Semua Bab 大斧の女戦士ビアンカの結婚(特別任務で辺境伯を探るつもりだったのに気が付いたら円満な結婚生活を送っていました): Bab 151 - Bab 160

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愛を育もう!!結婚6日目・恐らく、今夜…… 1

辺境伯城の上に月が昇った頃。 ビアンカはお湯に浸かって、一日の疲れを取っていた。 (朝はリシュナ領軍の兵士たちと対戦試合をして、午後は領都バリードでユリウスとデートを楽しんだ。そして、陽が落ちる頃に辺境伯城へ帰って来ると予想外の来客が待ち構えていて……) 「今日も濃い一日だった……」 ため息交じりのボヤキ。 ユリウスはまだ仕事が残っているらしく、浴室にはビアンカしか居ない。 ―――両手で乳白色の湯をすくい上げ、指を開いてトポ、トポ、トポと水面へ溢していく。 「程良いとろみ……、いいお湯だ」 ビアンカは毎日お風呂に浸かれることに幸せを感じている。 リラックス効果もさることながら、肌の調子がとてもいいのだ。 (宿舎には男性用の大浴場しかないからなぁ~。やはり、女性用の大浴場も欲しいよなぁ~) 彼女がボヤくのも無理はない。 実際、国軍の宿舎には男性用の大浴場しかないので、女性兵士は個室タイプのシャワールームを交代で使っている。 これは男女差別をしているわけではなく、女性兵士の人数が少ないというのが一番の理由だ。予算が付かないのである。 「よし、王太子妃になったら、女性兵士の大浴場を作ろう! 待遇改善だ!」 (しかし、王太子妃の最初の目標が女性兵士専用の風呂を作るというのはどうなのだろう? 民から税金の無駄遣いと思われたら地味に嫌だな。各方面から不満が出ないようにするなら……) 「そうだ! 私財を投じよう! 別に使う予定も無いし……」 (あとで、ユリウスに話して、彼の意見も聞いてみよう) ビアンカは腕を組んで、うんうんと満足げに頷く。 ―――先ほど、ネーゼ王国の王女コルネリアは伯母のカメリアの命で母国へ強制送還された。 (コルネリア王女はあの状態で帰国させて大丈夫だったのだろうか。意識を取り戻した後も、塞ぎ込んでいるように見えたが……。ただ、コルネリア王女はマリウス兄上を嫌っているようには見えなかったからなぁ~) マリウスが現れた時、コルネリアは少し恥じらうような仕草を見せていたのである。 (サッと顔を扇で隠していたし、頬を赤らめていたような気もしたのだが……。マリウス兄上がああいう事務的なプロポーズをしなければ、もっと違う状況になっていたかも知れないのに……) 一方、カメリア夫人は『姪が蜜月のお邪魔をして
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愛を育もう!!結婚6日目・恐らく、今夜…… 2

「本当に!?」 偏見かも知れないが……、ビアンカの目から見て、マリウスとマクシムはガタイの良いだけの大男だ。目が合っただけで恋に落ちてしまいそうな美男子ユリウスとは全く違う。 (ん~、女性ウケが良いとはとても思えないのだが……) 「その質問に対する答えはノーです。女性とそれなりに遊んでいるというのは、あくまでも本人談です。信用しない方がいいと今日の出来事で確信しました」 「ああ~、本人談だったのですね。それなら、納得です!」 平然と失礼なことをいう、ビアンカ。 「だとしても、あれはダメです。婚約に至った経緯くらい相手に説明したらいいのに……」 「ええ、たとえ政略結婚で決定は覆せないのだとしても、きちんと話をすべきです」 二人は仲良く、うんうんと頷き合う。 (私たちの結婚のスタートは特殊過ぎて、たとえ話にもならないが……、結婚後は互いに歩み寄り、良い関係を築いているような気がする。マリウス兄上も自分のペースではなく、少しはコルネリア王女に……) ここでビアンカの脳裏にマリウスが『もう決まった』と念押しした後、コルネリアの手に口づけをしたシーンが浮かんできた。 「―――マリウス兄上の口づけは余計でした」 「ええ、コルネリア王女が顔を強張らせて固まっていたのに、追い打ちをかけましたからね」 再び、二人は顔を見合わせて、うんうんと頷き合う。 「話は変わりますが……、カリーム皇太子から手紙が届いたのは驚きました。それと、カメリア夫人の迫力が凄くて……、圧倒されました」 ビアンカは手をヒラヒラと扇のように振って見せる。 「ええ、夫人は豪快な方でしたね」 ユリウスはカメリア夫人を思い出して、クスッと笑う。 「とはいえ、ターキッシュ帝国の皇太子カリーム殿下が義理の母のカメリア夫人を使って、こちらへ連絡して来るとは思いませんでした。―――報告によると夫人は街中で目立っていたXに話しかけて、辺境伯宛ての重要な手紙を持参したと訴えたようです。そして、そのまま一緒に城に来たと……」 「なるほど!! そういう流れで、あの謎のお茶会が開催されることになったのですね」 「そうです」 (いやいやいや、X……。お前、諜報員だろ。―――街中で目立つ、声を掛けられる、一緒に登城? ツッコミ処しかないのだが!!) 「ユ
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愛を育もう!!結婚6日目・誓約 1

