先ほどから何度も向けられる、軽蔑の眼差し。それは少なくとも、何の罪も犯していない一般人に向けられるようなものではなかった。亮太は罪を犯していないわけではないから、考えられる可能性はただ一つ。(コイツら……一体どこまで知っているんだ?)彼には警察の上層部が付いているはずだった。しかし、警察の手が及んだということは何らかの異常事態が発生したのだろう。バレている可能性が高かったが、彼もそう簡単に罪を認めるわけにはいかなかった。警察がまだ確実な証拠を手に入れていない以上、彼が自白さえしなければ有罪になることはない。(それに、俺は何も間違ったことはしていない。全ては日菜乃に毒を飲ませたあの女がいけないんだ)愚かにも、彼は本気で香織に非があると思っていた。「……何のことだか、全くわからないな」「しらばっくれるおつもりですか?社長――いえ、もう何と呼べばいいのかわかりませんね」「……何だと?」亮太は地元ではかなり名の知れた人物だった。当然、彼の地区の管轄である警官たちも彼の存在を知っていた。いつも町内ですれ違うたびにペコペコと頭を下げてくるような男たちが、今日に限ってやけに威圧的だった。釈放されたら必ず報復してやる――と彼は心に誓った。「今からおよそ一年前……あなたの住む羽川家の近くから一人の女性の遺体が発見されました。遺体は至るところが激しく損傷しており、死因が特定できないほどでした」「……」一年前と言えば、ちょうど香織を地下牢に閉じ込めて拷問を加えた時期だった。亮太は全てを実行犯たちに任せたこともあって、彼女の最期を詳しくは知らなかった。――死因が特定できないほどに損傷した遺体。彼女があの地下牢で、凄惨な拷問を受けて死んでいったという証だった。「遺体の身元は……あなたの前の奥さんでした」「……それがどうした?俺と彼女は既に離婚しているんだ。何の関係もない」亮太は香織が亡くなる数日前に、彼女との離婚届を役所に提出していた。当然、彼女は記入などしていない。亮太が捏造したものだった。その時点でれっきとした犯罪ではあるが、あまりにも罪を犯しすぎている彼にとってはそんなもの気にもならなかった。何より、愛する日菜乃と一緒になれるのなら一抹の迷いさえ抱かなかった。「あなたは前の奥さんの葬儀にも出なかったそうですね?離婚して数日しか経っていないにも
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