「―――本当にまだ続ける気だったのですね」「ええ、途中で投げ出すのは嫌なので」 曇りなき眼で彼を見つめる、ビアンカ。 ユリウスは命令にならないような課題を必死に考える。(ユリウスが悩んでいる。本当に恋人の練習を止めるつもりだったのか……)「―――もう、私と恋人になるのは無理ですか?」「いえ、そういうことではありません」 ユリウスの顔を不安そうに覗き込むビアンカ。 彼はビアンカにひとつ確認したいことがあった。「ビアンカ、この練習のゴールを分かっていますか?」「ゴール?―――本物の恋人になるということですよね?」「ええ、そうです。心も身体も一つになるということです」「あ~」(心はともかく、身体……。う~ん、身体かぁ~~~、言葉にすると生々しい……)「二十一年間、お付き合いをした人がゼロの私には想像も付かないことです」「私も同じです」「は?」(王位継承権持ちの超美青年(ピチピチの十七歳)のくせに何を言い出すのだか……) ビアンカは首を大げさに四十五度くらい傾げてみせる。「ユリウス? 恋人はいないけど、女には困ってないとかはナシですよ~」 さらに首を元に戻して、堂々と宣言した。「私は正真正銘、恋愛経験なしです!」 ドヤ顔でビシッと胸を張る、ビアンカ。 今度はユリウスの方が三十度くらい首を傾げた。(スンとした顔でユリウスが首を傾げているのは新鮮だな……) 十五秒くらいで首を縦に戻したユリウスはビアンカの質問に答える。「何か誤解しているようですが、私はビアンカ一筋です。今まで個人的に女性と二人で会ったこともないです」「―――嘘!? え~っと、嘘ですよね??」 ビアンカは目を見開く。
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