Semua Bab 復讐クエスト: Bab 21 - Bab 30

52 Bab

復讐クエスト1 / LV3 勇者ノリミ 05

「そんな……言っていいことと悪いことがあります!」「仕方ありません。妻が娘にそう教えているんです。家庭に僕の居場所はありませんから」 悲しそうに航大さんが俯いた。そんな、ひどいよ!!「航大さん。私もあなたが幸せになれるようにお手伝いします!」 夫を倒すお手伝いをしてくれる航大さんのために、私もひとはだ脱ぎたい。勇者として仲間のピンチを助けるのは当然のこと!「紀美さん、ありがとうございます。一人で家に帰っても居場所もなくて辛いですから、ここで時々愚痴を聞いて下さるとありがたいです。多分僕と妻はもう修復不可能です。彼女は…僕を疎んでいます」「航大さんを疎むなんてひどい…」 彼の言葉を聞いて、自分のことのように悲しくなった。まるで私自身を見ているようだった。建真に相手されなくて、自尊心も傷つけられて、不要なゴミみたいな扱いを受けて…。既婚者だからって、虐げられる理由はない。どんな人でも、もっと愛される権利があると思う!!「航大さんのお気持ちはよくわかります。私の夫がそうです。私も給料を取り上げられていて、ATMみたいにしか思われていません。浮気もされて目が覚めました。あんなクズとは一刻も早く別れて幸せになる努力をします!」「紀美さん……」「航大さんも幸せになる権利はあるんですっ! 諦めないでください!! 良かったらご家庭のこと、話していただけませんか?」「ありがとうございます。なんか、そういう風に心配されると…嬉しいものですね」 航大さんの瞳が潤み、彼は眼鏡を外して滲んだ涙を乱暴に拭った。不当な扱いを受け続けるとそれが慣れてしまうけれど、本当は心にずっと傷が付いていて苦しいんだ。虐げられていい理由なんかない。それに、航大さんはすごくいい人だ。見ず知らずの私のために怒ってくれて、建真のことも協力してくれて…。「そちらのご家庭も大変そうですね。スマートウォッチ以外にもいい商品が揃っていますよ。いかがでしょうか? 妻のモラハラ具合を撮影するのにぴったりです!」 そして金さんは、航大さんに他のアイテムを売りつけるために頑張っていた。 航大
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復讐クエスト1 / LV3 勇者ノリミ 06

  「麗華! こっちだよ」  私はスマホを操作するふりをしながら、彼らの動向を回しっぱなしだったスマートウォッチで撮影した。麗華というのが奥様の名前なのだろう。そして彼女を呼んだのは、スーツに身を包んだ長身でオールバックの男性。  誰だ? この人は私の知らない人だ。奥さんの知り合い…かな?  私は何食わぬ顔で二人を通り過ぎ、見つからないように物陰に隠れて様子を撮影した。 「正臣(まさおみ)クンの家、ここなの?」「いいや。お泊り用」「リッチ~♡」「新居は麗華と一緒に決めるって言っただろ」「も~♡♡ 気が早ーい♡ ATMから搾り取ってる最中だからもう少し待っててぇ♡」  なにこの絵にかいたようなクズ会話は!!??  奥さん…麗華さんって呼ばれていたな。ATMとかバカにしてるけど、きっと航大さんのことよね!?  あんなにいいひとをATM呼ばわりするなんて!!  自分のことのように怒りが沸いた。「俺も佳子(よしこ)から引っ張ってる最中♡」「また新しい女ぁ?」 麗華さん以外にも女性がいるんだ…。すごいな。ある意味勇者…。  そして私(本当の勇者)は物陰からスマートウォッチで彼らの様子を監視。  彼らはおしゃべりしながら腕を組み、マンション入口へと向かって歩いていく。でも大きな声で喋りっぱなし。…ばかなの?「佳子は会社にいるお局ババだよ。俺が好みらしいから、ミツグちゃんに育成してやった」 ひぃぃ。モンスターだ!  私は戦わずに様子を見ているしかできない。  建真と同じ部類でクズ同盟組めそう。「えー…それ、大丈夫?」「俺もうファイブスター辞めるし平気だって。目標額貯まったら別のとこ引っ越そう」「きゃ~~♡」 そんな会話をまき散らしながら、モンスター2匹はマンション内へ消えていった。戦闘終了。 恐ろしい戦闘に遭遇したせいもあ
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復讐クエスト1 / LV3 勇者ノリミ 07

