Masuk本編、完結しました! 番外編は9月から順次公開して行きます。よろしくお願いします。 ローマリア王国には大斧を振り回し、多くの武勲を立てたビアンカという女戦士がいる。彼女は百七十八センチの長身で軍服をキリッと着こなし、肩口で真っ直ぐに切り揃えられたサラサラの黒髪をいつも靡かせ、切れ長の目元にはこの国では珍しい紫色の瞳。年は二十一。 ――――ある日、ビアンカは王太子に呼び出され、国軍から辺境伯領への移動を命じられる。『これはそなたにしか出来ない特別任務である』と王太子は強調し、何故か彼女には花嫁衣裳が用意された。 ――――リシュナ領(辺境伯領)へ向かったビアンカを待ち受ける運命とは!?
Lihat lebih banyakCapítulo 1: A Entrevista
Laura Eu apertava a alça da bolsa surrada com tanta força que meus dedos doíam. O elevador de vidro subia devagar pelo coração de Manhattan, e cada andar que passava revelava mais daquela cidade que eu só conhecia de longe: Nova York lá embaixo, um caos de táxis amarelos, pedestres apressados e luzes que nunca apagavam. Aqui em cima, tudo era diferente. Silencioso. Frio. Perfeito demais. Respirei fundo, tentando acalmar o coração que batia como se quisesse fugir do peito. “É só mais uma entrevista”, eu repetia para mim mesma. Mas não era. Era a última cartada. As contas do hospital da minha mãe chegavam na semana que vem, quimioterapia, exames, remédios que custavam mais do que eu ganhava em meses. Nos Estados Unidos, sem um bom seguro, uma doença virava uma sentença financeira. Se eu não conseguisse esse emprego, não saberia mais o que fazer. Não tinha plano B. As portas se abriram no último andar. Uma secretária elegante, de salto alto e sorriso ensaiado, já me esperava. — Senhorita Mendes? — Sim. Laura Mendes. — Por aqui. O senhor Monteiro está aguardando. Eu a segui pelo corredor largo, os passos ecoando no mármore polido. Passei por portas de vidro fosco com nomes de empresas que pareciam de outro planeta. No final do corredor, uma porta dupla de madeira escura. Ela bateu duas vezes e abriu. Ele estava de costas para mim, olhando pela janela imensa que ocupava a parede inteira. Alto, ombros largos, terno preto impecável. Mesmo sem ver o rosto, senti o peso da presença dele. O ar parecia mais pesado, como se o oxigênio tivesse sido sugado. Ele se virou devagar. Olhos cinza-escuros, quase pretos. Queixo marcado, barba bem feita, expressão que não entregava nada. Nem um sorriso, nem raiva. Só... indiferença. Uma indiferença que doía mais do que desprezo. — Sente-se — disse ele, voz grave e baixa, apontando para a cadeira em frente à mesa. Eu obedeci, sentando na pontinha da