陽菜は、立花から次々と送られてくるメッセージを見つめながら、あまりの情報量に、椅子に座っているだけなのに軽いめまいを覚えた。 ここ数日、一条や鷹宮の存在に気を取られていたおかげで、父の事件がもたらす重苦しさは少しだけ薄れていた。 けれど今、立花のメッセージを目にした途端、その感覚は一気に引き戻される。胃の奥をぎゅっと掴まれたような圧迫感が再び押し寄せ、陽菜は息が詰まりそうになった。 その場で、陽菜はすぐに母へ電話をかけた。だが、なぜか母はなかなか出ない。 出かける時間が近づいていた。陽菜は何度か続けてかけ直してみたが、結局つながらなかった。仕方なく、父に電話をかけることにする。 父が入院してからというもの、父を刺激しないようにと、事件に関する話はいつも母を通して伝えていた。 母とは違い、父はすぐに電話に出た。 「どうしたんだい、陽菜ちゃん」 父の声は思ったより元気そうだった。受話器の向こうからは、どこかざわざわとした音が聞こえてくる。 「お父さん、体調は大丈夫?」 「うん、元気元気。最近は心臓もそんなに痛まないんだ。余計なことを考えなければ、気分もいいしな」 「……それならよかった。あのね、お父さん、弁護士先生が聞きたいことがあるって――」 「弁護士」と聞いた途端、父の声色が急に慌ただしくなる。 わざとらしく「おっとっと」と声を上げた。 「ああ、陽菜ちゃん、なんだか急に頭がくらくらしてきたぞ。熱でもあるのかな? ちょっと看護師さんに体温を測ってもらわないと。もし熱があったら心臓にもよくないしなあ……」 「お父さん……」 「それで? 弁護士先生は何て言ってたんだ? 大学の先輩なんだろう? お父さんもお母さんも、陽菜ちゃんが頼った人なら安心してるよ。家のことは分かってるだろう? まずは陽菜ちゃんが少し頑張ってくれ」 今回の出来事の衝撃が大きすぎたのか、それとも父も年を取ったのか、以前のような頼もしさは、もう感じられない。 陽菜が事件の話を真剣に切り出そうとするたび、父はこんなふうに下手な演技で話を逸らす。 そのあからさまな拒絶に、陽菜は胸の奥で小さく苛立ちを覚えた。 母も同じだった。 電話をしても、父への不満や生活の愚痴ばかりで、事件の進展にはほとんど関心を向けない。 すべてを背負っているのは、結局陽菜ひとりだった。 陽
Mehr lesen