Home / 恋愛 / 復讐クエスト / Chapter 141 - Chapter 150

All Chapters of 復讐クエスト: Chapter 141 - Chapter 150

152 Chapters

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 02

  「初めまして。わたくし、こういう者です」 アッシュグレーのかつらを装着し、深いグリーンのコンタクトを着けた金さんがふたりに名刺を差し出した。見るからに別人である。声色も若干変えている。変装の名人だなぁ。  ”なんでも売買屋” 営業 千時 銀也(せんじぎんや) という偽名の名刺だ。場所はGPSで既に知られているため、店の名前だけは同じにしておいた。「この度はせっかくのプレゼントにご購入いただいた品に不備があり、大変申し訳ございません。至急取り替えさせていただきます」 金さんは新しい時計を持ってきて、前のものと交換してくれた。  義父はしきりに礼を言い、麻雀サークルへ出かけて行った。ふふ、これはしっかりリサーチ済。義母がひとりになるこの時を狙っていた!! 「あの……失礼ですが、水谷佐千恵(みずたにさちえ)さんではありませんか?」  外商マンに扮した金さんが言った。どこからどうみても小売りの人だ。黒いスーツに眼鏡、爽やかに見えるが時折鋭い行商人の顔をする。  水谷佐千恵とは、単なる偽名。彼の親戚の叔母に似ているという設定を利用し、義母の懐に入り込む作戦だ。「いえ、違います」 さすがの義母も他人がいるから私をいびってこない。「そうですか……奥様があまりにお綺麗で、叔母に似ていたのでつい声をかけてしまいました。不愉快でしたよね、すみません」 綺麗というワードにしっかり反応する義母。実の息子を溺愛するキモイおばさんは、恐らく他の人から褒められることはないのだろう。しっかり過剰に反応している。 「不愉快なんてとんでもない。その…叔母さんに私が似ているというのですか?」「はい。美しいお顔立ちなどがそっくりです。子供のころから可愛がってもらっていました。僕の母は忙しく、彼女が母親代わりだったのです。実は彼女はもう亡くなっていて……まさかとは思ったのですが」「そうだったのですね」「これもなにかの縁です。商品にまた不具合が出てはいけませんから、時折様子を見に来てもよろしいでしょうか?」「もちろんです。いつでもいらしてください」「ありがとうございます。お客様が素敵な方で良かった」 キラーン、と歯が光るような笑顔を見せた。義母は恐らくイチコロだろう。あ、目が♡になってる。金さんカッコいいもんね。「あの、奥様。よろしければサービスしますので、こちら
Read more

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 03

「無料で差し上げますので、ぜひ味や効き目のご感想をいただけると幸いです」 栄養ドリンクを受け取った義母は、なんの疑いもなくそれを口内に流し込んだ。「あら、意外に美味しいわね」「ほんとうですか? ビタミン成分を多く配合し、飲みやすさを重視したもので――」 金さんがうんちくを語っていると、義母の体がぐらりと傾いた。「よっと」 金さんがナイスキャッチで彼女の体を支えた。頬をつついてみるが、まったくの無反応。「よし、寝た」「即効性抜群ですね」「なんせ”眠り姫”って名前のドリンクだからな」 目覚めじゃなくて寝かせる方なのね。「さあ、仕掛けるぞ」「ラジャ」 眠らせた義母をソファーに横たえ、私たちは盗聴器を仕掛けにかかった。監視カメラ、盗聴器、ありとあらゆるものを仕込んだ。もちろん、彼女には見つからないように巧妙に。機材はぜんぶ金さんが用意してくれた。 代金やレンタル代は請求されなかったので、一安心だ。「ひととおり終わったな」「はい。ありがとうございます!」「よし、起こして帰るか」 金さんは鞄から別の粉を取り出し、義母の鼻に向かってサラサラとそれを振りかけた。「ふぁ……ふぁくしょん!!」 今のってもしかして胡椒……?「くしゃん、くしゃん!」 くしゃみを連発している。それにしても醜い顔だ。 「大丈夫でしょうか? アレルギーでもおありですか?」 しれっと聞く金さんに拍手。「おかしいわね。別になにもアレルギーはないのだけれど……」「そういった心配がないなら安心しました。それより、すっかりお邪魔してしまいました。あなたのような美しい方とのおしゃべりの時間は、大変楽しくあっという間に過ぎてしまいます。また次も楽しいひと時をお願いします」 甘く囁くように言う金さんの言葉に有頂天になった義母は、またいらしてくださいと上機嫌。そんな彼女に頭を下げて家を後にした。「うまくいったな」「金さんのおかげです。ありがとうございます」「仲間のためだ」 こちらの方を見向きもせずに言う金さんが、とても頼もしく見えた。「この調子でよろしくお願いします」「もっともっと高揚させて、最後は地獄行きだからな」金さんはまっすぐ前を見ながら言った。「仲間を泣かせたヤツは万死に値する」 金さんってすごく仲間想いだったんだ。ありがたいな。「金さんとのドラパズ対
Read more

