「やってやったわ!!!」「香織お嬢様、機嫌がいいですね」帰りの車の中。香織がご機嫌な様子で壮太に話しかけた。「あの二人の顔ったら、見ものだったわ!」「何はともあれ、うまくいったようでよかったです。忠嗣様の娘なだけあります」「ええ、そうね」香織は亮太と日菜乃に一泡吹かせられたことが嬉しくてたまらなかった。前世ではしてやられてばかりだった香織の最初の反撃だった。「香織様は……これからどうなさるおつもりですか?」「もちろん、亮太とは離婚するつもりよ」「……」壮太は失礼だとわかっていながらも、ずっと心に引っかかっていたことを尋ねた。「……よろしいのですか?香織様は羽川様を深く愛していたはずでは……」「愛……」そこで香織の頭に、前世の記憶がよみがえった。亮太と結婚したときのこと、彼が日菜乃と娘を邸宅に連れてきたこと、彼からの拷問を受けて命を落としたことまで。走馬灯のように香織の頭を駆け巡った。「そうね、彼のことをとても愛していたわ」「やっぱり……そうですよね」壮太は香織の顔を見ることができなかった。きっと彼女は夫の浮気に悲しんでいるにちがいない。そう思っていたからだ。しかし、車のルームミラー越しに見えた香織の顔は、壮太の想像していたものとは違った。「香織お嬢様……」香織は明るい表情で、僅かに口元に笑みを浮かべていた。「たしかに最初は亮太の裏切りを受け入れられなかった。そして日菜乃を恨み、攻撃し続けた。でもね、そんなことをしたところで相手の思う壺よ」前世、日菜乃は香織を悪人に仕立て上げようとあらゆる挑発をしていた。香織はまんまと彼女の策略に嵌まってしまったのだ。亮太はそのたびに日菜乃をかばい、香織を悪人だと決めつけていた。「だから私は、よりよい道を選択することに決めたの」そう口にした香織の表情はすがすがしく、壮太は安心した。「人は自分が一番大切な生き物だから。私だって同じよ。どれだけ亮太が反対しようと絶対に離婚してやるんだから!」香織は拳を握りしめて意気込んだ。壮太はそんな香織を見て笑った。どうやら自分の心配は杞憂だったようだ。「応援しています、香織お嬢様。離婚が成立したら盛大にお祝いのパーティーを開きましょう」「あら、いいわね」愛人の妊娠祝いのパーティーを開いた亮太への当てつけの言葉だった。二人が車内で談笑
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