Semua Bab 大斧の女戦士ビアンカの結婚(特別任務で辺境伯を探るつもりだったのに気が付いたら円満な結婚生活を送っていました): Bab 111 - Bab 120

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課題が厳しい!!結婚5日目・王妃襲来 6

 王妃はビアンカの小さな手を取って、自分のお腹へあてた。 すると、すぐにポンポンと内側から胎児が蹴ってくる。『うおおおおおおっ!!』 驚いてお腹からパッと手を離したビアンカは、しばらく自分の手のひらをジィーッと見つめていた。そして……。『おうひさま、もっかい、さわってもいい?』『いいわよ』―――ビアンカはそ~っと慎重に王妃のお腹へ小さな手をあてる。すると……。 ドン、ドン!!―――今度は強めに蹴ってきた。『うおおおおっ。あかちゃん、あばれた!!』 ビアンカは一度、後ろへ仰け反ってから、またお腹に手をあてる。『あかちゃん!! あのね、おりこうさんにしたら、ビーがあそんであげる。おりこうさん、おりこうさんよ~!!」  トン。―――今回は一度だけ蹴り返された。まるで『はい』と返事したかのように……。『おうひさま、このあかちゃんはね、おりこうさん!!』『あら、それは嬉しいわ!』『うん』 ビアンカは澄んだ瞳で王妃を見つめる。 そして唐突にワンピースのポケットから小さなブレスレットを取り出した。『これ、あかちゃんにあげる!! ビーのおまもり』『あらららら~、そんなに大切なものは貰えないわ……』『うううん、ビーはつおいからいらないの』『ビ~ちゃんはつよいから必要ないの?』『そう、つよいからいらない。あかちゃんにあげる』 ビアンカはブレスレットを王妃のお腹の上へ両手でそっと置く。 次の瞬間、中庭に宰相の叫び声が響き渡る。『ビアンカ~!! 何処にいるんだ!! 出て来なさい!!』『あら、ビ~ちゃん、お父様が呼んでいるみたいよ』『うっわ~、パパだ~!!』 父の声を聞いて慌てたビアンカはどうしていいのか分からなくなり、
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課題が厳しい!!結婚5日目・お前が一番知っているだろ 1

―――部屋に来た弟(ユリウス)の様子がおかしい……。「大丈夫か?」「――――はい」 ユリウスは元々、口数が多いタイプではない。 とはいえ、ソファーに腰掛けてから、ずっとうな垂れている。―――これは何かあったに違いない。 マクシムは黙って彼が口を開くのを待った。 置時計のカチ、カチ、カチという音が、やたらと耳につく。 カチ、カチ、カチ……、カチ、カチ、カチ……。「はぁ~~~~~ぁ」 ユリウスは突然、大きなため息を吐き、次の瞬間……。 バチン。 彼は自分の両頬を手でパチンと叩いた。そして、背筋を伸ばし直してから、マクシムと視線を合わせる。「なっ!? お前……、本当にユリウスか!? ビアンカを見ているみたいだったぞ!! たった数日で、そんなに似てしまうものなのか~!?」 ブッ、ハハハハとマクシムは天を仰いで笑う。 マクシムの指摘通り、ユリウスは無意識のうちにビアンカの流儀に則って、気分を切り替えていた。 笑っているマクシムを見ていると、ユリウスの心にもじわりと笑いが込み上がってくる。「クッ、フフフッ……、確かにそうですね」「で、何があった?」「あ、いえ、母上が……」「ああ、今日は突然、温室に現れたから驚いた。お前のところにも来たのだな……」 マクシムは昼下がりに突然、現れた王妃のことを思い出す。 彼女はフォンデの席に堂々と座り、コルネリアとネーゼ王国の国王ネタで盛り上がった後、隣のテーブルに移動して、ポリナン公子夫妻と真剣な面持ちで何かを話し込んでいた。 その時、マクシムはコルネリアとテーブルに二人きりだったのだが……。彼女はマクシムにマリウスのことを聞いて
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課題が厳しい!!結婚5日目・お前が一番知っているだろ 2