cadeira, como se qualquer movimento maior pudesse me denunciar. Como se eu não pertencesse ali. Ele não se sentou. Ficou de pé, apoiando as mãos na mesa, inclinando o corpo ligeiramente para frente. Era uma posição de quem manda, e ele sabia muito bem disso. — Você leu o anúncio? — Sim, senhor. Babá para uma criança de seis anos. Tempo integral, moradia inclusa. — Exato. Meu filho, Enzo. Ele precisa de alguém… confiável. Alguém que fique. A palavra “fique” saiu pesada, como se carregasse um peso que eu ainda não entendia. Não era só sobre o trabalho. Era sobre algo mais fundo, algo que doía nele. — Por que você? — ele perguntou, sem rodeios. — Tem experiência com crianças? Eu ergui o queixo. Não ia mentir. Não tinha mais tempo para isso. — Não tenho diploma bonito nem curso de pedagogia, se é isso que o senhor quer saber. Mas criei minha irmã mais nova sozinha desde os treze anos. Minha mãe... — mordi os lábios. — Adoeceu. Eu sei o que é uma criança precisar de alguém que não desista. Sei o que é colo quando o mundo inteiro desaba. Por um segundo, só um segundo. Algo atravessou aqueles olhos cinza. Uma rachadura minúscula no gelo. Mas sumiu tão rápido que eu duvidei de ter visto. — Enzo não é uma criança comum — ele continuou, voz ainda mais baixa. — Ele… não fala muito. Não se apega fácil. Já tivemos cinco babás em três anos. Nenhuma durou mais de quatro meses. Meu peito apertou. Cinco babás. Um menino de seis anos que já tinha sido abandonado cinco vezes. — Eu não vou embora — eu disse, surpresa com a firmeza na minha própria voz. — Se o senhor me der a chance, eu fico. Pelo tempo que ele precisar. Ele me encarou por longos segundos. Como se estivesse pesando cada palavra minha, cada respiração. Como se pudesse ver através de mim. Então, ele se endireitou. — Amanhã às oito. Você vai conhecer Enzo. Se ele aceitar você… o emprego é seu. Ele estendeu a mão. O aperto foi breve, profissional. Mas quando nossos dedos se tocaram, senti um choque elétrico subir pelo braço. Rápido. Inesperado. Ele também sentiu, os dedos dele se contraíram por um instante antes de soltar. — Não me decepcione, senhorita Mendes — disse ele, já se virando para a janela de novo. — Enzo não aguenta mais uma decepção. Eu me levantei, o coração ainda disparado. — Eu não vou decepcionar — respondi baixinho. Mas enquanto saía da sala e apertava o botão do elevador, uma voz dentro de mim sussurrou, fria e insistente: E se for ele quem me decepcionar?