Semua Bab 復讐クエスト: Bab 41 - Bab 50

52 Bab

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 01

 「えーてぃーえむ、かえってきたぁ~」  僕に向かってひどい言葉を投げつけてくるのは、まだ3歳になったばかりの娘、萌絵(もえ)だった。「お帰りなさい」ではなく「えーてぃーえむ、かえってきたぁ~」はないだろ……。「萌絵。なんてことを言うんだ。そんなことを言ったらパパは…」「うっ、いたいのしないでぇっ。うわーん! パパこわーい!!」 萌絵が逃げ出した。もう……なんでこうなるんだ……。「ちょっと、萌絵になにをしたの?」 騒ぎを聞きつけた麗華(れいか)が寝室から現れた。まだ午後9時にもなっていないが、既に就寝準備が完了している。僕を迎えてくれる気配もない。もちろん食卓に僕の食事が用意されているわけでもない。「いや、萌絵が僕のことをATMとか言うから……」「ほんとうのことでしょ。父親なんだからそんなことで目くじら立てて怒らないでよ」 ぷい、とそっぽを向いて麗華は行ってしまった。お帰りも言ってくれないのか。今日は変なクレームをつけられて仕事で結構大変だったから、家族の顔を見て癒されたいと思っていたんだけど……。 肩を落としてリビングへ向かった。綺麗に片付けられたテーブルに、僕の食べるものは乗っていない。(自分で作るか……) 冷蔵庫を開けたがめぼしいものも無い。冷凍庫にはぎっしり冷凍食品が詰まっているが、どれも萌絵の食べそうなものばかりで、僕が食べてもよさそうなものはひとつもなかった。  炊飯器を見てもジャーは空っぽ。本気で僕に食べさせる気はないのだろう。ただ、気になるのはジャーが空のことが多いことだ。麗華は普段、萌絵なにを食べさせているんだろう。聞いても答えてくれないし、休日は僕を自宅に置き去りにして麗華の実家へ行ってしまうから、知りようがない。  妻の麗華とは何年もこんな状態で夫婦間は正直冷え切っている。しかし娘は可愛いし、僕としては妻のことも愛しているので普通に暮らしていきたいと願っているんだけれど…。 萌絵と麗華は寝室に引っ込んでしまったので、僕はひとり淋しくカップラーメンを静かに食べ
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 02

  「なに? 私は予定も入れちゃだめってこと? 昔働いていたみんなで定期的に火曜の夜に集まろうってことになってるんだけど、私だけ行けないってことよね? アンタのせいで」「ご、ごめん…」「私は息抜きもできないんだぁ? こーんなに家事も育児も頑張っているのに、ひどい…」「いや、そういうつもりじゃ…でも、明日は僕が先に…」「明日、みんなに会えるって楽しみにしてたのに…そっちはどうせただの飲み会でしょ。譲ってよ!」「わ、わかったよ。こっちは断っておくから…」「最初からそう言いなさいよ。ほんとダメなやつ。アンタと喋ってたらイライラするわ。ほんと、私をイラつかせる天才ね! 洗濯物片づけといてよ。萌絵がぐずって大変だったんだからそれくらいやってね。あ、リビングもよろしく。萌絵が散らかしたから」 目の前で扉を閉められた。 飲み会のキャンセルはしょうがないか。楽しみにしていたんだけど、明日は萌絵とふたりで過ごそう。なにか美味しいものを作ってやりたいな。 ちらっと見ると明日は火曜日だった。そういえば火曜日と金曜日はママ友や同級生と会うことが増えたから、夜に萌絵のことを頼むって言われていたんだっけ。  ああ、僕はダメだな。スケジュール調整ができていないのはこっちの方だった。 仕方なくもらったメッセージに返信した。 ――ごめん 明日行けない。子供のご飯作らなきゃいけなくなってさ。3人で楽しんできて。  するとすぐ、せっかくだから日にちをずらそう、次の日はどうだ、と聞いてくれた。  水曜日なら大丈夫かな? 奥さん(れいか)に聞いてみる、と返信をした。  行かせてくれるだろうか。  「明日だったら別にいいわよ」 翌朝、なんとか麗華を捕まえて翌日に予定をずらせてもらえたから、飲み会に行ってもいいかと尋ねたらあっさり許可が取れてほっとした。  今夜は萌絵とふたりだ。それはそれで楽しみだ。萌絵は僕と一緒になにが食べたいのかな。帰る時に聞いてみよう。 残業は絶対にできないので張り切って仕事に取り組んだが、就業直前で仕様が変更になり、言い渡された企画の仕事が帰宅時間を圧迫しそうになった。  困っていると僕の部下である武田理央奈(たけだりおな)さんが事情を配慮して、代わりに企画書を仕様変更する対応をしてくれると申し出てくれた。 彼女もともと大学の後輩で人とな
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 03