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 04

 はりきってご馳走を作り、戦友を待つ。しかし彼女たちが現れる前に丹治さんが帰ってきた。早!「おかえり。早かったね」「芽衣の大事な友達が来るんだから当然だろう」 いつもは嫌な顔するくせに。多分リオリオだけだったら文句言ってるんだろうね。「ありがとう丹治さん」 とにかく持ち上げておけばあなたは満足なんでしょ。  そのうち天誅が訪れるのは決定事項。せいぜい今のうちにこの世の空気を楽しんでおきなさい。「なあ、聖子さんって何歳くらいの女性なんだ?」「多分アラサーくらいだと思うけど、そういえば詳しい年齢って聞いたことないなぁ」「そうか」 他にもいろいろ質問された。どこに住んでいるか、好きなタイプ、好みのデザートなど。  まとめて本人に聞いてと言っておいた。私の時と態度が全然違うことに腹が立つ。「聖子さんはまだ来ないのか」「約束の時間になってないよ」「もう10分くらい経っただろう」「まだだって」 こんな不毛なやり取りを繰り返していると、ようやく約束の時間となり、インタフォンが鳴らされた。  私よりも素早くインターフォンにかじりつくように対応する丹治さん。 誰のお客様だと思っているのかしら。滑稽で笑える。「こんばんは」 ――ホクト(セイコ)とリオナが現れた! 「すみません、お邪魔してしまって」「いえいえっ。狭いとこですがどうぞどうぞ」 張り切ってスリッパを並べている。いつも高圧的なあの人が、なにあの姿。笑いしかないよ。 それから丹治さんは、やれ飲めやれ食べろと聖子さんを占領して上機嫌だった。ふたりきりにする作戦で私はリオリオと一緒にわざとお酒を切らせ、買いに家を出た。  近くの公園のベンチを占領し、リオリオと一緒に監視カメラの動画を自分のスマートフォンで見る。さぁてどんな感じかな……?『聖子さんってほんとお綺麗ですね』 おー、やってるやってる。『そんな……嬉しいです』 嬉しそうに微笑む聖子さん。これは演技なんですよね? 引き込まれちゃいますよ。『彼氏が羨ましいです』『彼氏じゃありません。私には伴侶がいます』『旦那様が……!』 あからさまに落胆する夫。おい、あんたはまだ私と結婚しているんだぞ? 完全に忘れてるよね。別にいいけど。不貞証拠とみなすから。『でも、後悔しています』聖子さんは恥ずかしそうに俯きながら言った。『
Read more

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 05

  『今度、僕とふたりだけで会ってください。やましいことはしませんから。ぜったいに』『ほんとうですか? でも、芽衣さんに申しわけないわ……』『いいんですよあんなやつ。すぐにでも離婚しますから! 待っていてください』『信じてもいいのですね?』『もちろん!』『でしたら、芽衣さんには慰謝料払ってくださいね。ひどいことをするのですから。こう見えてもうちの祖母が地主で、いくつも不動産を持っているんです。だから先に芽衣さんへの慰謝料を丹治さんが立て替えてくれたら、うまくいきます。私と結婚すれば、すぐお金はお返しできるので』 妖艶に丹治さんの胸元に指先をつぅーっと這わせる聖子さん。わー、色っぽい。『わかりました。約束しましょう!』『貯金はいくらくらいあるのですか? 聞けば丹治さんが全て預かっているとか』『夫婦共有財産として、彼女から預かった分は300万円、僕の資産としては800万円ほどあります』 そんなに貯め込んでいたんだ……!『じゃあ、すぐに芽衣さんにひとまず300万は返して。夫婦の財産は400万円ほどは芽衣さんに渡って、慰謝料はマックスの300万円ね。マンションはどちらの名義?』『僕です』『賃貸?』『そうです。子供ができたらマイホームを買おうと、貯金を頑張っていました』 必要最低限しかくれなかったし、貯金頑張っていた割には額少ないよ。自分で使い込んでいたね、これは。『お金の流れ、見せてくれる?』『はい、もちろんです』  もう彼女のいいなりだ。聖子さんのことを微塵も疑っていない。バカなの?  丹治さんは聖子さんに通帳を見せた。『このお金の流れは?』『生活費で都度あいつに渡しています。金銭管理がずさんだから僕が預かっていました』 ずさんどころか、私の節約術見せてやりたいよ(怒)。『そうなの。ひどいのね、芽衣さんって。信じられないわ』『でしょう? だから僕が管理してやっていたんです』『頼もしいわね。じゃあ、このお金の流れは?』  カードの引き落としが結構高額な時がある。10万単位で跳ね上がっているのだ。 『ああ、これはゲームやフィギュアに使った金です。僕のコレクションですよ。見ます?』 自分だけそんな高いもの買ってたんかーい(怒)!『いいの? ぜひ見せて欲しいわ』 聖子さんが目を輝かせて喜んでいるのを真に受け、自分の部屋に
Read more

