主神は悲しそうな顔をして、それ以上は言わないでくれと彼に懇願する。しかし、ユリウスの答えはノーだった。「ダイア、あなたは妻と子供たちに捨てられたと嘆いていますけど、嫁いで来てくれた妻の気持ちを考えたことがありますか? あなたがいつまでも昔の恋人との間に出来た子供の子孫に力を分け与える姿は、彼女にどう映っていたのでしょうか?」「そ、それは……」「いい機会です。『証』を持つ子を選んで、力を分け与えるというのは今回で終わりにしませんか。そして、ご家族に今までのことを謝られたらどうです?」「だが、それでは私の愛し子たちの世界が……」「私たちの世界はもう神の力を持つ指導者を必要とはしていません。不必要な力を持つ者の存在は逆に世界を狂わせます。時代は変わったのです」「むむむ……。―――そうか、時代が……」 主神ダイアは険しい表情を見せる。「そなた(ユリウス)のいうようにした方が良い時期に来ているのかも知れないな……」(主神にも色々と事情があったのだな。ユリウス、ありがとう! 胸がすっきりした!―――そして、今回でこういう揉め事になるような贈り物(神の力を分け与える)を止めた方がいいというユリウスの意見に私も賛成だ!)「主神、ユリウスが勝手にあなたのご家族の話を出したことをどう思いましたか?」「いい気はしなかった。そなたにこんな私的な話を聞かせるつもりは無かった……」「―――分かったら金輪際、無闇に人の記憶を覗いたりしないで下さい!」 ビアンカは両腕を組み、仁王立ちで告げた。「ああ、―――よく、分かった。私が悪かった。ビアンカ、許してくれ」「謝罪を受け取ります」(フッ、この顔で謝られると父上から謝られているみたいだ。これはこれで気持ちがいいな、フフフッ) 不謹慎なことを考えていることを見破られないよう、ビアンカは何げない素振りで主神ダイアから視線を遠ざける。「主神ダイア、そろそろ儀式をして下さい。もう一人の後継者の『証』を持つ者が、この大陸を狙っているので、早急に!!」 ここで透かさず、ユリウスが催促を入れた。 彼はターキッシュ帝国の第四皇子だけではなく、不審な言動をしているサルバントーレ王国の王子フォンデのことも一応、警戒している。「事情は知っている。儀式は私の力を分け与えるだけだ。直ぐに済む」「では、お願いします」 ―――もう、
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