 夕飯を食べて行けばいいという母の申し出を断り、萌絵と一緒に買い物へ行った。子供と触れ合う時間はなによりも大事にしたい。「萌絵、食べたいものあるか?」「んー…」「萌絵の好きなもの作るから」「パパ、つくれるの?」「そんなに作れないけど」 スーパーをウロウロしたが、あまり料理がうまいわけではないので夕飯のメニューがすぐに決まらなかった。「おかし、みていい?」「ああ、いいよ」 迷子になるといけないので一緒について行った。お腹空いただろうに、早くなにか決めなきゃ…。  萌絵がててて、っと走って行ったお菓子コーナーの一角に、かわいい女の子向けのアニメキャラクターのお菓子がたくさん置いてあった。『魔法少女キュアキュア』というアニメで、萌絵が好きなものだ。娘はおもちゃ付きお菓子をじっと眺めていた。「欲しいのか?」 萌絵は首を振った。「…どうせ、だめ、いうもん」「いいよ。買ってあげる」「…ほんと?」「もちろん」「やったぁ! ありがと、パパ」 にこっと笑う萌絵の可愛らしいこと。目の中に入れても痛くないという言葉がまさにそれだ。実際に入れたら死ぬほど痛いだろうけれど、僕は萌絵のためならなんでもできる気がした。たとえ失明したとしても後悔はしないだろう。…いや、後悔するか。なんでこんなことしちゃったのかな、って。 はは。こんなこと考えるなんて親ばかだな。可愛い萌絵がそれだけ好きだってことだもんな。 萌絵はキュアキュアのお菓子の箱をしっかり握っていた。相当嬉しいようだ。そこから反対側の棚に回ろうとしたところで、キュアキュアの特設コーナーがあった。対象商品お買い上げでキュアキュアグッズプレゼント、となっている。ドリンク、カレールー、パスタなど。  ……きっと萌絵が喜んでくれる。買おう!   「萌絵の好きなカレー作ろうか」 カレーのルーは2箱買えばグッズ1個もらえる! そのほかは4つ買わな
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 04

  「萌絵の好きなカレー作ろうか」 カレーのルーは2箱買えばグッズ1個もらえる! そのほかは4つ買わなきゃいけないから、夕飯事情も含めてカレールーを買おう。「たべたい!」 これで晩御飯は決まった。ほっとした。「2箱買ったらキュアキュアのキーホルダーもらえるみたいだから、どれがいい?」「え~っ、どうしよ~」 萌絵は目を輝かせてキュアキュアのキーホルダーを選んでいた。随分悩んだが主人公の女の子がかっこいいポーズを決めているものに決めたようなので、カレー2箱と野菜類を買って手を繋いで家に帰った。 カレーならなんとか作れる。萌絵はコーンが好きだからカレーに入れて圧力鍋で煮込んだ。一緒に皿を並べて準備して、キュアキュアのアニメを見ながら野菜たっぷりの甘口カレーを食べた。おいしい、と言ってくれたので嬉しかった。「なあ、萌絵。普段はママにどんなものを作ってもらってるの?」「んーっと…いろいろ」「そっか。ママには敵わないと思うけど、パパも作れる料理のレパートリー増やすから、食べたいものがあったら言って欲しいな」「うん!!」「ママも早く帰って来て、3人で一緒にご飯食べられたらいいのにね」「…ん」 急に萌絵がしゅんとなった。やっぱり淋しいんだろうな。僕じゃだめってことかな…。 バシャ「あっ」 お茶を飲もうとしていた萌絵が手を滑らせ、テーブルいっぱいに中身をぶちまけてしまった。「あ…ご、ごめんなさい! ごめんなさ…」 みるみる涙目になり、萌絵がぶるぶると震え出した。 翌日。路地裏に安くてうまい居酒屋があると『大吉酒場』という大衆居酒屋へ連れてきてもらった。すでに大勢が食事や飲みを楽しんでいた。  飲み放題プランを申し込んでくれているので、うまそうなから揚げやおつまみをつまみながらビールやハイボールを煽った。  酒が進むと、それぞれみんな結婚しているから家庭の話になり、愚痴大会となった。「子供生まれてからレスになっちゃったよ
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 05