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 06

  「こんなこと言ったら悪いけど、メイリンの旦那さん……アホ?」「うん、アホだね」 ここは公園のベンチ。リオリオと夫の様子を見ているのだ。画面の向こうで鼻を伸ばしている夫のことを見て、ふたりで選評した。「さあ、これで夫の方は聖子さんにまっしぐらだから、あとは円満離婚して、聖子さんに地獄へ堕としてもらえばいいよね」「そうだね。リオリオも協力してくれてありがとう」「私なにもしてない」「存在が癒し♡」 リオリオは可愛いし、いてくれるだけで癒されるから、ヒール効果があると思う。「とにかくメイリンに酷いことしたんだから、このアホ旦那は地獄行きだね。さあ、そろそろ戻ろうか」 コンビニでお酒を適当に買って家に戻った。暫く談笑したのち、彼女たちは揃って帰っていった。片づけをしていると、神妙な顔で「話がある」と夫に言われた。これ、離婚話かな?  ソファーに座るように言われたので、そのとおりにした。彼は神妙な面持ちで私を見つめている。こんな顔をした夫を見るのは久々だ。「突然で悪い。芽衣…離婚して欲しいんだ」「り……こん……?」 うっそ、やだ、ほんとに言ったよこの人!!  笑いを堪えるのに必死でぷるぷる震えてしまった。すると勘違いした夫はさらに優しい口調で私に言ってきた。「突然で驚くのは当然だよな。ごめん…傷つけるようなことを言ってほんとにごめん。君を嫌いになったわけじゃないんだ」 じゃあなんだよ、と言いたくなるのをぐっと我慢した。これからの未来を想像すると嬉し涙があふれる。もうこの夫に関わるのも嫌だし、義母なんてもっとまっぴらごめん!「どうしてなの?」 満場一致で離婚となれば、慰謝料もらえないからそれは困ると思い、”私は別れたくないが仕方なく身を引くわオヨヨ”作戦でいくことにする。  「至らないところがあったのなら直すわ。私は丹治さんと別れたくない」 うそだけど!  ほんとは死ぬほど別れたいでーす!「そうだよな……急にごめん」「どうしたの? 言ってよ、理由! じゃないと納得できないよ!!」 金切り声をあげた。でもほんとは「あなたと1分1秒でも早く別れたいよ」って言いたい。「どうしてなの? まさか…好きな人ができたとか? ちがうよねっ、ねえっ、丹治さん!」 誘導したらあっさり目を泳がせて言葉に詰まっている。はー。この茶番早く終わらせ
Read more

