何かが崩れ落ちる音がした。(ユリウス……?) ビアンカの視界はテオドロスに遮られているため、今一つ状況が掴めない。 しかし、数秒後、彼女に覆い被さっていたテオドロスの身体が物凄い速さで、浮き上がったと思ったら……。 ドォーン! テオドロスの身体は力強く横の壁へ叩きつけられ、重力に従ってドサッと床へ落ちた。 彼がぶつかった壁には大きなひびが入っている。(え、死んだ?)「ビアンカ!!」(この声!!! ユリウスだ!!) ビアンカは即座に魔法の拘束を解いて飛び起きた。――――と、ここで彼女のシャツの残骸が、ヒラヒラと床へ落ちていく……。「あわわわっ!!」 彼女は慌てて露わになった胸を両腕で隠す。 ビアンカの状況を目の当たりにして、ユリウスは身体の中から怒りのマグマが噴き出し、業火の柱を立ち昇らせる。(真っ赤な炎? いや、あれは炎じゃない……。もしかして、魔力?)――――程なく、ユリウスはプツンと切れて、暴走し始めた。 ゴン! ――――バン!! ドン、ドシン! カン……。 床に落ちていたテオドロスの身体はユリウスの暴走で宙を舞う。 天井や絵画の飾っている壁に衝突しては、また違う方向へと弾き飛ばされていく。それはまるで人形劇の人形が大げさに踊っている場面の如く……。(あ~、これ、テオドロスがバラバラになるまで終わらないかも知れない。――正直、あいつを助けたいなんて微塵も思わないのだが……。ここは止めるべき? う~ん、どうしようかな~???―――しかし、いくらムカついたといっても、犯人を勝手に殺したらダメだよな~~~) 偉そうなテオドロスに腹が立っていたビアンカだったが、正義を愛する戦士として、仕方なく最低限の声掛けをすることにした。「―――ユリウス?」 彼女の声でハッと我に返る、ユリウス。 既に意識どころか魂も抜けていそうなテオドロスを遠慮
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