 ビアンカに微笑み掛けた後、ユリウスは右手で前髪を後ろへかき上げた。サラサラの銀髪から水滴がキラキラキラ~と煌めきながら滑り落ちていく。(ふお~っ、前髪を上げたユリウスの造形美が凄い。本当に水もしたたるいい男……、眉目秀麗……)「ユリウス……、どうして、そんなに……」 ビアンカは言葉を止めて、二十秒ほどユリウスの顔を見つめてから、口を開いた。「―――カッコいいの~!」「え?」「もう、その顔は罪ですよ! 好きです、とても好き……」 六日目の心を育てるプログラムはまだ終わっていない。 だから、ビアンカは感じたことを素直に口へ出していく。「ビアンカ、不意打ちですか」 感情のこもった声で好きと言われ、ユリウスの心は激しく揺さぶられている。「ユリウス、忘れていませんか? 私は戦士です」 彼女はユリウスの左耳に手を伸ばし、お揃いのピアスを指先でピンと弾く。「攻撃は日常です」「一日で習得し過ぎです」「飲み込みは早い方なので……」 ユリウスは天を仰いで、フゥ~と呼吸を整える。 飛び級モードに入ったビアンカに置いて行かれないように……。「私は職業柄、感情を表に出さないようにする教育を受けて来ました。ですから、今日のプログラムは自分の本心と向き合う良い機会になりました」 ビアンカは彼だけに聞かせる穏やかな口調で、言葉を紡いでいく。「お恥ずかしながら、私はあなたを見て、カッコいいとか、可愛いとか、何でも上手くこなせて凄い! とか、考え事をしている時の仕草が好きだ~とか、色々なことを一日中、考えています」「素直さが凶器に……」 ユリウスはボソッと呟く。「正直に言うと、七年前に会った少年ネロは私の恋愛対象
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愛を育もう!!結婚6日目・誓約 2

「恋人の練習期間は、あと一日残っていますけど、本当に良いですか?」 ユリウスはビアンカの紫色の瞳を覗き込んで確認する。「はい、覚悟は決めました」 覚悟という言葉を聞いて、ユリウスは軽く微笑む。 彼女らしい一言だな……と。「分かりました」 ユリウスは天蓋のカーテンを引いて閉じた。(カーテンを閉じるだけで、二人だけの世界になった……)「では、これから私の身体にかけた誓約を解きます」「誓約?」 誓約という言葉を初めて聞いたビアンカは『それは何ですか?』というニュアンスを込めて、彼を見つめる。「性欲を消す誓約を掛けています」「―――えっ、なぜ!?」 ビアンカは目を大きく開く。「あ~、それは……、初めて一緒にお風呂に入……、いや、入る前に……、これは絶対無理だと思ったので……」 何となく歯切れの悪い回答をする、ユリウス。 本当は辺境伯城に向かう馬車の中で『毎日一緒に夜空を眺めましょう』と誘った時点から、ムラムラしていたのだが、流石にそこまでは言いたくなかった。(無理って、何がどういう……。いや、あまり追及しない方が良さそうな気がする……) ユリウスは自分の左肩の上に右手を置いて、ビアンカには理解出来ない呪文を詠唱していく。 そして、詠唱を終えると、ユリウスの胸に魔法陣のようなものが浮かび上がってきた。「凄いですね~。身体の中から魔法陣が浮き上がってくるなんて……」(どういう仕組みなのかさっぱり分からない~) 好奇心旺盛なビアンカは魔法陣をついつい観察してしまう。「古代文字のようなものが軌道を描いて、クルクルと回っていますね~」 二人でベッドの上に
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色々決着!?結婚7日目・夢想と甘い目覚め 1