 私の脳内で緊迫感のある戦闘BGMが流れている。  今日は不戦勝で証拠ゲットよ!!「ああ。ただいま」 建真は穏やかな返事を寄こしてきた。あれ。なんかいつもと違うな…。  もっとこう、ほら、いつもみたいに『お前となんかデキねえよ』とか『頭悪いな』とか、そういう類でガンガン攻めてきてよ~! そっちが来ないなら、こっちから行くわよ!!「あの…建真。今月生活費が足りなくて…用立てして欲しいんだけど」「いくら?」 んっ…なに、その返しは!?  思っていたのと違う…(汗)「あ、えっと…1万円ほど……」 いつもおねだりするのは最高額でも5千円!  1万円となったら烈火のごとく怒りだすに違いない!  さあ~、建真の怒り具合はこのスマートウォッチがバッチリ撮影しちゃうよ~!「ん」 鞄から財布を取り出し、1万円を抜いて私にくれた。 ええ――!?  なんでっ。 鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてると顔をしかめられた。「いらねえの?」「あっ。いるいる、いります!!」 慌てて姿勢を正してありがたく受け取ると、建真は私の手元をしげしげと眺めて言った。 「紀美、その時計どうしたんだ?」  ぎくぅ――――!!!! 「なんかいい時計してるじゃん」「あ…あのこれは…」「なに? 買ったの?」 ぶんぶんと首を振った。あんたを仕留めるための道具だなんて、口が裂けても言えない…!!「じ、実はこの前の懇親会で、わ、私…た、誕生日だったから、会社のみんなから、って…」 正直者だから嘘を吐くのがドヘタな私は、しどろもどろになって言った。「ふうん。ま、紀美に似合ってないから俺がもらってやるよ」「え!!??」 思わず大声が飛び出た。いやいや待って! これはあなたの証拠集めのために買ったもので…って言えるかぁ――――!!!!
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 01

「はぁぁ盗られたぁぁぁぁ!!??」 なんでも売買屋に訪れ、早速昨日の成果を金さんに聞かれたので『建真にスマートウォッチを盗られた』と報告したら、上記のように言われてしまったところから本日の物語はスタートだ。  今日もアプリメイクでしっかりと働いて就業後に金さんのもとへ。航大さんと待ち合わせしているので、この後大吉へ行く。今日は所持金があるから自分のお金でなんとかできそうだ。生活費が足りないと言ってゲットしたお金を飲みに利用しても。私の節約術はお手のものだから問題なし。建真にばれることはないだろう。  臨時ボーナスで新たな武器防具を買いたいところだが、1万円で高級装備品を買うことは困難(涙)。「離婚する気ありますか? なんで貴重なウォッチを盗られてしまうんですか!」 くどくど説教された(泣)。「で、でもっ、夫から1万円をゲットしました!」「1万円ですか」 目が($ω$)←こうなってるよ、金さん…。「同じウォッチを売ってください」「だめです」「なんでっ」「だから紀美さんはダメなんです」 えー。なにがダメなのよぅ…。「ウォッチを盗られてしまったのに、もう1本同じものを持っていたとなれば、それはどうしたと相手にツッコまれるでしょう。そうなれば紀美さんが水面下で動いていることが相手に伝わりますよ。考えてくださいよもっと慎重に!!」  くどくどくどくど。(説教タイム) ――紀美は5のダメージ ライフが5ポイントダウン ――紀美は賢さが上がった ――紀美は忍耐強さが上がった  長い説教を受けたおかげでメンタル(ライフ)は削られたが、少し賢くなった。命をすり減らし、人間こうやってレベルアップしていくのね。 「とにかく! 紀美さんにお渡しするものは置き型にしましょう。今度は盗られないようにしてくださいねッ!」 金さんはプリプリ怒りながら監視カメラをカウンターから出してきた。「寝室、リビング、できればクズ夫の部屋の監視が望ましいのですが。仕掛けられますか?」 使い方をレクチャーしてもらいながら嫌味もいただいた。  くっ…。地味にストレス!  ああもう早く建真と離婚して、金さんとのパーティーを終わらせたい!!「いくらですか?」「5千円でいいです。離婚ができるまでの物品レンタル代ってことにしておきます」「いいのです
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 02