  「おいおい、ちょっと飲みすぎじゃねーの」 サトユキが声をかけてくれたが、酔っているせいで感情のコントロールがうまくいかない。「居場所ないのは辛いよ…うう…」 僕もヨータローの家のようにかわいい娘と奥さんの麗華だけを大事にして暮らしたい。   「一度でいいからぁ、やってみたいよぉ。おつまみほしいなー、もってきてー! って」 僕の家なんか声をかけようにも奥さん台所にいないんだぞ~!「そんなことしたら嫁に睨まれて家入れなくなるよ」「ほんとほんと。アハハ」 テルが一緒になって笑ってくれた。笑えないぞ~!  おかわりのビールを取ろうとした時だった。  ガチャン  バシャ  持ちそこなってジョッキが倒れたと思ったら、隣接するように座っていた全然知らない方のジャケットにお酒がかかってしまった!「おい、航大なにやってんだよ」 サトユキの鋭い声ではっとした。「わああ、す、すみませんっっ」 慌ててジョッキを元に戻し、僕がビールをかけてしまった女性に謝った。   「ほんとうに申しわけありません!!」「いいですよ。拭けば落ちると思います。すみませーん、おしぼりいただけますかー?」 麗華だったら烈火のごとく怒っただろうが、彼女は違った。黒髪にはややウェーブがかっており、とても優しそうな眼をした女性だった。普段から眉を吊り上げている麗華とは大違いだ。  おしぼりでジャケットを拭いている彼女の手元を見ると、左薬指に結婚指輪が光っていた。彼女もきっと、幸せな結婚生活を送っているのだろう。こんなに優しそうな人なら、きっとヨータローの所のように家庭円満なのだろう。 羨ましい。  でも、どうしたらそんな家庭が築けるんだろう。 最愛の娘からもATM呼ばわりされるような出来損ないのサラリーマン戦士の僕には、縁遠い話だ。 今の出来事ですっかり酔いが覚めた僕は、ウーロン茶を飲むことにした。飲み過ぎで酩酊状態で帰
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 06

 それから仲間と他愛もない話を交わし、別れて家に帰ってから気が付いた。  迷惑をかけてしまった女性にクリーニング代を渡すのを忘れてしまった、と。 あああしまったぁぁぁ…。  あの人、また店に来るかな…。  お会いできるまで、どうせ家に帰っても食事の用意がないから、暫くあの店に通おうかな。定食っぽくなるように注文すれば十分晩御飯として成立しそうだ。 というわけで翌日から『大吉酒場』へ通うことにした。  彼女は結婚しているから、そうそう会えないかもしれない。でもクリーニング代を渡さないと気がすまない。連絡先も聞いていないし、名前もわからないので店に頼むこともできない。自力で探すしか…。  そう思っていたのも束の間。翌日同じようにカウンターで飲み食いしていると、ひとつ席を空けた先に見覚えのある女性が座った。 「「あっ」」  彼女だ!「よかった。お会いすることができて。僕、あなたにクリーニング代をお渡ししようと思って、ここに来たらまた会えるかなって思って待っていました」 おっと。名乗りもしないで待ち伏せしたなんて、不審者と思われても困る。「先日は大変失礼しました。僕はこういう者です」 自分の名刺を渡すと、彼女も名刺をくれた。 ――『アプリメイク  アプリゲーム企画開発部 エンジニア  五代 紀美(Norimi Godai)』  五代紀美さんか。へえ~アプリゲームの企画開発でしかもエンジニアだって!  カッコいい~!   「先日はほんとうに申しわけございませんでした。これ、受け取っていただけますでしょうか」 白い封筒に1万円を入れたものを差し出した。これで十分足りると思うけど、大丈夫かな…。僕もあまりお小遣いは高い方じゃないから、これが精いっぱいなんだけど。「あ、いえっ。ぜんぜん、シミにもならなかったので大丈夫です! それなのにお詫びをいただくなんて…」「粗相があった際は、我が家では必ず罰金を支
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 07 