 不法侵入・誘拐未遂・暴行未遂などの物騒なタイトルが記されている報告書が並び、マクシムは言葉を失う。「昨夜、サルバントーレ王国フォンデ王子の手引きにより、ターキッシュ帝国の第四皇子テオドロスがこの城に侵入しました。目的は我が妻ビアンカを略奪婚で自国へ連れ帰ること。そして、誘拐未遂と暴行未遂を犯したため、現行犯逮捕しました。現在、フォンデと共にこの城の魔法牢へ入れています」「待て、ユリウス!! これは大事件じゃないか!! どうして昨夜のうちに私か国王へ報告しなかった!!」「ビアンカのケアを優先しました」「報告なら、代理の者でも構わないだろ!!」「すみません。昨夜は私もかなり動揺していたので……」 ユリウスは素直に謝った。 マクシムは勢いで責めてしまったことを反省する。ユリウスもある意味、被害者であるということに気付いたのだ。「―――で、ビアンカは大丈夫なのか?」「はい、今は落ち着いています。ただ、嫌な思いをしたことは一生、忘れないでしょう」 ユリウスの言葉には強い怒りが含まれていた。 マクシムは暴行未遂の報告書に記されているテオドロスの悪事を視線で辿っていく。 内容のおぞましさに怒りが込み上げてきた……。「ターキッシュ帝国には大きな代償を払ってもらおう。我が国の新たな王太子妃を傷つけようとしたのだから」「ええ、そのつもりです」 二人は大きく頷き合う。「ところで、兄さんは本当に王太子を辞めるつもりですか?」「私が辞めないと事態の収拾がつかないだろう」「―――そうですね。では、離婚はどうしますか?」「いや、相手がどこに居るのかも分からないのだが……」 マクシムは腕を組んで考える。 リリアージュと最後に会ったのは爆発騒ぎのあったパーティーの時だ。それ以降、彼女の行方は全く分からない。もしかすると、リリアージュは商人たちの手を借りて、別の大陸に脱出した可能性
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課題が厳しい!!結婚5日目・ビアンカと大斧

 ビアンカが大斧を相棒にしたきっかけは四年前のポリナン公国との小競り合いだ。 当時、ポリナン公国は宣戦布告もせず、密かに国境を越えて、この国へ進軍した。  国境を越えて進軍してきたポリナン公国軍を追い出すために国軍は二か月間に渡り、険しい山岳地帯での不毛な戦いを強いられたのである。 ある日、国軍への補給部隊が山中で迷子になった。 そのため、ビアンカたちは武器が不足するという危機に陥ってしまう。当初は相手(ポリナン公国)から武器を奪ったらいいのでは……という意見も出たが、検討するまでもなく、却下された。 というのも、ポリナン公国軍は敵を見つけると毎回、離れたところから弓を射ってくるからだ。 結局、上官は『補給部隊が来るまでは現場調達で何とかしろ!』という酷い命令を兵士たちに下した。 そういう流れで、ビアンカはその辺にあった木こりの斧を拝借しなければならなくなったのである。 手に取った木こりの斧は剣より柄が長く、逆に刃渡りは短かった。元々、薪を割るための道具なので、そこは文句を言っても仕方がない。 しかし、実際に戦闘で使ってみると振り回した時に生まれる遠心力の強さに驚いた。ぶんまわしている斧に当たった人間は簡単に宙を舞っていくのだ。 また斧は剣と比べるとかなり重さがあるため、上から真っ直ぐ落とすだけで固いものも気持ちよく切断出来る。 それに柄を横にして盾替わりにすれば、相手の攻撃もかなり防げた。 ビアンカはこの斧という武器の使い勝手の良さに感動してしまう。 この経験で斧という選択肢を知ったビアンカは王都に帰って、更に魅力的な大斧という武器に出会ったというわけだ。「それにしても……」 ビアンカは湯船に浸かって、考え事をしながら夜空を眺めている。 今宵も辺境伯領の空は澄んでいて、数多の星が瞬いていた。そんな美しい星々を愛でながら、ビアンカは……。「―――暴れすぎだろ、ユリウス……、はぁ~~~
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課題が厳しい!!結婚5日目・いろいろある? 1