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 07

 たった1、2時間喋っただけで、なにが運命よ。そんな運命、作り物に決まってるでしょ。  恋愛ゲームでも、会って1時間で攻略できるヒロインなんかいないっての!「ほんとに悪いと思ってる。だからこれ」 すっと彼から差し出された。「預かっていた芽衣の通帳だ。マイホームのために貯金しようと思って置いておいたものだ。返すよ」「これは私が独身時代から一生懸命貯めたものだよ。丹治さんが預かってくれるって言うから預けただけで……」「わかってる。聖子にも言われた」 聖子呼び~(笑)  距離縮めたつもりでいるんでしょうね。ああもうおかしくて笑い出しそうなんですが!  これ以上私を笑わせないで~!「そんな短時間で好きになったり運命を感じるものなの!? 信じられないよっ……私との結婚生活はなんだったのぉっ」 大げさに泣いた。丹治さんを信じていたのに、愛していたのに、を連呼しながら。「ごめんよ芽衣……許してくれ」 なぜか丹治さんも泣いていた。なんでアンタが泣くのよまじでキモいなぁ。「聖子と運命を感じて愛してしまったんだ。彼女も芽衣に申しわけないって言っていて……」「そんなにまでふたりの愛は固いの?」「そうだ」 きっぱり言い切る丹治さん。ただただキモイ。「わかった……ううっ、辛いけれど……離婚に応じます……」「ほんとうか!?」「でも、ひとりでやっていけるか不安で……今までは丹治さんが私をきちんと養ってくれていたから生活が成り立っていたけれど……先立つものもないし……」「大丈夫。こちら側の不貞なんだ。夫婦の財産として貯金の半分は芽衣に渡すし、きちんと慰謝料は払う。だから無駄遣いしなければ当面はやっていけるはずだ」「わかった……いくらくらい支払ってくれるの?」「僕の貯金が800万ある。聖子はまず半分の400万円は芽衣に渡して、残りを折半した中から300万円を渡したいと思っている。ぜんぶで700万。十分だと思うがどうかな?」「……お金じゃないよ。今までの生活はなんだったの、って思うじゃない……ううっ……」  700万もらって離婚なんて最高! 通帳も返してもらえるし!  もうそれでいいから今すぐ離婚して~! それからゴネてみたりすねてみたり、話し合いは難航したが最終的には慰謝料をもらえば当面の生活が約束されるということで、私が納得した形で落ち着いた。
Read more

復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 01

 翌日。丹治さんは早速仕事を半休し、午前中に役所に行って戻ってきた。「気が変わらないうちに書いて欲しい」「そんな…昨日の今日でまだ整理もついていないのに」「でも、早い方がいいだろ」 私もそう思う!「だったら先に慰謝料払ってよ。無一文で追い出されたら私…この先生きていけない。恨んで聖子さんを刺しちゃうかも…」「なんだとっ!」「じゃあ離婚しない。私、ほんとは納得してないもん!」 声を荒げたのでこちらも対抗した。「そうだわ。私が離婚しなければいいのよね!」「それは困るッ! もう聖子を迎えに入れる約束をしたんだ!!」「は? いつ?」「今日」「今日ぉ!? そんなっ…私はどうしたらいいのよ!!」「頼む芽衣! 僕のことを愛しているなら身を引いて別れてくれ!」「そんな…」ウソ泣きをした。「もう、どうにもならないの?」「すまん…」「じゃあせめて慰謝料払ってよ! そうでなきゃやってられないよ! ほんとうは離婚したくないって弁護士のとこ行きたいくらいだから!!」 うわーん、と盛大に泣いてやった。ごめんと謝られながらヤツも涙し、その流れで宥められて一緒に銀行に行き、その場で私の通帳に振り込んでくれた。「これでいいか?」「よくないけど…仕方ないよね。もう、どうにもならないの?」「僕の幸せのために離婚を決意してくれたんだろ? 芽衣は好きに生きたらいいよ。もう止めないから。今までありがとう」 なにこいつ。ほんと自分のことしか考えてない。「わかった…。じゃあ、せめて一緒に届けを出しに行こう。この目で見届けたい」 やっぱやめまーすとか言われた困るもんね。だから私は丹治さんについて行って離婚届けを役所で提出するとこまでしっかり見届けた。 ――メイはモンスター・タンジと離婚した!
Read more

復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 02

 夜。私は元・義理実家の近所にあるファミレスで待機していた。実は今から金さんが元義母攻略、聖子さんが結婚の挨拶を兼ねて元義理実家へ訪れるという算段。 義父は近所の方の家に麻雀をしに行っているので、ちょうどいない。それは聖子さんが手を回してくれた。聖子さんや金さんのネットワークはいったいどうなっているのだろうか。 スマートフォンで自宅の様子をうかがう。まずは金さんが元義母攻略。『奥様。僕はあなたに運命を感じてしまいました』 甘く囁く金さんに彼女はメロメロ! 目が♡になっていますよ。『でも…僕はあなたにふさわしくありません。あなたには愛する伴侶がいらっしゃる』 夫と別れてあなたと一緒になるわ、と目を輝かせている。まー、気持ち悪いこと。『奥様…』 まるで寸劇。これからの結末を知っているからこそ、めちゃくちゃ笑える。 そこへ聖子さんたちがやってきた。よーし。私も移動っと。 最後の仕上げをするために、ファミレスを出て家に向かう。『お邪魔します』『あらあらなんと綺麗なお嬢さん…』『初めまして。わたくし、阿久尾聖子と申します。この度は丹治さんとお付き合いさせていただくことになりまして。どうぞよろしくお願いいたします』『最高のいい女だろ? 芽衣とは大違いだ。すぐ再婚して幸せな結婚生活を送るつもりだ』『まあまあいいんじゃないの? 聖子さん、前の嫁はぜんぜんダメな女だったけれど、あなたは大丈夫そうね。丹治のこと頼みましたよ』『はい、お任せください』 ここまで動画を見て、スマートフォンを切った。 4人でいるところに私が登場! ピンポーンとインターフォンを鳴らし、持参したお酒を掲げて入場した。「こんばんは」 さあ、最終決戦よ!! ――モンスター・タンジが現れた!――モンスター・ギボが現れた! 私の中で最終決戦のかっこいい曲が流れる。まずは様子見。
Read more

