王妃はビアンカの小さな手を取って、自分のお腹へあてた。 すると、すぐにポンポンと内側から胎児が蹴ってくる。『うおおおおおおっ!!』 驚いてお腹からパッと手を離したビアンカは、しばらく自分の手のひらをジィーッと見つめていた。そして……。『おうひさま、もっかい、さわってもいい?』『いいわよ』―――ビアンカはそ~っと慎重に王妃のお腹へ小さな手をあてる。すると……。 ドン、ドン!!―――今度は強めに蹴ってきた。『うおおおおっ。あかちゃん、あばれた!!』 ビアンカは一度、後ろへ仰け反ってから、またお腹に手をあてる。『あかちゃん!! あのね、おりこうさんにしたら、ビーがあそんであげる。おりこうさん、おりこうさんよ~!!」 トン。―――今回は一度だけ蹴り返された。まるで『はい』と返事したかのように……。『おうひさま、このあかちゃんはね、おりこうさん!!』『あら、それは嬉しいわ!』『うん』 ビアンカは澄んだ瞳で王妃を見つめる。 そして唐突にワンピースのポケットから小さなブレスレットを取り出した。『これ、あかちゃんにあげる!! ビーのおまもり』『あらららら~、そんなに大切なものは貰えないわ……』『うううん、ビーはつおいからいらないの』『ビ~ちゃんはつよいから必要ないの?』『そう、つよいからいらない。あかちゃんにあげる』 ビアンカはブレスレットを王妃のお腹の上へ両手でそっと置く。 次の瞬間、中庭に宰相の叫び声が響き渡る。『ビアンカ~!! 何処にいるんだ!! 出て来なさい!!』『あら、ビ~ちゃん、お父様が呼んでいるみたいよ』『うっわ~、パパだ~!!』 父の声を聞いて慌てたビアンカはどうしていいのか分からなくなり、
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