 「は? なに、事件って。それよりまず自己紹介でしょ」 そう言って北都さんは五代さんに挨拶をしていた。その間に僕はインテリ眼鏡さんから名刺をもらった。――『株式会社 なんでも売買屋 代表取締役社長 万時 金成(まんじ かねなり)』 住所を見ると隣のビルになっている。近いんだな。 お互いのことをわかるために話を進め、そして万時さんが『事件』になる核心部分を切り込んだ。「実はな、紀美さんは旦那から酷いモラハラを受けているんだ。生活費はたった2万円しかもらえず、彼女が稼いだ給料は旦那に取り上げられて、飲み代すら捻出できずに俺の所へ二束三文のネクタイを売りに来る有様だ。どうだ北都。彼女が可哀想だと思うだろう? 助けたいと思うだろう?」「…んじゃそいつぅっ!!」 北都さんは般若の顔に早変わり。持っていたトレイがミシミシ恐ろしい音を立て始めた。銀のトレイが割れんばかりの勢いだ。 えぐい音してますが…。トレイの気持ちを代弁するなら『こ わ さ れ る ~ !!』 だと思った。「金ちゃん、詳しく教えな」と北都さんは人殺しも厭わないような鋭い目線で万時さんに尋ねた。「うん。かくかくしかじか――…」 話している間に離婚するかもしれないからという理由と、もう仲間なんだから水臭いという北都さん持論でみんなのことを名前で呼ぶ流れになった。 それはさておき、五代さん――もとい紀美さんがひどい仕打ちを受ける様子やお金を奪われている話を聞いた。「か弱い女性を泣かせるなんて…そのクズは地獄行きだろうが!!!!」 北都さんは明らかに怒っている。言葉遣いが乱暴なところが気になった。美人なのに…。でも、それだけ許せないことなんだ! 僕も腹が立つ!!「ほんとうに酷い…そんな男がいるなんて、同じ男として赦せないですね!!!! 僕もなにか力になれることがあれば協力します!」 大したことはな
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV1 勇者コウダイ 08

  「しょうがないね。金ちゃんはドケチだから、ぜったいにお金を払わないと欲しいものは売ってくれないんだ。だからまずはお金を貯めよう」「ドケチは余計だ」万時さんがぼそりと呟いた。「ほんとのことじゃない!!」 ふたりが喧嘩を始めたので、僕はそっちを無視して紀美さんに伝えた。「今のお話を聞いて考えたのですが、紀美さんの稼いだお金なのに、お給料を彼に取られているのがそもそもおかしいと思います。新しい口座を作って、職場に給料の振込先を変えて欲しいとお願いするのはどうでしょうか?」「あ…思いつきもしませんでした!」「コウ、名案じゃない! さっすが~♪」 バシ、と北都さんに肩を叩かれた。「い”っ……っ!!」 肩に激痛が走り、結構なダメージを受けた。予想では10ポイントくらいのダメージを受けたと思う。  先立つものがない紀美さんを救済するべく、北都さんが大吉でアルバイトを提案し、紀美さんはアルバイトを快諾していたので金銭面の困りごとはなんとかなることになった。 よかった。一安心だ。紀美さんとは連絡先を交換した。彼女はアプリでゲーム開発をしているほど、ゲームが好きらしい。話しが合いそうだ。僕もゲーム好きだから。  話がまとまったので帰宅することになった。飲食代を支払おうと伝票を北都さんに渡すと、心配そうに彼女が言ってくれた。「コウもわけありっぽい感じだから、よかったら相談乗るよ」「いや……ははは……」この人はエスパーなのだろうか。「ため込まずにここへ話に来てね。大吉はそういう場所だから」「はい」「遠慮は禁物。もう仲間なんだし」 仲間……。「ありがとうございます!」 北都さんがかけてくれた言葉は、いつもひとりで家庭に戻っても居場所がなくて、辛かった僕の心を温めてくれた。  なんの仲間かわからないけれど、これからの僕の人生が明るく変わっていく予感がした。 ――五代 紀美 が仲間になった ――東雲 北都 が仲間になった
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 01