  真っ暗闇の中で、ユラユラとどこかを漂っている。ただ、意識だけはハッキリとしていた。 この感覚は前にも味わったことがある。―――と、ビアンカが認識した瞬間、パッと視界が開けた。 窓のない狭い部屋。 スタンドランプがひとつ置かれていて、部屋の中はまあまあ明るい。作り付けの棚には保存用の瓶が整然と並び、壁面には乾燥した植物が吊るされている。そして、大きなツボもいくつか置いてあった。 ドン、ドン、ドン!!「お父様、お願いします。どうか、ここから出して下さい!!」 腰まである金髪を振り乱してドアを叩き、外に向かって叫んでいる女性が一人いた。(ここはどこだ?―――倉庫のようだが……。女性の手には血が滲んでいる。彼女はどれくらいの時間、この閉じられたドアを叩いていたのだろう)「カラ、お前を外に出すわけにはいかない」  ドアの向こうから怒気を帯びた低い声がした。(この声の主は彼女の父親か?) ここで、ビアンカはドアに縋りついている女性のお腹が膨らんでいることに気が付く。(何ということだ!! カラという女性は妊婦じゃないか!? 父親はどうして娘をこんなところに閉じ込めた? この娘の結婚に反対でもしているのか!?) うっ、うっ……と、カラのすすり泣く声が聞こえてくる。 ビアンカは彼女を助けるために、手を伸ばそうとして……。―――しかし、手は出て来ない。(あれ? 手……? ハッ!? これは……、もしかして、夢?―――私は夢を見ているのか!?) ビアンカは自分がこの場に存在していないということに気付いてしまう。すると……。(あ~~~、うそ!? 視界が~~~!) あっという間に視界が暗転してしまった。―――次にビアンカの目に映し出されたのは…&he
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色々決着!?結婚7日目・夢想と甘い目覚め 2

 真っ直ぐで艶々としている黒髪を一房、持ち上げて口づけを落とした。 眠りを妨げたくはないが触れたい。 彼は欲望と戦い始めた。昨夜、性欲を押さえる誓約を解いたので、今後は理性だけで乗り切らなければなければならないのだ。―――夜明け前、侍女頭アンナに今日はビアンカをゆっくり休ませると連絡を入れた。 そして、あいにくというか、タイミング良くというべきか……。降雨でリシュナ領軍の朝訓練は中止だ。兵士たちは領内の見回りパトロールへ出動して行った。―――今日くらいは二人で部屋に籠りたい。 なのに……、未明にテオドロスが意識を取り戻したという知らせが、モルテから入った。 きっと、ビアンカは一発、彼に拳を入れないと気が済まないだろう。喜ばしい日にあいつと会わせるのは癪だが……。 目の前にあるビアンカの背中にそっと触れてみる。「ん~、あ……ん? クラ、んんん、ん~」 彼女はムニャムニャと寝言を言う。―――可愛い。ユリウスは微笑みを浮かべる。 次は黒髪を優しく数回、撫でてみた。再び、ス―ッ、ス―ッと規則正しい寝息が聞こえて来る。―――抱きしめたい。 彼はそっと後ろから彼女を包み込む。「クラトス……」「―――クラトス?」 ユリウスが聞き返すとビアンカはパチッと目を開けて彼の方を向いた。「―――あ、ユリウス!―――おはよう……ございます」 挨拶を告げたビアンカの声は、酷く掠れていて……。(ああああ、あれ? 声が……) 昨夜の秘め事のアレコレが脳裏で再生されそうになり、彼女は慌てて頭を左右に振って打ち消す。「はぁ……、また朝から知らない男の名前を聞かされるとは思いませんでした。―――で、クラト
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色々決着!?結婚7日目・夢想と甘い目覚め 3