  「紀美さん、この度は貴重な証拠を入手して下さって誠にありがとうございます!」 ビジネス口調な航大さん。ほんと真面目な方だな。  彼にはクラウド保存した昨日の奥様の浮気現場の映像を渡しておいた。証拠を共有して、作戦会議を練ろうということになったのだ。「紀美さんの近くのマンションで逢引していたなんて…驚きました。しかも相手は僕の元上司ですから」 上司…。家庭を壊している自覚のない人は地獄へ行ってもらいましょう。「偶然でもいい証拠が撮れてよかったです」「紀美さんのお陰で僕は目が覚めました」 航大さんはいつになくキリっとした雰囲気をしていた。浮気現場を目撃して吹っ切れたのかな。「今日は僕の話を聞いてもらえますか」「もちろんです。その前にドリンク注文しますね」 私は北斗さんにウーロン茶をお願いした。建真に残業だと言っている手前、お酒を飲むわけにはいかない。その隣で金さんはビールを注文していた。  なんでも売買屋の店番はいいのかな…?「僕には今、幼稚園に通っている萌絵(もえ)という3歳の娘がいます。基本的に妻が子供の面倒は見ているのですが、時々用事だとか息抜きだとかで、夜、出歩くことがありました」「3歳の子を置いて夜に出歩くなんて…」 時代も変わったものだ。私の子供時代ではあまり考えられなかった。  「家のことを頑張ってくれているので、自由にしてもらえばいいと思っていたのですが…どうやら違った目的があったみたいですね。信じられませんでしたが、腑に落ちました」 彼は既に怒りもせず達観しているように思えた。「娘にはかわいそうなことをしました。母親からずっと父親(ぼく)の悪口を吹き込まれていて…。妻と一緒に僕を疎むようになってきて、ついに娘が僕のことをATMだと言い出したのです」「ATMだなんてほんとにひどいです!! 許せないですね!!」「共感いただきありがとうございます。紀美さんも五代さんからひどい目に遭わされていると聞いて、他人事には思えなくて…僕たち、境
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 03

  「実のかわいい娘にそんな酷いことを吹き込むなんて…ッ! ドクズがぁぁぁぁっ!!」  怒りが収まらない北都さんは、格闘家が敵を倒す時のようなポーズで銀トレイを膝蹴りした。めこぉ、と鈍い音がして銀トレイは見事にへしゃげた。  ひぃぃ、膝蹴り…。こわぁぁぁぁっ!「コウ。アンタの女房、ここへ連れてきな。アタシがシメてやるよ」 目が座ってますが北都さんんんっ。しかも『アタシ』とか言っているし、もうこれは元ヤンとしか思えない…(汗)。「あーあ。また始まったよ北都の正義の鉄拳が」 やれやれ、というようにため息を吐いて金さんが言った。「後で新品のトレイ持ってくるから」「私が蹴っても壊れないトレイ仕入れといてっ!!」 北都さんはめちゃくちゃ怒っている。「そんなのない」「なんでも売ってる店なのに、平気でないとか言うな!!」「…確かに、一理あるな。わかった。北都のために探しておく。鉄製だったら壊れないかな。どこかの倉庫にあるだろ」 さすがにそれは、北都さんの膝が壊れちゃいますよ(汗)。「いい、ノリ、コウ! アンタたちは優しいからクズどもに舐められすぎてる! そんなの絶対許せない!!!! 私が殺(や)ってあげるから、作戦考えるよッッ!!」 というわけで、作戦を練ることになった。  三人寄れば文殊の知恵とも言うし、北都さんがいたら作成は完璧ね!!  「えっと…はいっ!」 名案を思い付いたので、私が挙手をして発言権を手に入れた。私たち以外はお客様は誰もいないので、相談内容が過激であっても、なんら問題はない。早速作戦を伝えることに。「今回、偶然ですが航大さんに使っていただけるような証拠を撮りました。なので、いわゆる交換殺人のような…『交換証人』としてお互いに相手を見張りませんか?」 これなら相手に見つかることなく証拠が揃えられると思う。賢さがアップした分、名案を思いつくようになった。まさにラブミステリーならぬクエストミステリー! 新ジャン
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 04

