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164 فصول

色々決着!!結婚7日目・同じ顔をしている者同士 2

 ピサロ侯爵は自分の気持ちを落ち着かせるため、フゥ~と深呼吸をした。 ユリウスは気持ちの整え方が親子で似ている……と、冷静に観察してしまう。「父上、私は大丈夫です。ご心配なく」「お前はいつも……、本当に……」 ピサロ侯爵はあっけらかんとしているビアンカを見て、気が抜けた。「話を戻しましょう。ダイア、五百年前に女神マリアは何を?」 ユリウスに促されて、主神ダイアは女神マリアから聞いた話を語り始める。 女神マリアは主神ダイアが神の力『カリスマ』を子孫に与え続けることを懸念していた。『カリスマ』は時に不幸を呼ぶ。明らかに国を治める能力のない者が後継者に選ばれて、身に余るほどの力を得てしまうのは危険なことだからだ。 それでもずっと見守るだけにし、口を挟まなかったのはイリィ大陸が概ね平和で豊かだったからである。―――しかし、ついにその時がやって来た……。 五百年前に現れた皇帝カヴァールは皇帝となるべき器を持ち合わせていなかった。 彼は即位と同時に多くの妃を高位貴族から娶り『紫の瞳を持つ皇子だけを産め。それ以外は皇族として認めない』と、彼女たちに命令したのである。 幸か不幸か、四人の妃がそれぞれ一人ずつ紫の瞳を持つ皇子を産んだ。 つぎに皇帝カヴァ―ルは、四人の妃たちの目の前に『後継者に選ばれた者の母親を皇后にする』という餌を吊り下げた。―――彼は四人の皇子たちをゲームの駒にして、妃たちを競わせたのである。 その結果、イリィ帝国の貴族は四つの派閥に分裂した。自分の支持する皇子と妃に力をつけるため、裏金を不当に集めて支援者を増やし、敵陣を貶めようとスパイを放って、足を引っ張り合ったのである。 政治は腐敗の一途を辿り、経済は混乱した。民は重い税金を払うだけで精いっぱいになり、食べるものを買う金もなく、やせ細っていく。―――皇家や貴族への不満に対する暴動を民が始めるまで、左程、時間は掛からなかった。 愚かな皇帝カヴァ―ルのせいで、イリィ帝国は急速に衰退していく。 気
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色々決着!!結婚7日目・同じ顔をしている者同士 3

「主神ダイア、何度も言いますが、私は神の力を必要としていません」 ビアンカは改めて、断りを入れる。「しかし、このままではターキッシュ帝国が……、あっ!」 ここで主神ダイアは両手で口を塞いだ。 人の世に関することを神が口にするのはタブーとされているからだ。「ダイア、私達の世界に関与するつもりですか?」 ユリウスは彼の失言を追求した。「すまない。本来、神は人の世に手を出してはならないというのに……。ただ、ビアンカを狙っていると知ってしまったら……」「それは私があなたの娘に似ているからですか?」 ビアンカはつい口を滑らせてしまう。―――今まで、夢の中で見たことは不確かな情報だから……と、口に出すことは無かったのだが、本当に……、つい、ポロッと……、口から出てしまったのである。「そうだ。初めて会った時、あまりにもマイアに似ていて、つい隠れてしまった」(隠れた? ああ、あの時か……) ビアンカは初めて辺境伯城の前に広がる麦畑から、異次元の神殿に行った時のことを思い出す。(ユリウスが半笑いで柱の影に呼びかけて……、主神がここに女性が来るのは久々で~とか言い訳をして出て来た時のことだな) 娘が現れたと思って驚いた主神ダイアの気持ちも分からなくはない。ただ、ビアンカは主神にどうしても言っておきたいことがあった。「確かに私は主神の娘に似ているかも知れません。ですが、私はあなたの娘ではありませんし、マイア嬢の生まれ変わりでもないです。度を越えた特別扱いはしないで下さい」「ああ、ビアンカはビアンカだ……。それでいい」 主神ダイアは両腕を組んで、大きく頷く。「では、これを持って、神の力の件は終わりにしましょう。今後も人間は人間同士で新たな時代を作っていきますから、神様たちはくれぐれも見守るだけにしておいて下さい」 ビアンカは主神ダイアにクギを刺す。「分かった約束する。それから、魔塔主とビアンカだけではなく、私と似ている父上も、いつでも神殿に訪れるがいい。
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????結婚14日目・王妃の贈り物

