そう言い捨て、雅也は足早に会議室を後にした。残された役員たちは、突然の事態に顔を見合わせ、戸惑いを隠せなかった。しかし、彼らが雅也の急な退席の理由を知るのに、そう時間はかからなかった。今日、創和が最新開発チップ「銀河」の発表会を行ったのだ。律がステージ上で誇らしげに語る銀河のスペックは、現在展望技術が最終テスト段階に入っているレイ・グローリー第6世代と、ほぼ完全に一致していた。銀河の発表会の中継映像を見終えた雅也の顔は、これ以上ないほど陰惨に歪んでいた。「社長。創和が今日発表した『銀河』は、明らかに当社の第6世代をピンポイントで狙い撃ちしたものです。間違いなく、社内の何者かが第6世代のコアデータを外部に漏洩させています。でなければ、これほどまでにスペックが一致するはずがありません」「開発部の統括を呼べ」社長室へ向かう道中、統括はすでに雅也の意図を察していた。部屋に入るなり、彼は血相を変えて報告した。「社長。現在、開発部の全メンバーを対象に緊急調査を行っています。長くて三時間、三時間以内には、必ずデータ漏洩の有無と犯人を特定してみせます」「『有無』を調べる必要はない。漏洩は確実に起きている。お前がやるべきことは、その裏切り者が誰なのかを突き止めることだけだ」統括は青ざめた顔で頷いた。「かしこまりました。一刻も早く特定します」「下がれ。二十四時間以内に結果を出せ」統括が退室し、社長室は再び重苦しい静寂に包まれた。雅也は深く息を吸い込み、書類を手に取ったが、一行たりとも頭に入ってこなかった。第6世代には、すでに数兆円という途方もない開発資金が投じられている。もし裏切り者をあぶり出し、事態を覆すことができなければ、そのすべてが海の藻屑となる。雅也は書類を叩きつけるように置き、恭平を呼びつけた。「ファルコンに、現在の任務をすべて中断させろ。第6世代の開発に少しでも関与した全従業員、およびその家族と友人の身辺調査を徹底的に行え。三日以内に、直近で大金の入金があった者、あるいは不動産などを購入した者をすべて洗い出せ」恭平は顔を引き締めて頷いた。「かしこまりました。直ちに手配します」一方その頃。創和の新型チップ銀河の発表は、市場に凄まじい衝撃を与えた。発表直後から創和の株価はストップ高となり
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