「ところで、今、何時ですか?」「八時前です」「えっ? 八時!? 嘘っ!!」(は、は、は……、八時~!? あ~~~~、朝訓練!! やっば~!! 遅刻どころか、とっくに終わっているじゃないか~!!!)「―――どうしよう……」「ビアンカ、心配しなくても大丈夫です。明け方から雨が降り始めたので、朝訓練は中止になりました。なので、今朝はゆっくりしましょう」(おおおおお~!! 雨!! 雨天中止!! ありがとう~!! 助かった~!)「雨が降ってくれて、本当に良かったです!! いきなり信用を無くすところでした……」「別に……、夫婦で朝訓練を休んでも、誰も文句は言わないと思いますよ。フフフフッ~」 ユリウスは口元に人差し指を当てて、楽しそうに笑う。(言わないかも知れないけど、詮索くらいするだろ~!)「もう! 察されるだけでも嫌です!! 次からは絶対に寝坊しません!」「ブッ、ハハハハハ……」 ユリウスは必死に寝坊しないと宣言するビアンカに耐え切れなくなり、声を上げて笑い出した。「ビアンカ、可愛いですね~」(うううっ、バカにされている……。でも、恥ずかしいものは恥ずかしいんだ! 夫婦の閨事で訓練を欠席とか、絶対にダメ!!)「ところで……、ビアンカ、身体は大丈夫ですか?」「う~ん、まだ起き上がってないので、良く分からないです」 ユリウスは身体を起こして、天蓋のカーテンを全開にした。 室内は窓辺のカーテンの隙間から僅かな光が差し込んでいるだけなので、まだ薄暗い。「朝食がドアの前に届いていると思うので……」 ユリウスはソファーの上にポイっと投げ置かれていたガウンを手に取って羽織ると、ドアの方へ向かう。 ガチャッ&helli
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色々決着!!結婚7日目・鉄拳制裁 1

 辺境伯城の地下には魔法牢というものがある。名前の通り、全てを魔力で管理している牢だ。「ユリウス、この魔法牢はいつ頃出来たのですか?」 彼の隣を歩いているビアンカはリシュナ領軍の漆黒(軍服)を身に纏っている。 寝室を出る際『ビアンカ、武器は全て置いて行って下さい』と、ユリウスからお願いされた。 理由は『まだ、裁判前なので、彼を殺してしまうと不味い』とのこと。ビアンカは『拳で殴るだけなので、武器は使いません』と反論したが『ダメです』と、ユリウスに冷たく断られた。 そのため、武器は暗器も含めて、ひとつも携帯していない。「ここは神代の頃からあったと言われています」「神代!? どこ情報?」「魔塔です」(出た!! 魔塔情報!! これ掘り下げてもいいのか?―――ん~、ユリウスの出してくる情報はどこまでつっこんでいいのか毎回、悩むのだけど~~~、でも、当たり障りなさそうな質問なら……)「ちなみに魔塔はいつ出来たのですか?」「―――それは……、最高機密なのですが、主神……」「ストップ! ユリウス、スト~ップ!! 最高だろうと何だろうと機密は言わなくて良いです!! 聞いたらダメなものは聞きません!!」 機密という言葉が耳に入った瞬間、ビアンカは彼を制した。(迂闊に聞いてしまったら、面倒事を抱えることになる。しかし……、主神という言葉まで聞いてしまった。主神って、主神ダイアのことだよな? 想像していたよりも、かなり昔……。いや、余計なことは考えないに限る。―――忘れよう) コツ、コツ、コツという足音だけが、廊下に響いている。 魔法牢の廊下は薄暗く、無機質な感じのする不気味な空間だ。「結構、歩きましたね。あいつの入っている牢はまだ遠いのですか?」「はい、(テオドロスは)最奥に入れてますから」(最奥!? 大して強いわけでもないテオドロスを? というか、私の中で再起不能説もあったくらいなのに? ユリウスの私怨を感じるのは気のせいだろうか……)「手前にツィアベール公国とター
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色々決着!!結婚7日目・鉄拳制裁 2