 「初めまして。本日はお時間をいただきましてありがとうございます。五代と申します。よろしくお願いいたします」 爽やかな挨拶と共に名刺を渡され、僕は驚愕した。 五代…建真。昨日紀美さんに聞いた苗字と同じ名前だ。珍しい名前だから間違いないだろう。 なぜ、紀美さんの旦那が僕の会社に…。いやいやいやいや、ただの偶然だけども、できすぎていて怖い現実。ゲームシナリオのような展開だな。「第二営業部主任の宇治川です。今回、御社の新商品について最適な広告を打ち立てられるように提案させていただきます。いくつかプランがありますので、互いに精査しながら最適なマーケットへのアプローチを提案できるように尽力いたします」 この男が紀美さんの……。彼女から給料を巻き上げ、苦しめ、虐げているのか。伴侶となった彼女を裏切り…想像するだけで怒りが沸点に達した。 こんなクズ、生きる価値無し! 僕は心に決めた。仲間になった紀美さんのために、こいつを地獄へ送ってやろうと。 どんな風にするのがいいか、じっくり考えよう。まだまだ『復讐クエスト』(紀美さんが面白いゲーム開発をしていることは聞いた)は始まったばかり。 やるぞ!! 早速今日、紀美さんのクズ夫に会ったことを紀美さんにお知らせしよう。 そんな風に思いながら打ち合わせに励んでいると、スマートフォンにメッセージが入った。――口座変更成功しました! 航大さんのお陰です!! あ。早速アドバイスを実施してくれたんだ。嬉しいな。「すみません、取引先からの連絡が入りまして。返信してもよろしいでしょうか?」「どうぞどうぞ」 僕の目の前に座って打ち合わせを遂行している五代建真さん――もとい紀美さんのクズ旦那は爽やかな笑顔を見せた。この爽やか男の仮面をはぎ取って、白昼の下に晒しやっつけてやる! 僕は自分が勇者になった気分になった。そうだ僕は勇者。なんでもできる勇者だと信じて悪者を
Baca selengkapnya

復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 02

 結局、昼休み終わりくらいまで打ち合わせにかかった。僕の会社は割と昼休みを自由に取っていい会社なので、遅めのランチをしようと思ってフロアを歩いていたところで、神妙な顔をした武田理央奈さんと出くわした。「武田さん、この前はありがとうね」 ちゃんとお礼を言えてなかったので、先日萌絵のお迎えの時に入った残業を代わってくれたことについて礼を述べた。「あ、宇治川さん…」 いまにも泣き出しそうな武田さん。いったいどうしたのかな?「どうかした?」「あ…少し、お話を聞いていただけませんか?」「話? いいよ。お昼はもう食べた?」「いえ。これからです」「じゃあ、この前のお詫びも兼ねて昼食はご馳走するから、外へ行こうか」「ありがとうございます」 しょんぼりとした様子で武田さんが僕の後に続いた。元気ないけどどうしたのかな。  会社近くのコーヒーショップ適当なランチセットを2つ注文し、向かい合って席に着いた。「武田さん、どうしたの?」「実は…加藤さんが…」 マーケティング課のお局・加藤佳子さんのことか。「加藤さんとなにかあったの? 君はマーケティング課に手伝いへ行くのは来週じゃなかったっけ?」「はい…そうなんですが、急に一人出社しなくなってしまったので、今日手伝いに入ったのですが…」 武田さんは涙目になっていた。「無理です…私、マーケティング課のお手伝いはできそうにありません…」 え!? 責任感も強く真面目で頑張り屋の武田さんが、どうしてこんなことを…。なにか困ったことがあったのかな。  「えっと…僕で手伝えることはある? 武田さんがお仕事頑張れるようになにか…」「無理なんです」「どうして無理なんて…」「葛野(くずの)さんが私を贔屓にしているからって…朝から加藤さんと言い合いになってしまって、そのあと、大事なデータをデリートしたとやり玉に挙げてきたんです…それが私のせいにされてしまって」「
Baca selengkapnya
Sebelumnya
123456
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status