 とりあえず私は西日暮里ヒルズを見張るのが仕事となったので、まずは1週間のうち、麗華さんが出かける日を航大さんから聞いて任務を遂行。結果、週に2回ほど逢引の様子がカメラに収められた。  帰宅まで張り込めるのが一番いいらしいので、ベストポジション(ゴミステーションの上)を探してカメラを設置し、適当な頃合いを見計らってカメラを回収した。  建真には無事白い粉を使ってGPSアプリを仕込むことができた。持ち物共有をかけるべく、GPSアプリのQRコードが書かれた用紙を航大さんに渡すと、金さんが文句を言ってきた。多分高値で航大さんに売りつけるつもりだったのだろう。でもそうはさせないっ! 仲間だもんね。 この調子で2週間ほど調査を続けると、パターンが掴めた。 麗華さんは火曜日と金曜日にマンションに出入り、建真は水曜日と金曜日、土日のどちらかで晴菜と逢引きしていた。GPSはバッチリラブホテルやカップルで行くような遊戯施設を指していたので間違いないだろう。  更に私は置き型監視カメラを買って家に設置した。航大さんはUSB型の盗聴器を奥様の鞄に仕込み、回収をするのだとか。金さんに頼めばなんでも便利な道具が手に入るから、まるでドラ〇もんの四次元ポケットのようだと思った。 そして今日、航大さんが建真に北都さんを紹介してくれる。  バー『大吉』の方へ誘い、北都さんが建真に会い、フォーリンラブするという作戦。  うまくいくのかな。不安しかないが、ここはふたりに任せるしかない。  ミッション遂行日の深夜、建真はご機嫌でベロベロ状態で帰ってきた。北都さんがタクシーで送ってマンション前に到着したところを私が出迎えた。初対面のふりをして建真を受け取る。  北都さんはしらじらしく「奥様ですね、初めまして」とのたまい、「阿久尾 聖子(あくお せいこ)です」と偽名を名乗り、「では失礼いたします」と妖艶に微笑んでは帰って行った。偽名は『悪を成敗』から名づけたそうな。  まあ…あの美貌だと男の人ならイチコロよね。建真みたいな女性好きならなおさらだ。 その日から建真が浮ついた雰囲気になった。晴菜との関係はどうなるのかな
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 05

 さあ、今度はどんなアイテムを買おうかな? 就業後、早速なんでも売買屋に向かった。金さんになにかいいアイテムはないかと聞いてみたが、次に買えるアイテムはどれも高額でなにも買えなかった。日銭は大吉に預けているので、困ったときの足しにしようと思っている。 久々に居酒屋大吉でミーティングした。航大さんの方は特に進展はないが、北都さんから新着情報があった。「ケンってばすごいね。あれは女性の敵! 浮気相手のことこっぴどく振ったみたいよ。しかも理由が『ノリとやり直すから』って大嘘ついてた」(晴奈、フラれたんだ…) ざまぁ、としか感想がわいてこなかった。「相手の女は自分がフラれるとは思っていなかったみたいで、ケンに復縁まで迫ったんだって」「へええ…北都さん詳しいですね」「大吉のバーへよく来るから、ケンの情報は逐一手に入るよ。隣だからケンが来たらこっちに連絡が入るようになってる。バーの方はほとんどお客が来ないから、金ちゃんがしばらく店番手伝ってくれてるんだ。まあ、こっちの居酒屋もあんまりお客がいないけど」「連携プレーというわけですね。ありがたいです」 なんだかんだで金さんも仲間だから協力的! 嬉しいなぁ。「コウの方は順調?」「はいまあ、おかげさまで」「そう。そっちも頑張りましょうね」 にっ、と北都さんが笑った。彼女は不思議な女性だ。どうしてこんなに私たちサレ側・弱い者の味方を身体を張ってまで応援してくれるのだろう。「北都さんは、見ず知らずの私たちにどうしてここまで親身になってくださるのですか?」「悪者をやっつけたい…ただ、それだけ。私も理不尽に苦しめられた過去があるからね。だからあんたたちの気持ちはわかる。心強い味方がいるだけで頑張れることを知っているから」 心強い味方がいるだけで頑張れる――そのとおりだ。私もこの『復讐クエスト』を完成させて、世の苦しむ人たちの味方になりたい。 「だからノリやコウも、誰かが困っていたら助けてあげて」「「はい!」」 ふたりで同時に返事をした。息がぴったりすぎて航大さんと思わず顔を見合わせて笑った。 ああ、建真と結婚してうまくいかなくなってから、こんな風に笑ったのは久しぶりだ。「ふたりはいいコンビだね」「紀美さんとはサレ仲間ですから。共有できる痛みも同じで、分かち合えます」 航大さんが真面目に言うから
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 06