復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 03

 「よし。次はこの画像をご近所さんに共有だね。メイ、連絡先わかる?」「はい。自治会のコミュニティがありますから、そこへ流しますね。私が送信者だと勘づかれますから、彼女のスマホから送ります」 私は、元義母のスマホを彼女の顔の前にかざして認証を突破させ、自治会のコミュニティを開いた。――メイの会心の一撃!「よーしできた♡」――優秀盗聴器クンのおかげで、息子は私の監視下♡――嫁を追い出す作戦大成功! 無事離婚~♡ メイは自治会コミュニティに”寝室に仕掛けられていた盗聴器の写真”を送った!――息子とラブラブな上原でぇす♡――皆さんも私を見習ったらいかが? メイはさらに”元義母と元夫の仲良し裸画像”をコミュニティに参加している全員に送った!「さあ、ショータイムの始まり始まり~♡」 私は元義母のスマートフォンを枕元に置いた。もうすぐ元義父が麻雀を終えて帰ってくるだろうから、そのうち大騒ぎになりそうだ。「引き上げよう」 聖子さんの言葉を合図に私たち3人は上原家を後にした。 もう使わないからスマートウォッチの置き土産を投下して、高みの見物をすることに。 大吉で楽しく飲みながら待っていると、「うう~ん、聖子ぉぉ~♡」と元義母の肩をべたべた触っている丹治さんが映っている。そこへ「なにをしているんだお前たちッ!!」という元義父の金切り声が響いた。「これ…どうなるのかな」「どう考えても修羅場だろ」「お義父さん(元)に罪はないのにかわいそう」「傷つくのは一瞬だ。離婚に向けて彼も頑張ればいい」「確かに」 そして修羅場が繰り広げられる――  『母さんッ…いったいどういうことだ! 丹治と…いつからそんな関係だったんだぁぁっ!!
Read more

復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 04

 元義父の悲鳴のような責め声に、元義母は狂ったように悲鳴を上げ、丹治さんはひたすらオロオロ。裸で抱き合うように寝ていたんだから、言い訳もできないでしょう。『いやああ、なにこれぇッ』 スマホを見てさらなる悲鳴を上げる元義母。コミュニティからの大量メッセージに顔が真っ青だ。 あはは。ざまあ~! あんたの焦る顔、最高においしい酒のつまみだわ!!――モンスター・ギボ(元)は10000Pのダメージ! モンスター・ギボ(元)は泡を吹いて倒れてしまった! モンスター・ギボ(元)を撃破した!「お。なんか強くなった気がする」金さんが言った。 きっと経験値が入ったのね。私もそんな気がする。復讐クエストをプレイしたからわかる。人生なんでも経験=レベルアップだ。「あとは丹治さんだけね」「聖子にとどめ刺させればいい。な?」「もちろんよ。さっさとケリつけようか」 聖子さんの顔をした北都さんは、指をバキバキと鳴らした。「あのクズ、殺(や)っちゃうよ~♡」 こわっ。「ホラ、電話かかってきた♡ これでこの男は確実地獄行きだね」 どう調理されるか見ものだ。 聖子さんがスマートフォンをスピーカーにしてくれて、音声が私にも聞けるような状態で対応してくれた。『聖子ッ。いったいどうなっているんだ! いつ帰った!?』 開口一発でお怒りの模様。そりゃそうか。「ワイン飲んでいたら急にふたりが眠ってしまって。仕方ないから手分けしてベッドに運んで帰ったの。いけなかった?」 あくまでも穏やかな聖子さんの姿勢を貫く。『あ…いや…そうだったのか』「それよりもっと一緒に居たかったのに…」『ごめん。悪かったよ』「ねえ、ホテルで会えない? せっかくの記念日なのに」『会いたい! 会おう! すぐ行くよ。どこ?』「じゃあ、皇居の近くのステラホテルに来て。
Read more
PREV
1
...
111213141516
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status