ビアンカは読書が大好きだ。 任務でいろいろな場所に赴くときも、つねにカバンの中へ本を忍ばせているくらいに……。 しかし、身一つでやって来た辺境伯城には当然、彼女の本も本棚も棚はない。 その代わり、ユリウスの書斎や城の図書館にある書物を自由に読むことが出来るようになった。「なんて幸せな環境~!! ユリウス、今日も書斎の本を借りて良いですか?」 昼食を終え、午後の予定がないビアンカは嬉々として彼に尋ねる。「ええ、お好きなものをどうぞ。私は王宮に行ってきます」 彼はソファーから立ち上がって、ビアンカの頬とくちびるにチュッ、チュッと軽く触れるだけのキスを落とした後、もう一度、くちびるを重ねた。(わ、わわ! 今日も甘い~! 慣れな~い!!) 顔を真っ赤にしているビアンカの頬をユリウスは楽しげな表情を浮かべて、指先でなぞる。「なっ! くすぐったいです!!」 ビアンカは彼の指先をつかんで止めさせた。「フフフッ……、遅くならないように帰ってきます。夕食は一緒に食べましょう」「はい、はい、お気をつけて!」 ビアンカはユリウスを見送ってから、彼の書斎へ入る。 書斎は寝室とドア一枚で繋がっているため、二十歩くらいで本棚の前に着いた。「最高の環境だな……」 本棚の背表紙を眺めて今日の一冊を選ぶ。「あ~、あの本……、イマイチだったな~」 つい先日、この本棚から拝借したターキッシュ帝国の歴史書をビアンカは読んだのだが、あからさまに著者が身内贔屓をしていて、うんざりとしてしまった。 何が一番嫌だったかというと、皇族のことを神のように崇め奉っているところが痛々しくて耐えられなかったのだ。 ここでビアンカはふと想像してみる。(あの歴史書にアホ皇子・テオドロスのことをのせるとしたら、どんな風に褒め称える? いや~、アレは最初から居なかっ
「―――王都の義母の元です……」 小柄な影の声はお世辞にも明るいものではなかった。「やはりここに連れてきたらどうだ?―――ユリウス、彼女は夫が若い女と逃げたのに、子供を夫の実家に預けるしかない状況で困っているのです」 ユリウスはビアンカが影のプライベートを聞き出しただけではなく、心配までしていたことに驚いてしまう。 ただ、身分や状況に囚われないやさしい心を持っているビアンカだからこそ、ユリウスは彼女のことを好きになったのだ。 ユリウスは新妻のために一肌脱ぐ事にした。「南館の離れに影専用の詰め所と人数分の部屋を用意する。この城に家族を連れて来たい者は私に申請書を提出しろ」「ユリウス、ありがとうございます! メイ、良かったな! みんな、これからもよろしく!!」「「「「「御意!!」」」」」 五人の影は声を揃えて返事をする。 流石に小声だったが……。「では、持ち場へ戻れ!」 ユリウスの一言で、彼らは消え去った。「ビアンカ、もしかして全員の名前を知っているのですか?」「はい、家族構成も知っています。何かあった時はご家族に連絡しないといけないですから」 ユリウスはブッと吹き出す。 影にそこまで心を砕くのはビアンカだけだろう……と。 だいたい、影というのは影同志でも、素性を明かしたりしない秘密主義の世界だ。 なのに、ビアンカの影たちをひとつのチームのように扱っている。「どこに笑う要素があったのですか?」「いえ、あなたの優しさはどこまで広がるのかと……」「優しさ……? 私はそんなに優しくないですよ?」「無自覚が酷い……」 クックックッ……とユリウスは笑う。(この感じ&hellip
辺境伯城の温室は常に世界各国から集められた植物が花を咲かせている。 恐らく、開花のタイミングを見計らって入れ替えているのだろう。 ビアンカは国軍で野営をする時、必ず周辺に毒のある植物が生えてないかどうかを確認していた。 なので、植物に関して、多少の知識は持ち合わせている。「ユリウス、この温室の中の植物って、何気に毒のあるものが多いですよね?」「それは辺境の地なので、様々な用途を考えて育てているのではないかと……思います」「―――思います?」「ええ、私が赴任してくる前から、この状態だったので……」 ユリウスは花壇の一角を見つめる。 その視線の先にはジギタリスやスズランが植えられていた。 一見、可愛らしい花だが、しっかりと毒がある。「まぁ、備えあれば憂いなしですね」「そうですね」 ユリウスと微笑みあってから、ビアンカはアンナが用意してくれたミントライムソーダ―を一口飲んだ。 シュワッと口の中で炭酸が弾けて、ミントの爽やかな香りが鼻に抜けていく。 ライムの酸味もいい塩梅だ。(おっ! 旨いな~、コレ!! グラスの底に沈んでいるのは、もしかして、粗目の砂糖!? 実に罪深い飲み物だな……) ビアンカはチラリとユリウスを見る。 彼はグラスを片手に持ったまま、目を見開いていた。(ユリウスはいい顔をするなぁ~)「ユリウス、美味しかったですか?」「ええ、驚きました」 普段、ユリウスは感情をあまり表に出さない。 だが、なぜか食事に関しては美味しい、まあまあ、微妙、不味いなどの気持ちをしっかりと顔に出す。 ビアンカはそれを確認するのが楽しくて、ついつい彼の顔を眺めてしまうのだ。「飲み干した後の爽快感が絶妙ですよね。―――朝訓練の後にコレを出したら、兵士たちが喜ぶかも&hellip