ビアンカはお湯に浸かったまま、夜空を指差した。 しかし、ユリウスは……。 「ビアンカ、少し待って下さい。先に身体を洗って来ます」 (おおっと、そうだった。ユリウスは今、来たばかりだった) 「はい、分かりました」 この浴室には大きな浴槽のほか、左の壁側に五つのシャワーブースも設置されている。大きな窓の向こうは深い谷川と絶壁だ。誰かに覗かれる心配もない。 (十人くらいは入れそうな風呂を二人で使うなんて、贅沢の極み……) 実はローマリア王国の名門侯爵家の御令嬢だったりするビアンカだが、人生の半分以上を国軍の宿舎で生活して来た。 その宿舎には女性軍人専用の浴室(浴槽付)はなく、シャワーだけしかない。 たまに山間部の訓練で温泉に入れることはあっても、常に周りを気にしておかなければならないのだ。敵とか、動物とか、可愛い女性軍人(ビアンカ以外)を狙う輩とか……。 だからこそ、何も気にせず湯に浸かれるのは最高に贅沢、いや、最高のご褒美といってもいい。 (ああ、こういうのが幸せというのだろうなぁ~~~) 数分後、身体を洗い終えたユリウスが湯船に入ってきた。 「お待たせしました。―――ああ~、本当に今夜も雲一つないですね。月も真正面に上がっていて、美しい……」 「この眺めは最高ですよね!!」 「ええ」 お湯に浸かったまま、二人で夜空を眺める。 新たなお湯がトポ、トポ、トポと浴槽に流れ込んで来る音、崖の下の川がゴ~ッと流れていく音、そして、たまに天井からピチョンと水滴が落ちてくる音。 様々な水の音が奏でる音楽は、怒涛の日々で積み重ねられた二人の疲れを癒してくれる。 (―――とても穏やかな時間だ……) ビアンカはいい気分で空を眺めていた。 「課題……」 ユリウスはボソッと呟く。 (ううううっ、聞こえなかったことにしたい……。今日はあと何時間だ? まだ五分の一しか達成して無い……、くうううっ) ビアンカは早朝にユリウスが出した課題をまだ終えていない。 一回目はユリウスが誘導してくれたお陰で、何とか恥ずかしい命令を口に出すことが出来た。 (ん?? もしかして、ユリウスは私が言い易いように気を回してくれているのか!? それなら、ガッツリ乗っておいた方がいいな!) 「キ、キスして、―――ユリウス」 ビアンカはボソ
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課題が厳しい!!結婚5日目・いろいろある? 2

「ユ、ユリウス……」 狼狽えた声でビアンカは彼の名を呼ぶ。 ユリウスは無言で手を伸ばし、ビアンカの顎を指先で持ち上げた。(こっ、これは……。恋物語でこんなシーンがあった……。え~っと……) ビアンカの思考は停止する。 ユリウスのくちびる近づいて来たからだ。あと少しで触れる……という、その瞬間。「―――この色気、本当に十七歳?」 ビアンカの口から本音がこぼれ落ちる。 それを最悪のタイミングで聞いてしまったユリウスはパチ、パチ、パチと大きな動作で瞬きをした。 そして、ユリウスはスーッとビアンカから離れ、クルリと背を向ける。(わわわわっ、ユリウス、どうした!? もしかして、私が変なタイミングで余計な事を言ったからか?―――あ、いや、肩が揺れている!) ビアンカはこっそりと笑っているユリウスの背中をつい眺めてしまう。 彼の雪のように白い肌は健やかで瑞々しく、若さに溢れていた。もちろん、筋肉もしっかりと付いている。(この肌を見れば、ユリウスの年齢が十七歳と納得出来る。だが、放ってくる色気は、もう目の毒というか何というか……。生まれてから二十一年、彼氏ナシの私には太刀打ち出来そうにないくらいの攻撃力で……)「ユリウス、お肌ピチピチですね~。羨ましい……」 彼の背中に向かってビアンカはぼやく。 一瞬、肩の揺れが大きくなったように感じたのは、きっと気のせいだろう。「銀髪もサラサラで、つやつや、キラキラ、光り輝いているし、お顔も美しく整っているし……。私のカラスのような色の髪と物珍しいだけの紫の瞳ではユリウスを誘惑出来そうにないですね」 ユリウスは背を向けたまま、首を左右に振った。しかし、ビアンカのぼやきはまだまだ続く。「身長が伸び
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課題が厳しい!!結婚5日目・いろいろある? 3

