人生とはままならないもので、美羽は悠斗の「義姉」となった。「悠斗くんとはずいぶん会ってないわね」澪は感慨深げに言った。「どんな好青年になったかしら」悠斗は車を飛ばしてこちらに向かっていた。本来なら1時間近くかかる道のりを、数十分で駆け抜けてきたのだ。今日は取引先と会うため、スーツでびしっと決めていた。そのせいか、いつもより落ち着いた雰囲気だ。185センチの長身で、すらりとしている。少年っぽさの残る精悍な顔立ちは、人混みの中でもひときわ目を引く。中山家の男たちは皆、顔立ちが整っている。しかし、その中でもやはり翔平は別格の存在だった。澪の姿を見つけると、悠斗は人懐っこい笑顔で声をかけた。「澪おばさん、ご無沙汰しています」澪は微笑んだ。「久しぶりね。悠斗くん、ますます素敵になったわ」褒められても、悠斗はまったく照れることなく言った。「じゃあ、次にお会いするときは、もっと素敵になってますよ」澪は思わず笑ってしまった。本当に素直でいい子だ。悠斗は美羽を見て、からかうように言った。「ずいぶん大きくなったな。二人分食べてるんだろ」実は二人が会うのはかなり久しぶりだった。翔平と入籍した直後の食事会で会って以来だ。悠斗は、その時初めて美羽が翔平の妻になったことを知った。それ以来、中山家の集まりで悠斗の姿を見ることはなかった。きっと、会社を立ち上げたばかりで忙しいのだろう。久しぶりの再会でも、二人の間には気まずさなど微塵もなかった。悠斗の前では、美羽もまったく気を遣わない。思わず彼をじろりと睨み、蹴飛ばしてやりたくなった。残念ながら、今はお腹が大きくて思うように動けないけれど。時間が迫っていたので、悠斗と美羽は澪に別れを告げた。澪は、時間がある時に食事に来てね、と悠斗を誘った。「はい、ぜひ伺わせていただきます」それから、二人は車に乗り込んだ。悠斗の会社は東雲イノベーションセンターにあるので、都心からはかなり離れている。彼は美羽の大きなお腹に配慮して、帰りの道はできるだけゆっくりと車を走らせた。「おばあさんから聞いたよ。女の子なんだって?」美羽はお腹を撫でながら、静かに頷いた。「本当に神様のおかげだな。生まれてきたら、ここ数世代の中山家でたった一人の女の子だ。きっと、すごく可愛がられるぞ」中山家は
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