「お~い! ルイーズ!! 少しの間、抜ける! 迷子を親へ届けて来る」 突然、聞き覚えのある声がして、ルイーズは声の主の方へ視線を動かす。 少し離れた場所から、ビアンカが大きく手を振っていた。 「分かった!!」 ルイーズは即答したものの、ビアンカの初歩的なミスにガックリと肩を落とす。 ―――なぜ、あの子は軍服を着ている相手に『少し抜ける』なんて、大声で言ってしまったのだろう。 その余計なひと言でビアンカが軍の関係者だと周囲に知られてしまった。 厄介なことになったな~と思いながら、迷子らしき子供の方を確認すると……。 「はぁ~?(なぜ、ジャスミン(隠された王子ユリウスを表す隠語)が、ここにいるんだ!?)」 イヤな汗が背中をつたっていく。 どうして、ここに……と、頭の中は大混乱していた。 しかし、しっかりとルーズの目に彼(ユリウス)が映っている。 ―――あれこれ考えるのは後だ! 至急、対応しなければ……。 ビアンカたちがルイーズに背を向けた瞬間、彼女は影の潜んでいる路地裏へ走った。 異変に気付いた影たちがルイーズの元へ集まってくる。 「サム、ジャスミンが現れた。詳細は不明だ。王宮に連絡を入れて指示を仰いでくれ! 残りの者はビアンカとジャスミンの後を追って!―――あたしは国軍の兵士たちをかき集めてくる!!」 「「「「「了解!」」」」」 指示を一気に捲し立てたあと、ルイーズは国軍の兵士たちが立っているポイントに向かって、再び、駆け出した。 ♢♢♢♢♢♢♢ ――――致命傷を負ったビアンカが地面に倒れ込んだ。 ルイーズも潜んでいる影たちも、『これはどう対処したらいいんだ?』と、途方に暮れてしまう。 最悪なことに彼女を治療出来る者がその場に居なかったのだ。 だが、兵士たちがビアンカの死を覚悟したその時、彼女の腕に縋りついていたジャスミンが突然、呪文を唱え始め……。 ――――あの日から七年の月日が過ぎた。 ルイーズはジャスミン(ユリウス)の放った美しい魔法を思い出しながら、目の前にいる二人へ話しかける。 「閣下~、新婚旅行楽しんで来て下さいね~。お土産はお菓子がいいです!」 「―――分かった」 「ルイーズ、甘いのと辛いのはどっちがいい?」 「そりゃ~、辛いのが好きだけどさ~
ビアンカは大斧の柄から手を離した。 続けて、大斧を安全な場所へ移動させるため、付き人のジェインが柄に手を伸ばす。 ところが百戦錬磨の女戦士ビアンカの愛用する大斧は想像以上に重く、文官の彼が持ち上げようとしても、ビクともしない。―――その姿を見かねてピサロ侯爵の護衛が一人、後方から加勢をしに駆け寄る。 二人は掛け声を出して、ビアンカの大斧を持ち上げた。そして、慎重な足取りで教会の裏の方へ運んでいく。「父上、絶対に返してくださいよ!!」 ビアンカは大斧を見送りながら、ピサロ侯爵へ強く訴える。しかし、彼は軍人ではないため、彼女の気持ちが全く理解出来なかった。「全く、誰に似たのだか……
転移完了。 大斧を担いだ花嫁姿のビアンカが、リシュナ領の領都バリードにある魔法陣の上へ降り立つと目の前に一人の男が立っていた。 その男は王国軍魔法師団の一員であるという証の深紅のローブを身に纏っている。(青年にしては若いような……、彼は一体、何歳なのだろう?)「ピサロ侯爵令嬢、お待ちいたしておりました!」「――――いや、その呼び名は新鮮というか、久しぶりというか……。初めまして、私はビアンカ・ルーナ・ピサロだ。貴殿は?」「僕は王国軍魔法師団リシュナ支部所属のサジェ・トラス・ペニーと申します。ペニー子爵家の長男です。ようこそ、リシュナ領へ」 男は幼さを感じさせるような笑みを浮かべ
「あー、マジか……。苦しいなコレ……」 ビアンカは腹部に力を入れないよう、愛用の大斧を腕の力だけで肩へ担ぎ上げた。 彼女の背中で大斧の刃が朝日を受け、艶めかしく輝く。――――いついかなる時も直ぐに敵を斬れるよう、大斧の刃はビアンカによって、一点の曇りもなく研ぎ澄まされているのだ。 そんな不気味な輝きを放つ大斧を見せつけられ、侍女たちの顔は強張っている。――――こんなに大きな斧を振り上げられたら、身を守る術のない自分たちは簡単に死んでしまう。 侍女たちは死の恐怖をひしひしと感じていたのである。(侍女たちはあんなに細い腕で良くもまぁ、こんなに締め上げるものだ。腹部に筋肉のないご令嬢
「くっそー!! あの野郎!! 何を企んでいるんだ!?」 ビアンカは地団太を踏む。あの野郎とはこの国の高貴なお方、王太子マクシムのことである。 彼とビアンカはこのローマリア王国の貴族子女が通う王立学園の同級生だ。プライベートでは共通の友人も多く、それなりに気安い仲である。 だが、マクシムが結婚したことを機にビアンカは彼と仕事以外で会うことを止めた。これは他国から嫁いで来た王太子妃に配慮してのこと。 (正直なところ、マクシムとは恋仲になる可能性もないただの友人だ。しかし、恋愛脳の貴族たちに男女の友情を語っても通じるはずがない。不用意に一緒にいて、ありもしない噂でも立って、王太子妃様を