 テオドロスはビアンカが本領を発揮した姿を知らない。 渡り廊下で連れ去られそうになった時もビアンカはたいした抵抗もせず、おとり捜査のつもりで彼についていったし、その後も情報を聞き出すことに専念した。 まさか相手が略奪婚を狙っていたとは思わなかったが……。「テオドロス、あの時、お前は私が抵抗しないのをいいことに好き勝手なことをしてくれたな。今回はそのお返しだ。しっかりと受け取れ!!」 ボグッ。 重い音がした。テオドロスは頬に強打を食らい、口から血を吐く。―――ユリウスは背を向けた。 言うまでもないが……、怖いからではない。いきなり戦士モードに入ったビアンカを見て、笑いが込み上げて来たからだ。 ユリウスと一緒にいる時の可愛いビアンカと、戦士モードに入った時の鬼のような形相をしている彼女はギャップがあり過ぎて、色々と辛い……。笑い上戸なだけに……。「お前、紫色の瞳を持つ後継者候補だからと調子に乗って、良からぬことを企んでいたのだろうが……、残念ながら、今世の後継者はもう決定している。おい、分かるか? お前は選ばれなかったんだ。愚かな策略は海の藻屑となった。もう、誰も助けてはくれないぞ?―――裁判にかけて、しっかりと罪を償わせるからな!!」 ズドンッ。 二発目はボディに入った。 テオドロスは白目を剥く。全身から力が抜け、魔法の鎖に支えられる。「クソが!! 二発でへたばるんじゃね~!!」 ガツッ。 ビアンカはテオドロスの太ももを横から蹴り上げた。「ブッ、クッ、クッククク」 背後から笑い声がして、ビアンカは振り返る。ユリウスが床にうずくまって笑っていた。「なっ、そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか~!!」 可愛い口調……。いつもの声だった。「その切り替えの早さはちょっと罪…
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色々決着!!結婚7日目・同じ顔をしている者同士 1

 シトシトと穏やかに大地へ潤いを与えていた雨はいつの間にか止んでいて、雲の隙間から薄明光線が降り注いでいた。―――リシュナ大陸に主神ダイアが降臨するのは数千年ぶりのこと。 ところが、明るい光に包まれている主神ダイアの表情はどことなく冴えない。(表情も暗いし、何より顔色が悪い。この数日の間に何かあったのか!?) その上、ビアンカと視線が合うと彼は気まずそうに視線を足元に落とした。ビアンカは理由が分からず、首を傾げる。 トン。―――ピサロ侯爵はビアンカを肘で小突いた。(ああ、もう、父上……! 『こいつは誰だ?』と言いたいのだろう? しかし……『彼は神です』と、ここで口に出していいのか? ん~、こういう時は……、ユリウス~!!) 判断に困ったビアンカはユリウスの袖を引っぱる。「あのう、ユリウス。父上に彼のこと……」 ユリウスは十秒ほど顎に手を当てて考えてから、その場に居た者たちに指示を出した。「私が温室へ強固な結界を張ります。話はその中でしましょう」 ユリウスが結界を張ると言い出したので、ピサロ侯爵は『この自分とそっくりな人物は何者なのだろうか……』と困惑する。♢♢♢♢♢♢♢ 雨上がりの中庭は葉っぱや花に付いた水滴が、雲間から真っ直ぐ落ちて来る強い光に照らされて、ダイアモンドのように煌めいていた。 しかしながら、ここの四人は中庭の植物を鑑賞することもなく、そそくさと通り抜けて、温室へ急ぐ。 全員が温室に入った瞬間、ユリウスは強力な結界魔法を掛けた。「結界を張りました。これで盗み聞きされる心配もありません。では、まず、宰相にご紹介します。この方はこの世界を創造した主神ダイアです。それから、ダイア、彼はビアンカの父、ピサロ侯爵です。この国の宰相をしています」 ユリウスに軽い口調で神を紹介され、ピサロ侯爵の脳内に大きなクエスチョンマークが浮かぶ。
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