 お風呂でひと暴れしたビアンカとユリウスが寝室に戻ると……。 ご丁寧に冷たいハーブティーと果物がテーブルの上に置いてあった。「もしかして、お風呂で大暴れしたことがバレてる!?」 青ざめるビアンカを見て、ユリウスはクスッと笑う。 先ほど、浴槽でビアンカに押し倒されたユリウスは、お返しにとビアンカをお湯の中へ引きずり込んだ。 それがきっかけとなり、二人の間で謎の戦いが勃発した。 要するにいい大人二人が風呂で暴れ倒したのである。「大丈夫です。これは私がアンナに指示して用意させました。毒の心配もありません」「ユリウス、前々から気になっていたのですけど、遠くにいる人にどうやって指示を出しているのですか?」「相手が魔法使いの時はテレバシーで伝えることもありますが、普段は伝言メモを送ります」「テレパシー?」「相手に向かって念じればいいだけです」(なっ!? そんな便利な伝達方法があるのか!! 国軍は未だに急ぐ時は鳥を使っているというのに……)「魔法使いなら、誰でもそのテレパシーというのを使えるのですか?」「いいえ、使えるのは魔法使いの十パーセントくらいです」(だろうな……。ユリウスを基準にしない方が良いというのはこの五日で学んだ) ビアンカの髪に暖かい風が吹いて来た。ユリウスの風魔法である。「ユリウス、ありがとう」「どういたしまして」 髪はすぐに乾いた。 ビアンカはソファーに座る。そして、ユリウスもその隣へ。 ビアンカはテーブルの上のピッチャーへ手を伸ばし、果実水を二つのグラスに注いだ。「はい、どうぞ。のどが渇いたでしょう?」「ありがとうございます。久しぶりに大暴れしたので……」 ユリウスはビアンカの手からグラスを受け取ると一気に中身を飲み干す。(あ、そうだ! ユリウスは成
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課題が厳しい!!結婚5日目・真夜中の呼び出し 1

「(主、急ぎです!! 主~、主~、起きていらっしゃいますか~?―――あ、ダメっぽい? どうしようかな……。主、主~? 主~~~、あ~る~じ~!! ルモンドです!! 起きてくださ~~~~い!! あ~~~~る~~~~じ~~~!!!)」「―――?」 ユリウスは頭の中に直接、呼びかけて来る声に気付いた。「(ん~、ルモンド?)」 ユリウスはベッドから身を起こす。 カーテンの隙間から差し込んでいる仄かな月あかりに誘われ、ユリウスはチラリと外を覗く。「暗い……」 まだ夜明けは遠そうだ。「(陛下がお呼びです)」「(分かった。すぐに向かう)」「(よろしくお願いします!)」 ユリウスにテレバシーを送って来たのは、王宮魔法師団に所属している魔法使いルモンドだ。 彼は魔塔にも所属しており、ユリウスのことを主と呼ぶ。昨今は魔法使いが減少しているということもあり、魔塔と兼業している者も少なくない。 今回の呼び出しは十中八九、マクシムが持ち帰った『テオドロスに関する報告書』のことだろう。―――宰相が怒り狂っている様子が目に浮かぶ。 ユリウスはフゥ~~~~と、大きな息を吐いてから、ベッドを降りた。♢♢♢♢♢♢♢ 遡ること、数時間。 マクシムは王宮に戻るやいなや、国王及び宰相(ピサロ侯爵)に連絡を入れた。―――『早急に報告したい案件がある』と。 しかし、ピサロ侯爵を呼び出すのに少し手間取ってしまう。 今夜、彼は久しぶりにタウンハウスへ帰宅していたからだ。結局、王宮の執務室にピサロ侯爵が現れたのは午前一時を少し過ぎた頃だった。「陛下、殿下、遅くなりました。申し訳ございません」「いや、こちらこそ急に呼びつけてすまない。マクシムから緊急の案件があるということでそなたを呼んだ」「承知いたしました」「父上、宰相、少し長くなると思います。座って話しましょう」
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課題が厳しい!!結婚5日目・真夜中の呼び出し 2