 いつも以上に緊迫したBGMが私の脳内を駆け巡る。「なあ、紀美。お前の口座どうなってんの? 金、入ってないんだけど」 建真の攻撃!「え。知らないよ」 建真の攻撃をかわし、とぼけてみせた。「知らないよ、じゃねえだろ。給料の振り込み口座変えただろ? じゃなきゃおかしい。こんなことは今まで一度もなかった」 建真の更なる攻撃! 私は心臓がひやりとした。5ポイントのダメージ!  おろおろしてなにも言えない状態に陥った。「貸せ」 リクルート鞄をひったくられた。建真は鞄を漁り、私の財布だけを抜き取って鞄を床に投げ捨てた。「なんだこれは?」 新しく作ったキャッシュカードを目の前に突き付けられたので目が泳ぐ。こんな時、正直者の性格が憎らしい…。「俺に許可もなく勝手に口座作って振込先変えるなんて、いい身分してるな。誰に養ってもらってると思ってるんだ?」「で、でもっ…」「でもじゃねえよ! 夫に許可なく口座変えるような真似して、無能なお前が無駄遣いしたりしないように、俺が管理してやってるんだ。ありがたく思え」 その言葉に私の中で何かが切れた。もう黙っていられない。「かっ、勝手なこと言わないでっ!!」 張り詰めた糸が切れたように、私は一気に建真へ不満をぶちまけた。「そんなこと、ぜんぜんありがたいなんて思えないっ!! 私だって美容院にも行きたいし、もっとお洒落したいし、化粧品だって欲しい! お洋服も欲しいしもっと、もっと、やりたいこといっぱいあるもの!! このお金は私が稼いだお金だよっ! 自由にしてもいい権利はあると思う!!」 涙を流しながら大声を上げる姿はさぞ滑稽で、言っていることも支離滅裂だったかもしれないけれど、それでも少し前の自分とは違う。勇気をもって扉を開けた私は、やっと、自分の物語を自分のものにしようともがいている。建真のいいなりで馬鹿にされていたあの頃の自分とは違う。  私は、勇者ノリミだっ!!   「お前が、お洒落?」
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復讐クエスト1 / LV4 勇者ノリミ 07

 翌日。なんとかならないかと思い、出社後社長に頼んで朝いちばんに銀行に行かせてもらった。窓口で確認してもらったら、新しい口座に入っていたはずの私のお給料は既にほとんど引き出された後だった。マイナス額が記帳された通帳が戻ってきた。 次こそ建真には渡さないっ!! 私はその場でキャッシュカードを紛失したための再発行手続きを行った。今度はまったく別の数字にした。忘れっぽい私は暗証番号をほとんど同じにしていたが、もうやめる!  新しい番号は『9636』。語呂合わせアプリ(自社で作ったアプリ)で出してきた数字で、『9636(きんさん)』だ。なぜこれで金さんになるのかわからないけれど、これなら絶対忘れないからよしとした。  家にいないことも多いため、カードの送付先は職場にした。これでもう絶対に建真の手には渡らないし、お金もこれから金さんに預けておこうと思う。持ち歩いている現金が少なければ、取りようがないもんね。 金さんはお金に対してはきっちりしているし、他人のお金を使ったり盗んだりというようなことはしなさそうなので、安心して預けられる。彼はお金に正直で、金融業もしているからその面の信用もある。賢くなった私はいろんなアイディアが思いつくようになった。 もう今までとは違う。  絶対に自分で自分の物語をハッピーエンドに持って行くんだ。そのための努力をしなきゃいけないことに気が付いた。  幸せは誰も運んでくれない。  自分で掴むものなのだ、と。  自分でも思う。強くなった。昨日、建真に言い返すことができたことが一番大きい。  この思いをなんとか他のくすぶり悩んでいるすべての人たちに届けたい。北都さんと同じ気持ちになり、私はゲーム開発に勤しんだ。このアプリが完成させることも、私の中で大きな目標となっている。(ん――…今日も頑張った!) 退勤時間となったので会社を出ると、ちょうど北都さんからメッセージが入って来た。大吉に来い、という内容だったので店に急いだ。   「いらっしゃい、ノリ」「北都さん!」 今日も美
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