ビアンカはユリウスの差し出したパイをザクッと齧る。「―――っ、これも滅茶苦茶美味しい!!!」(何なんだ~、これ!!! 最上級の林檎を食べた気分……。火を通しているのに食感が死んでない)「生の林檎より林檎……。旨味が凝縮? どうして、こんなに美味しいのだろう……」「特別な蜂蜜を使っていると店頭に書いてありました」「蜂蜜……、―――確かに上品な蜂蜜の味がします!!―――でも、強くはない……」 ビアンカは咀嚼しながら味を確かめて行く。(さすが看板メニューというだけのことはある! 次回はこれを食べるか……。いや、ハンバーグの入ったパイも気になって……。え~、どうしよう!―――この店、ヤバいぞ! どっぷりハマりそうだ!!)「ユリウス、お返しです」 ビアンカはゴールデンカスタードパイをユリウスに差し出す。 ザクッ。 ユリウスは齧った瞬間、大きく目を見開いた。(あ、これ驚いた時の顔だ。うんうん、美味しいから驚いたのだろう?)「やっぱり可愛い……」 ビアンカの口から本音が零れ落ちる。「その可愛いは顔のことですか?」 彼はビアンカをジーッと見た。「はい、驚いた時の顔が可愛いんです」「先ほどの可愛いも?」「あ~、あれはピアスが似合っているという意味の可愛いです」 ビアンカは自分の右耳を指差す。 今、彼女の右耳についているピアスは、先ほど立ち寄ったアクセサリーショップで買ったものだ。恋人らしく、一対のピアスをユリウスと分けてつけている。「ビアンカ、似合っています。綺麗です」 ユリウスも自分の左耳についているピアスを軽く弾いた。二人で相談して購入したのはサラサラと揺れるタイプのピアスだ。
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