 マクシムはビアンカがネーゼ王家の血を引いているというくだりまでは、そういうこともあるだろうと素直に飲み込んだ。しかし、続けて語られたイリィ帝国の後継者の話についてはすんなりと受け止められなかった。―――後継者に神の力を分け与える? そんなのただのおとぎ話だろう。仮に皇帝が神の力を持っていたとしたら、イリィ帝国は滅んでいないはず……。「宰相、紫の瞳を持つ者たちはこの五百年の間、母国もないのに争って後継者を決めていたのか?」「いいえ、この五百年間、イリィ皇家の後継者争いは起きていません。それは紫の瞳を持つ赤子が一人も産まれなかったからです。ですから、我が娘ビアンカとターキッシュ帝国の第四皇子テオドロスは五百年ぶりに産まれた後継者候補なのです」「―――そうか」「はい」 国王は今までビアンカがどのように狙われて来たのかということを、まだ半信半疑のマクシムに話して聞かせた。 命を狙われ始めたのは生後一日目からだったということも……。―――神の力に関することは一旦置いて、ビアンカが執拗に命を狙われていたということはマクシムも理解した。「ビアンカが戦士として覚醒したのは……、身を守るという意味では良かったのかも知れません。ただ、親としては……」 ピサロ侯爵は険しい顔でビアンカが国軍に入った時の心中を吐露した。 ただ、マクシムは以前から、ピサロ侯爵がビアンカを国軍に入れたくなかったとボヤいていたのを知っている。ということは……。「もしかして、父上(国王)がビアンカを国軍に引き込んだのですか?」「ああ、そうだ。ビアンカに国軍の官舎へ入ることを勧めたのは私だ。日々、屈強な兵士たちに囲まれている環境の方が屋敷にいるよりも安全だろう?」「確かにそうかも知れませんが……」 ビアンカが国軍の官舎に入ったため、マクシムはビアンカと会う機会が一気に減少したのである。 のちに
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課題が厳しい!!結婚5日目・真夜中の呼び出し 3

「父上!! どうして、そんな大事なことを……、もっと早く……教えてくれなかったのですか……」 ドン!! ドン!! マクシムは声を震わせて不満を吐き、テーブルをこぶしで叩いて、―――脱力した。 今までして来たユリウスへの嫌がらせや、リリアージュへの愚かな言動が脳裏をかすめる。―――手に入らないものを求めているとも気付かずに……、何と愚かなことしてしまったのだろうか。 その上、マクシムは近々、王太子の位を返上する。 これは国王や王妃、宰相夫妻の進めていた計画をすべてダメにしてしまったということだ。「相手が誰であろうと機密を漏らすわけにはいかない。ユリウスとビアンカが無事に夫婦となったから、お前に情報を解禁した。ただ、それだけだ」 国王の横でピサロ侯爵が大きく頷いている。「もしかして……、子供のころからビアンカに大人数の影が付いていたのは、ユリウスの婚約者だったからですか?」「そうだ。王家と侯爵家で影と護衛を付けていた」 国王が肯定し、ピサロ侯爵も「その通りです」と答えた。「ああああ~、私は何ということを……」 マクシムはテーブルの上に突っ伏す。―――コンコンコン。 執務室の雰囲気が非常に重くなったところで、ドアをノックする音がした。「私です」 聞こえてきたのはユリウスの声である。タイミングが良いのか悪いのか、微妙なところだ。「入れ」 ユリウスが部屋へ入るとテーブルを囲んで、国王、宰相、マクシムが座っていた。だが、マクシムだけ、頭を抱えてテーブルに突っ伏している。 ユリウスは先にしなければならないことがあるので、このおかしな状況はスルーすることにした。「宰相閣下、この度のこと、深くお詫び申し上げます。私が至らなかったためにビアンカが事件に巻き込まれてしまいました。申し訳ご
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