「葛野君、いったいどういうことかな?」 社長は大変な愛妻家。そして僕の発言は最高に愛妻家。社長が葛野の味方をすることは100%無いだろう。「いえいえあのこれはっ、ですからっ、う、ううぅ、宇治川君が、そのっ、僕にあれこれ指図を…あ、いえ、注意を…受けてですね、その…」「社長! 私、葛野さんから何度も食事に誘われたり、嫌だから止めて欲しいとお願いしても、ぜんぜん止めてもらえませんでした! それを庇ってくださった宇治川先輩にこんな酷いことをして…ぜったいに許せません!!」「社長っ、僕はそんなことをした記憶はありません! 確かに食事に誘ったことはありますが、それはあくまでも懇親会の範囲でして…決してそのようなつもりでは……」「すみません、よろしいでしょうか」 葛野と武田さんが揉めている所に割り込む形で挙手をした。「そんなつもりがないというなら、これについてご説明いただけませんか?」 僕は自分のスマートフォンを掲げて流した。紀美さんから送っていただいた動画だ。 葛野と麗華が逢引し、最悪な会話をしていることを――「葛野さんは僕の妻によろしくして下さったのですよね? ほんとうに、どうもありがとうございます。どう償われるおつもりなのか、今ここではっきりと申していただけますでしょうか?」――コウダイの会心の一撃!――モンスター・クズノは瀕死の大ダメージ!! 「あぁぁあの…」 みんなの視線が葛野に向かう。 彼はこの世の全てが終わったかのような顔で、がっくり膝をついた。「ふ、不祥事を起こしてしまいまして、も……もうしわけございませんでした……」 みんなの見ている前で泣き土下座されてもね~。ただ、モンスターの社会的地位が地に落ちただけじゃないか。
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