ、頭いたいよぉ~――まぁかわいそうに。いたいのいたいの、遠くのお山に飛んでいけ~――ああやっぱりママがいちばんだよ。痛みが和らいできたぁ~――ママが一生ついていますからね~ そして唇に軽くちゅっと…キス、してる。  えっ。まっ。なに? (うえええええええっ、えぐいっ、えぐすぎる――っ!!!!) ――メイは1000Pのダメージ! 歩行困難になった!  よろよろと公園のベンチまで歩いてドサリと座り込んだ。  マザコンとかいうレベルじゃない。気持ち悪い気持ち悪い!  いい年した男とその実母が、軽くでもキスするなんて頭おかしい、やめてえええええッ!!  はー…一撃必殺の気持ち悪い動画を見てしまった。おぞましい。どんなホラー映画よりもぞぞーっとしたわ。  でも、これでよくわかった。あの2人は…特に私が義母から気に入られていないのはわかっていたけれど、丹治さんを盗った=嫁(わたし)が気に入らなかったんだ。最初は優しかったのに、結婚した途端掌返し。嫌味ばかり言ってくるし、自分が至らないのだと思っていたけれど、とんだ思い違いだった。 完全に頭のおかしな旦那家族が悪いんだ。  私はなにも悪
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復讐クエスト4 / LV2 勇者メイ 03

 「こんにちは」「いらっしゃいませ! なんだ…芽衣さんか」 金さんの嬉しそうなトーンは最初だけだった。あとの方はがっかり残念な語尾だ。「なんだとはなんですか」 私は足を伸ばして”なんでも売買屋”にやって来た。ここなら言い訳が聞くと思ったからだ。そして相変わらずお客はいない。暇なお店なのかな。もしかしてぼったくりなのは、お店が立ち行かないからなのかしら。「義母にあげて喜ぶようなプレゼントってなんだと思います? できれば監視カメラ付きがいいんですが、なにかいいものはありますか? 置いても不自然にならないようなものを希望します」「そうだなぁ…義母だと難しいから、時計なんかはどうだろう。義父の方にプレゼントするとか」「なるほど。いいですね」「時計ならデジタル置時計がある。もちろん、監視カメラ付」 ニヤリと金さんが笑った。それにしてもイケメンよね。超がめついけれど、黙っていたらカッコいい。「じゃあ、それください」「いいのですか?」「いいです、もう。大体、自分の好きに買い物できないとか、おかしいです。別にいいです。怒られたら怒られた時、証拠が手に入りますから」「おやおや。ずいぶん強気だ」「これから離婚しますから。強くならなきゃやってられません」「いい心がけだな。気に入ったよ。特別価格で売ってやる」「ほんとうですか? おいくらですか?」「10万円」(ドヤア)――やっぱこの人の店、ぼったくりだっ!!  「いいのですか、そんなぼったくりな値段を付けても。北都姉さんに言いつけますよ」「それは困る。あいつの怪力パンチで殴られたら、即死レベルだ」「そんなにすごいのですか?」「世界一強いと思う。最強の格闘家だ、あいつは」「女性なのに世界一なのですか?」「は? あいつは男だ。恰好は女性だがな」
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