 絹のような触り心地の銀髪を優しく撫でて、その後は車窓を流れる景色を見つめていた……。 ビアンカは今、ユリウスと馬車に乗っている。(峡谷からだいぶん下って来たな。海沿いの街道に入るには、もう少し掛かるだろうけど……) 視線を車内へ戻してみると、向かい側の席に散乱している書類が目に入る。―――ちなみに、その書類の持ち主は彼女の膝の上で爆睡中だ。(ユリウス、当分、起きないだろうな~~~) あの日、宰相が預かって来た王妃の手紙には『あなた達にハネムーンを用意したから楽しんで来て~』という旨が記されていた。 内容が内容なだけに、ビアンカはその場でユリウスに王妃の手紙を見せたのだが……。『―――出発は一週間後よ! 楽しみにしておいてね!!』と、軽い口調で締め括られた手紙を見て、ユリウスは愕然としてしまう。 なぜなら、彼はリシュナ領の業務、魔塔の業務、ターキッシュ帝国の面倒事を抱えていて手一杯だったからだ。 彼はすぐに日付を先延ばしにして欲しいと王妃へ打診した。 ところが『ハネムーンは今、行かないとダメよ!! それにポリナン公国の大公一族があなたたちの訪問を心待ちにしているの!!』と、あっさり却下されてしまう。 スケジュールの変更で頭を悩ませるユリウスの隣で、ビアンカは『どうしてハネムーン先がポリナン公国なのだろう』と考えた。 真っ先に思い浮かんだのは公子夫妻や魔法使いアントンの姿だ。 ビアンカのファンを公言する夫人と妻に優し過ぎる公子、そして、人を連れ去るのが好きな可愛い魔法使い……。―――ん~、彼らはハネムーンとは関係なさそうだ。 他にポリナン公国の知り合いは居なかったかな~と考えていると……、突然、閃いた!! 王妃がポリナン公国の前大公の弟の娘だったということを。 間違いなくこれが理由だろう。 また、王妃の実家があるということは、彼女の親族もそこに住んでいるということだ。ここで、あることを思いついたビアンカは、ユリウスにお願いごとをした。『ポリナン公国へ行ったら、ユリウスの御爺様と御婆様に会いたいです!』 期待に満ちた目で彼を見つめるビアンカに対して、ユリウスはクールな表情でこう答えたのである。『―――ビアンカ、私はポリナン公国の祖父母と会ったことがありません。それに相手は私のことを知らないと思います』『えっ、どうして?』『
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????結婚14日目・エピローグ(最終話)

 先日、ユリウスは言った。『タタラ工房で作ってもらった新しい武器にお好きな効果を付与しますよ』と。 ビアンカは何を付与すべきか、じっくりと考えたかった。だから、返事を少し待ってもらっていたのである。「はい、決めました」「では、聞かせて下さい」「『眠り』の効果を付けて下さい」「『眠り』ですか?」 首を傾げる、ユリウス これまで、武器に付与した効果といえば、攻撃力の上昇や体力の回復など、武器使用者のためになるものばかりだったからだ。「はい、大斧でわずかに触れて相手を眠らせられるのなら、命も奪わず、ケガも最小限で済みます」 ビアンカから『眠り』の効果を選んだ理由を聞き、ユリウスは目を見張る。―――最強の女戦士は誰よりも命を尊ぶのか……と。「眠らせて、命を守る……。素晴らしいアイデアだと思います。では、早速、大斧に『眠り』の効果を付与しましょう」 ユリウスは大斧の柄を握り、ブツブツブツと小声で呪文を詠唱する。(こうして欲しいと言ったことを、すぐに実現してしまう……、やはり、ユリウスは凄い) 宙に小さな魔法陣が浮かび上がった。そして、その小さな魔法陣は大斧の中へ、スゥ~と吸い込まれていく。 魔法使いが大好きなビアンカは彼の手際の良さと計り知れない能力に惚れ惚れしてしまう。「完了しました。どうします?  試し斬りをするなら、Xを呼びますが……」「X、まさかの試し斬り要員!?」「ええ、それくらい喜んでするでしょう」 ニヤリと悪そうな微笑みを浮かべるユリウス。「喜んで……?」(そういえば、ユリウスはXにどんな罰を与えたんだ? ん~、聞きたいような……、聞きたくないような……) 王国軍魔法師団の諜報員Xは先日、領都バリードで目立つ行動をしてユリウスを怒らせた。 その結果、彼には厳しい罰が与えられたらしい。ただ、ビアンカは罰の内容までは知らない。「では、次の休憩の時に呼びましょう」「ソウデスネ(X、ガンバレ……)」 ユリウスは向かい側の席に散らばっている書類に手を伸ばす。「ユリウス、仕事は大丈夫だったのですか?  ここのところ、かなり無理をしていたでしょう」 ハネムーンの出発ギリギリまで、ユリウスは連日徹夜で仕事を片付けていた。 そして、今朝、ようやくサジェやモルテに留守を任せられる状態になったのだという。「一応、区切りの
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