Home / 恋愛 / 復讐クエスト / Chapter 141 - Chapter 142

All Chapters of 復讐クエスト: Chapter 141 - Chapter 142

142 Chapters

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 02

 「初めまして。わたくし、こういう者です」 アッシュグレーのかつらを装着し、深いグリーンのコンタクトを着けた金さんがふたりに名刺を差し出した。見るからに別人である。声色も若干変えている。変装の名人だなぁ。 ”なんでも売買屋” 営業 千時 銀也(せんじぎんや) という偽名の名刺だ。場所はGPSで既に知られているため、店の名前だけは同じにしておいた。「この度はせっかくのプレゼントにご購入いただいた品に不備があり、大変申し訳ございません。至急取り替えさせていただきます」 金さんは新しい時計を持ってきて、前のものと交換してくれた。 義父はしきりに礼を言い、麻雀サークルへ出かけて行った。ふふ、これはしっかりリサーチ済。義母がひとりになるこの時を狙っていた!!「あの…失礼ですが、水谷佐千恵(みずたにさちえ)さんではありませんか?」 外商マンに扮した金さんが言った。どこからどうみても小売りの人だ。黒いスーツに眼鏡、爽やかに見えるが時折鋭い行商人の顔をする。 水谷佐千恵とは、単なる偽名。彼の親戚の叔母に似ているという設定を利用し、義母の懐に入り込む作戦だ。「いえ、違います」 さすがの義母も他人がいるから私をいびってこない。「そうですか…奥様があまりにお綺麗で、叔母に似ていたのでつい声をかけてしまいました。不愉快でしたよね、すみません」 綺麗というワードにしっかり反応する義母。実の息子を溺愛するキモイおばさんは、恐らく他の人から褒められることはないのだろう。しっかり過剰に反応している。 「不愉快なんてとんでもない。その…叔母さんに私が似ているというのですか?」「はい。美しいお顔立ちなどがそっくりです。子供のころから可愛がってもらっていました。僕の母は忙しく、彼女が母親代わりだったのです。実は彼女はもう亡くなっていて…まさかとは思ったのですが」「そうだったのですね」「これもなにかの縁です。商品にまた不具合が出てはい
Read more

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 03

「無料で差し上げますので、ぜひ味や効き目のご感想をいただけると幸いです」 栄養ドリンクを受け取った義母は、なんの疑いもなくそれを口内に流し込んだ。「あら、意外に美味しいわね」「ほんとうですか? ビタミン成分を多く配合し、飲みやすさを重視したもので――」 金さんがうんちくを語っていると、義母の体がぐらりと傾いた。「よっと」 金さんがナイスキャッチで彼女の体を支えた。頬をつついてみるが、まったくの無反応。「よし、寝た」「即効性抜群ですね」「なんせ”眠り姫”って名前のドリンクだからな」 目覚めじゃなくて寝かせる方なのね。「さあ、仕掛けるぞ」「ラジャ」 眠らせた義母をソファーに横たえ、私たちは盗聴器を仕掛けにかかった。監視カメラ、盗聴器、ありとあらゆるものを仕込んだ。もちろん、彼女には見つからないように巧妙に。機材はぜんぶ金さんが用意してくれた。 代金やレンタル代は請求されなかったので、一安心だ。「ひととおり終わったな」「はい。ありがとうございます!」「よし、起こして帰るか」 金さんは鞄から別の粉を取り出し、義母の鼻に向かってサラサラとそれを振りかけた。「ふぁ…ふぁくしょん!!」 今のってもしかして胡椒…?「くしゃん、くしゃん!」 くしゃみを連発している。それにしても醜い顔だ。 「大丈夫でしょうか? アレルギーでもおありですか?」 しれっと聞く金さんに拍手。「おかしいわね。別になにもアレルギーはないのだけれど…」「そういった心配がないなら安心しました。それより、すっかりお邪魔してしまいました。あなたのような美しい方とのおしゃべりの時間は、大変楽しくあっという間に過ぎてしまいます。また次も楽しいひと時をお願いします」 甘く囁くように言う金さんの言葉に有頂天に
Read more
PREV
1
...
101112131415
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status